中国のスマホ大手Xiaomiが，1億800万画素カメラ搭載スマホ「Mi Note 10」で国内市場参入

　2019年12月9日，中国の大手家電メーカーXiaomi Corporation（シャオミ，北京小米科技有限責任公司，以下 Xiaomi）は，日本の家電およびスマートフォン市場への正式参入と，参入第1弾となるAndroidスマートフォン「Mi Note 10」シリーズの2019年内発売を発表した。

Mi Note 10

　Xiaomiという企業について詳しい人は少ないと思うので，ごく簡単に説明しておこう。同社は2010年創業のメーカーで，スマートフォンを中心に事業を展開しており，IDCの調査では2019年第3四半期のスマートフォン出荷台数調査において，Appleに続く世界5位にあたる企業だ。一方で，近年はテレビや白物家電など，スマートフォン以外の製品にも注力している。

スマートフォンで知られる企業ではあるが，2000を超えるさまざまなデバイスを開発しているという

　今回の日本市場参入でも，総合家電メーカーとしての立ち位置を反映してか，スマートフォンだけでなく，炊飯器やスーツケースといった毛色の違う製品がラインナップに加わっている。各製品の発売日とメーカー想定売価は以下のとおり。

• Androidスマートフォン「Mi Note 10」：5万2800円（税込5万8080円），12月9日予約開始，12月16日発売
• Androidスマートフォン「Mi Note 10 Pro」：6万4800円（税込7万1280円），12月9日予約開始，12月23日発売
• リストバンド型ウェアラブルデバイス「Mi スマートバンド 4」：3490円（税込3839円），12月9日予約開始，12月23日発売
• モバイルバッテリー「10000 mAh Mi 18W急速充電 パワーバンク3」：1899円（税込2088円），12月中発売
• 炊飯器「Mi IH炊飯器」：9999円（税込1万998円），12月中発売
• スーツケース「Xiaomi メタルキャリーオンスーツケース 20インチ」：1万7900円（1万9690円），12月中発売
• スーツケース「Xiaomi スーツケース クラシック 20インチ」：7990円（8789円），12月中発売

1億800万画素カメラを搭載したMi Note 10

　今回の発表でゲーマーが注目すべき製品は，もちろんMi Note 10シリーズだ。Xiaomi製スマートフォンのうち，スペック重視の製品ラインである「Mi」シリーズの中でも，カメラに注力した製品となる。
　製品ラインナップは，標準モデルの位置付けにあるMi Note 10と，上位モデルとなるMi Note 10 Proの2種類。大きな違いはメインメモリ容量とストレージ容量で，Mi Note 10がそれぞれ6GBと128GB，Mi Note 10 Proは8GBと256GBとなっている。それ以外の特徴はほぼ共通なので，特筆すべき点がない限りまとめて説明していく。
　Mi Note 10シリーズの見どころは，背面にある5眼式のアウトカメラだ。1億800万画素の撮像センサーを搭載するメインカメラを筆頭に，画角117度の広角カメラと，35mm換算で約50mm相当のポートレイト用カメラ，50倍のデジタルズームに対応した望遠カメラ，加えて，撮影対象に寄れるマクロ用カメラという5種類を，背面左上に並べて装備している。

背面に搭載する5つのカメラ。上から望遠カメラ，ポートレイト用カメラ，1億800万画素のメインカメラ，広角カメラ，マクロ用カメラを配置する

Xiaomi 東アジア担当ゼネラルマネージャー Steven Wang氏

　中でも特徴的なのが，Samsung Electronicsと共同開発したという1億800万画素のセンサーを搭載するメインカメラで，撮影した写真の最大解像度は，12032×9024ドットに達する。Xiaomiで東アジア担当ゼネラルマネージャーを務めるSteven Wang氏は，「髪の毛やまつ毛といった細かい部分も精細に表現できる」とアピールする。このカメラではズームに対応しないが，撮影後の写真をトリミングすることで，1枚の写真から異なる部分を強調した複数の写真を表現できるという。

世界初という1億800万画素のセンサーを備えたメインカメラを搭載

解像度は最大12032×9024に達する

1枚の写真をトリミングして，それぞれで異なる主題を表現する写真を作成できるという

　このメインカメラを含む，5つのカメラをユーザーが使い分けることで，さまざまな撮影シーンに対応できるとのことだ。また，RAWファイルベースの複数の写真を合成して，夜景を明るく撮影できる撮影モード「ナイトモード2.0」も見どころとのことだ。

ポートレイト用カメラ

右が広角カメラで撮影した写真

10倍のハイブリッドズームでもディテールが崩れずに撮影できるという

マクロカメラでは被写体に1.5cmほどまで寄れるとのこと

　動画向けには，AIを使った手ブレ機能補正である「ShootSteady」や，960fpsのスローモーション撮影，ショートビデオを編集する「VLOG」モードといった機能を搭載する。

カメラ機能のまとめ

　カメラ以外の主なスペックは，Qualcomm製のミドルクラスSoC（System-on-a-Chip）である「Snapdragon 730G」を搭載しており，ディスプレイには，解像度1080×2340ドットの6.47インチ有機ELディスプレイパネルを採用している。Snapdragon 730Gはハイエンド市場向けSoCほどのスペックではないものの，Qualcommがゲーム用途向けをアピールしていたSoCだけに，Mi Note 10シリーズがどの程度ゲームにおける性能を発揮できるのかは気になるところだ。

表　Mi Note 10およびMi Note 10 Proの主なスペック

製品名	Mi Note 10	Mi Note 10 Pro
OS	Android 9（Pie）
ディスプレイパネル	6.47インチ有機EL，解像度1080×2340ドット，アスペクト比 9：19.5，最大輝度 600cd/m2，HDR対応
プロセッサ	Qualcomm製「Snapdragon 730G」 ・CPUコア：Kryo 470（最大2.2GHz）×8 ・GPUコア：Adreno 618（最大700MHz） ・モデム：Snapdragon X15 LTE
メインメモリ容量	6GB	8GB
ストレージ	128GB	256GB
アウトカメラ	5眼式 ・メイン：1億800万画素，開放F値1.69，光学式手振れ補正 ・ポートレート：1200万画素，焦点距離約50mm（35mm換算），開放F値2.0，光学2倍ズーム ・広角：2000万画素，画角117度，開放F値2.0 望遠：500万画素，開放F値2.0，光学式手ぶれ補正，10倍ハイブリッドズーム，50倍デジタルズーム マクロ：200万画素
インカメラ	3200万画素，開放F値2.0
対応LTEバンド	FDD-LTE：Band 1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28/ TD-LTE：Band 38/40
対応3Gバンド	WCDMA：Band 1/2/4/5/6/8/19
無線LAN対応	IEEE 802.11ac
Bluetooth対応	Bluetooth 5.0
待受時間	未公開
連続通話時間	未公開
バッテリー容量	5260mAh
インタフェース	USB Type-C，4極3.5mmミニピン端子
公称本体サイズ	74.2（W）×9.67（D）×157.8（H）mm
公称本体重量	約208g
本体カラー	ミッドナイトブラック，グレイシャーホワイト，オーロラグリーン

XiaomiのMi Note 10製品情報ページ