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[GDC 2013]Twitterでのジョークから生まれた「MolyJam」はどのようにして成功したのか。同イベントの発起人Anna Kipnis氏による講演が行われた
MolyJamについては,その経緯や顛末を4Gamerでも詳しくお伝えしているが,著名ゲーム開発者Peter Molyneux(ピーター・モリニュー)氏の偽物である「petermolydeuxNOT」 (現在は,petermolydeux)なる人物が,Twitterを利用して,さまざまなゲームのアイデアを発信し続けていたのがゲーム関係者の間で徐々に話題となり,現在までに6万人のフォロワーを超えるほどの人気アカウントとなっている。
登壇したキプニス氏は,petermolydeuxNOTが発信する「プレイヤーの本当の誕生日だけに強力なパワーが発揮できるようなシステム」や「主人公はクマ。人々に愛されたくてハグして回るが,力を込め過ぎると人間は死んでしまう」といった奇抜なアイデアを放っておくのはもったいないとして,ジョークにジョークを重ねる形でイベントの開催を企画したところ,瞬く間にコミュニティに広がり,2012年3月31日と4月1日の両日に,世界35か国で同時開催されるという一大イベントになったのだ。
MolyJamの開催に際しては,本職はオーストラリアのアーティストであるというpetermolydeuxNOTが作品の評価をすると約束し,本物のモリニュー氏本人も嫌がる風でもなく,ロンドンで開催されたイベントに参加して若いプログラマーの前で短いスピーチをするなど盛り上げている。
そもそも,petermolydeuxNOTというTwitterアカウントに関しては,キプニス氏の友人やジャーナリストの間で話題になっていたのだが,彼女自身がRTしたことで大きな話題になったこともあり,その責任を感じてMolyJamを組織することになったらしい。それまで,ゲームジャムのようなイベントの運営などの経験はなかった彼女は,「もう少し時間があればもっと良いものにできた」と話していたが,大らかな社風を持つDouble Fine Productionsのバックアップもあり,かなり魅力的なイベントになったのは間違いないだろう。
キプニス氏によると,ほかの多くのゲームジャムと異なり,MolyJamは賞金を用意するようなコンペティティブなイベントではなかったことや,petermolydeuxNOTの発信するメッセージから,ほとんどの参加者が事前に自分の開発するゲームをイメージできていたことなどが,成功の大きな理由になっていたのではないかと話す。さらに,フリーランスジャーナリストのChris Remo(クリス・レモ)氏といった,ゲーム開発には携わっていない人々が運営に関わったことで,ゲーム業界関係者とアマチュアの橋渡しができるような環境ができ,ほとんどの地域で非常に和気あいあいとしたイベントとなったとキプニス氏は話していた。
まだ時期は確定していないものの,第2回目のMolyJamも企画中であるとのこと。「ゲーム開発」と「ピーター・モリニュー/モリドゥー」を合言葉に,今年もさまざまなプログラマーが集い,とんでもないアイデアの作品が生み出されることになるかもしれない。
「What Would Molydeux」公式サイト
Game Developers Conference公式サイト
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