企画記事
今日から始める「東方Project」。「東方紅魔郷」から「東方鬼形獣」まで,Windowsで遊べる17タイトルを一挙紹介
東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.
登場:2002年8月開催「コミックマーケット62」
入手方法:各種同人ショップ
体験版DLページ
「東方紅魔郷」は,PC-98版における最後の作品となった「東方怪綺談」から3年半後に発売された,Windowsでは初となるタイトル。「東方Project」の第6弾タイトルにあたる。「東方Project」において最も特徴的なゲームシステムである「スペルカード」が初めて登場した作品であり,以降の作品すべてに多大な影響を与えている。
自機は霊夢と魔理沙の2人。それぞれ2種類の装備が用意され,いずれかを選択して出撃する。
本作で起こる異変は幻想郷を覆い,太陽を遮った赤い霧の出現。犯人を突き止め,異変を止めるべく2人は行動を開始する。なお,「東方Project」全般に言えることだが,魔理沙に関しては異変を解決するためというより,面白半分で行動していることが多い。
なお,「東方紅魔郷」をWindows 10のフルスクリーンでプレイするとフレームレートが異常高速化する不具合が起こることが確認されている。有志の方が対処法や解消ツールを公開しているので,大画面で本作をプレイしたいという人は「東方紅魔郷 win10」などで検索をかけて,対処してほしい。
■Tips
以下,各タイトルで「Tips」として,「東方Project」全般や該当タイトルに搭載されたシステムやテクニックを紹介していく。分かりにくいシステムや攻略情報を記載しておくので,ぜひプレイに役立ててほしい。
・スペルカードシステム
弾幕シューティングにおけるボス戦での攻撃変化をボスが繰り出す「必殺技」に置き換えたシステム。「東方Project」のボス戦では,敵が繰り出すスペルカードをすべて攻略し,0枚にすることで勝利となる。なお,スペルカードの枚数はボスによってマチマチで,強敵ほど多くのスペルカードを繰り出してくる。
スペルカードにはそれぞれ特徴的な名前が付けられており,繰り出される弾幕とイメージが合致するものが多い
被弾したり,ボムを使うことなく攻略するとスペルカードを「取得」できる。取得の有無や回数はスコア確認画面などに記録されるため,やりこみ要素の1つとなっている
・食らいボム
多くの「東方Project」作品に搭載されている救済システム。被弾直後にボムボタンを押すことで,ミスをなかったことにし,ボムを発動する。必然的にボムが無い時には発動できない。食らいボムの発動可能時間は作品によって異なるが,多くの作品で非常に短く,被弾すると思いボムボタンを押したら,自動的に食らいボムになった,ということが多い。
狙って発動するのは難しい食らいボム。被弾しそう! と思ったときには積極的にボムを使っていこう
東方妖々夢 〜 Perfect Cherry Blossom.
登場:2003年8月開催「コミックマーケット64」
入手方法:各種同人ショップ
体験版DLページ
「東方紅魔郷」の1年後に登場した「東方Project」第7弾タイトル。霊夢と魔理沙に加え,前作に登場した「十六夜咲夜」が自機に抜擢されている。また,先にも記述したが,「低速時の自機の当たり判定表示」「画面下部のボスの位置マーカー」といった初心者にも優しいシステムが実装された初の作品であり,以降ほとんどの「東方Project」作品に同一のシステムが搭載されている。
本作で起こる異変は冬の長期化。いつまでたっても春が訪れないため,霊夢,魔理沙,咲夜の3人はそれぞれの思惑を持って,異変解決に乗り出す。
「東方紅魔郷」と同じく,「アリス・マーガトロイド」「魂魄妖夢」「西行寺幽々子」「八雲 紫」といった,以降の作品でも度々顔を見せる主要キャラが多数登場している本作。初心者向けのシステムが搭載されたことも相まって,初めて「東方Project」を遊ぶという人にオススメのタイトルとなっている。
■Tips
・森羅結界
本作にのみ搭載された独自システム。「桜アイテム」を取得することで溜まる「桜点+」を一定値溜めることで発動し,時間と共に減少する桜点+が0点になるか,ボムボタンで発動する「霊撃」を使うか,被弾することで終了する。
桜の花びら状のアイテムを集めることで発動する森羅結界。一定時間無敵になれると捉えてもらえれば大丈夫だ
霊撃は発動時に画面の敵弾を消失させる。また,森羅結界発動中の被弾時にも自動で発動する
・アイテム自動回収
画面の一定ラインよりも上部に自機が行くことで,ショットを強化するパワーアップアイテムや得点アイテムなどを自動回収してくれるシステム。「東方風神録」以降の作品では,とくに条件は必要なく自動回収してくれるが,「東方紅魔郷」「東方妖々夢」「東方永夜抄」では,画面の一定ラインより上部で,以下の条件を満たした場合に回収が行われる。
タイトル 条件 東方紅魔郷 ショットのパワーが最大時 東方妖々夢 ショットのパワーが最大時。ExtraステージとPhantasmステージでは条件なし 東方永夜抄 低速移動時。ショットのパワーが最大になると高速移動時にも回収する。また,魔理沙のみ条件なし
便利なシステムであるが,画面上部に行くため被弾の原因となりやすい。敵の出現位置を把握したうえで利用したい
・Extra
「東方Project」では多くの作品において,難度ノーマル以上をノーコンティニューでクリアすることで,Extraモードが出現する(出現条件はタイトルにより多少変化する)。多くの場合で本編のバックストーリーや余談が展開されるが,難度がそれなりに高く,コンティニュー不可という条件もあり,クリアするにはそれなりの練度が必要となる。
「東方妖々夢」のみExtraから派生する「Phantasm」が用意されており,「Extraをクリア」「クリアした機体でスペルカード60枚を取得」の条件を満たすことで出現する
東方永夜抄 〜 Imperishable Night.
登場:2004年8月開催「コミックマーケット66」
入手方法:各種同人ショップ
体験版DLページ
「東方Project」第8弾タイトル。「東方紅魔郷」「東方妖々夢」に登場した敵キャラが多く再登場している作品で,4組8人の人間と妖怪のペアが自機として使用できる。また,同一の難度で4組すべてのストーリーをクリアすることで,各キャラの単機プレイが開放されるため,合計12種類のバリエーションでゲームを楽しめる。
今回の異変は夜が終わらないこと。といってもそれは表向きの異変であり,真の異変は満月の異常(少し欠けている)で,不自然な月を元通りにするべく,人間と妖怪のペアがそれぞれの方法で時間を止め,原因の究明に乗り出す。
自機のバリエーションの豊富さに加え,スペルカードのみを練習できる「スペルプラクティスモード」の搭載など,やり込み要素はシリーズでも随一。「東方妖々夢」と比べるとやや難度は上がっているが,こちらも「東方Project」入門にはピッタリのタイトルと言える。
■Tips
・ラストスペル
「東方永夜抄」に登場するステージボスが使用するスペルカード。ステージごとに設定された「刻符ノルマ」(ステージで獲得できるアイテム「刻符」のノルマ)を達成することで,ボス戦終了後に挑戦できる。ラストスペルは被弾してもミス扱いにならない。
ノーマル以上の難度とExtraモードのボスのみが使用するラストスペル。いずれも強力なスペルカードとなっている
ラストスペルは自機にも搭載されており,食らいボムの受付時間終了後に展開される「決死結界」中にボムを使うことで発動する。威力が高く設定されているが,ボムストックを2個消費してしまう
・ラストワード
「東方永夜抄」のプラクティスモードでのみ挑戦できる各ボスに設定された強力なスペルカード。名前の通り,最終奥義的な扱いで取得難度は非常に高い。出現条件(条件はプラクティスモードで確認可)も厳しいものが多く,弾幕シューティングに自信がある人や本作をとことんやり込みたい人に向けて用意されたオマケ的な要素となっている。
東方花映塚 〜 Phantasmagoria of Flower View.
登場:2005年8月開催「コミックマーケット68」
入手方法:各種同人ショップ
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先までに紹介した3作品とは一線を画す,「対戦型弾幕シューティング」を採用した「東方Project」第9弾タイトル。ADKが1996年にアーケード向けに開発したシューティングゲーム「ティンクルスタースプライツ」と似たゲーム性となっており,対戦相手より長く生き延びれば勝利となる。
今回の異変は季節外れの開花。ありとあらゆる花が同時に咲くという異常事態を解決するべく,霊夢は神社を飛び出す。ストーリーモードで使用できる自機は5人。前作でも活躍を見せた霊夢,魔理沙,咲夜,妖夢の4人に加え,「鈴仙・優曇華院・イナバ」がプレイアブル化を果たした。
また,次作となる「東方文花帖」で単独主人公に抜擢される「射命丸 文」は本作が(ゲームとしては)初登場となる。
■Tips
・チャージショット
ショットボタンを長押しすることで放てる強力なショット。画面下部に表示されているゲージを消費するが,最大で4段階まで溜めることができ,2段階以上溜めた場合にカードアタックを同時に発動する。溜めた段階でC1,C2,C3,C4とそれぞれ呼ばれる。
カードアタックはいわゆるボム。自機の周りの弾や敵を消しつつ,敵陣に攻撃を送り込む。ゲージの消費量はチャージ段階によって異なり,それぞれ溜め段階よりも1少ないゲージを消費する
カードアタックはボムボタンを押すことでチャージを経由せずに発動できるが,ゲージが空になってしまう。できるだけチャージショット経由で使っていき,緊急回避時にのみ使うようにしたい
・ボスカードアタック
C4を使用する,あるいは自陣画面の左上に表示される「スペルポイント」が一定値(10万,30万,50万)になったときに発動する強力なカードアタック。自身の分身を敵陣に送り込み,一定時間強力な弾幕を展開する。
分身は自身か相手のフィールドどちらかにしか出現しない仕様となっているので,スペルポイントを溜める駆け引きが本作の対戦の醍醐味となっている。
スペルポイントはフィールドに登場する雑魚敵を一定時間内に連続して倒していくことで加算されていく(ポイントが表示されている下のゲージが0になるとポイントも0にリセットされる)。50万点以降は分身を送り込めなくなるので,一度ポイントをリセットしてもいいだろう
C4でも分身を送り込めるが,スペルポイントで返されると不利な状況を強いられやすい。できる限りスペルポイントを溜めて送り込もう
東方文花帖 〜 Shoot the Bullet.
登場:2005年12月開催「コミックマーケット69」
入手方法:各種同人ショップ
「東方花映塚」に登場した鴉天狗の新聞記者「射命丸 文」を主人公とする「東方Project」第9.5弾タイトル。本記事で紹介する作品には,本作のように小数点以下が付けられたナンバリングタイトルがたびたび登場するが,すべて霊夢と魔理沙以外が主人公のスピンオフ作品となっている。
本作のゲームジャンルは変わらず弾幕シューティングだが,テーマは被写体の撮影。被写体(敵機)が繰り出す弾幕をかいくぐり,記事に使うための写真を撮影することが目的となる。
ほとんどの作品で異変が起きている「東方Project」だが,本作ではとくに起きておらず,物語が展開されるストーリーモードも用意されていない。感覚的には「東方永夜抄」にあったスペルプラクティスモードに近いが,「東方紅魔郷」から「東方花映塚」までに登場したほぼすべてのキャラが被写体として用意されており,ボリュームはかなりのもの。シーンを選択して撮影に挑めるので,短時間でも遊べる手軽さが魅力だ。
■Tips
・フィルム装填率
本作の撮影は,自機近くに表示されるフィルム装填率が100%の時にしか行えない。フィルム装填率は,自動的に上昇していくが,「超精密移動(撮影ボタンと低速ボタンを同時に押す)」をすることで,装填速度を飛躍的に向上できる。
撮影時にフィルム装填率は0%になるが,撮影した弾幕の量によってフィルム装填率はある程度回復する(最大で60%程度)。回避のために撮影する場合は,できるだけ弾幕が濃い場所を撮影しよう
被写体の撮影成功時の回復量は最大で35%程度。次回撮影までの時間が短縮されるので,こちらも意識的に狙っていきたい
・ファインダーモード
撮影可能時に撮影ボタンを長押しすることで,ファインダーモードに移行する。この状態では自機を操れなくなるが,代わりにフォーカスフレームが操作できるようになり,遠くの場所を撮影できる。ファインダーモード時に撮影ボタンを離せば撮影完了となる。
ファインダーモードでは,時間経過と共にフォーカスフレームが狭くなっていき,一定時間経過で撮影失敗となる。どれくらい操作できるかを体感で覚えておこう
高レベルの被写体は弾幕が濃すぎるため,近寄ることが難しい。ファインダーモードを活用して撮影成功を狙いたい
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