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WoTとLoLを混ぜちゃった。戦車MOBA「Armor of Doom」が,上海にパブリッシング先を探しにやってきたら[CJ2024]
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印刷2024/07/28 11:14

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WoTとLoLを混ぜちゃった。戦車MOBA「Armor of Doom」が,上海にパブリッシング先を探しにやってきたら[CJ2024]

 中国のゲームショウ「ChinaJoy 2024」(CJ2024)で,Future Studioが戦車ゲーム「Armor of Doom」(略称:AOD。原題:末日装甲)を出展していた。対応機種はPCで,Steamページも公開済みである。

 端的に説明しておくと,本作は「World of Tanks」のように戦車を動かし,「リーグ・オブ・レジェンド」のようにやり合うゲームだった。この言い方に関しては,試遊台の前にいたスタッフに開口一番で問うたが。

「これ,WoTでLoLやる感じですか?」

「そうです!」

 とのことだったので,よしとする。

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 じっくりカタカタとキャタピラを回して動き,位置関係や砲撃角度で生死を分ける戦車戦。こうしたゲームに関しては,中国でもWargamingのWoTが圧倒的シェアを握ってきて,反攻作戦のごとく立ち向かった新人戦車たちはいずれも占領地を奪うことができなかったらしい。

 だったらと,同じく世界的人気なライアットゲームズのLoL(あるいは中国ならDotaもあり得る)のMOBA要素をかけ合わせ,奥が深すぎる反面,繰り返しのゲームプレイに変化が乏しいリアル志向の戦車ゲームたちに一泡吹かせようと,このAODを制作したようである。

 プレイモードは相手陣地の占領を目指す「1vs.1」「7vs.7」,AI相手に戦う「PvE」が予定されている。とはいえ,現在はまだまだ開発中らしく,形にしきれていない理想も多いのかもしれない。

戦車ラインナップは見た感じ,実在する戦車を取り扱っているように見える
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 戦車の種類は「軽戦車」「中戦車」「重戦車」「対戦車車両」などに分かれており,各戦車が独自の特徴を備えているという。戦車ゲームのいろはを知る人なら,編成も役割もパッと思い浮かぶだろう。

 一方で,戦車ゲームに不慣れな人は「LoLのチャンピオンを選ぶみたいに選んでください!」とのことだ。人によっては最適解の指南である。

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 操作方法はW/A/S/Dとマウス射撃。このほか砲塔旋回や通常・補助・究極スキル,装備(搭乗者)スキルなどが用意されている。
 とくにスキルは「未来的なドローンが自動射撃」「任意の箇所をド派手に空爆」など,戦車ごとの強力なアクションが見られた。

 戦車の挙動に関してはリアリティ方面で,のっそりと重く,けれど確実に忍び寄るような重量感のある仕上がりになっていた。
 ただ,戦車自体はオールドな様相なのに対し,拠点などのガジェットはSFチックなデザインが取り入れられており,実に味わい深い。

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MOBA経験者ならば,このアイテムリストの意味合いがパッと分かるだろう
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 なお,本作はクラシックな戦車ゲームではないので,MOBA的な要素として「戦闘中に稼いだお金で,アイテムを購入して強化」していく。
 アイテムはその戦闘でのみ効果を発揮し,戦闘終了後にすべてリセットされる。この点はMOBAの様式美と言えるだろう。

 さらに戦闘中のレベルアップ要素もある。おそらく「KV-1でレベル2先行!」などと駆け引きするのだろう。本作もMOBAの類に漏れず,優勢なチームが加速度的に優勢になっていく構造だ。おかげで試合展開も自ずとハイスピードになっていき,戦車ゲームでは逃れづらい1ラウンドの長時間化問題を,システム面で自然と解消しているのである。

 こうしたジャンルのかけ合わせとしては,欠点をいい塩梅で補っているように感じた。それが面白いかどうかは,海外取材中という特殊な状況と耐えがたい猛暑に焼かれた脳では判断できなかったが。

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 戦闘外でもカスタマイズ要素が存在する。基本はゲームプレイでさまざまなアクセサリーをアンロックしていき,装備相当の搭乗員たち(ここが唯一の美女キャラクターを押し出せる要素となりそう)が備えている能力を,自分のスタイルに合わせて調整していけるようだ。

 これらを含めたゲームバランスはどうなのか。スタッフに聞いてみると「問題は感じない」と言われた。MOBAは(戦闘時間が長くなるほどに)ゲームバランスが破綻し,かつ快感になることをある程度は受容されているジャンルであるからして,最低でもアーリータイムとエンドゲームの納得感だけうまく収めれば,なんとかなりそうだとは分かる。

 そのように考えて大破していった者たちからは目を背けるが,少なくとも今からとやかく言うのは野暮だろう。言われるのは,世に出てからと,そのあとの対応にケチがついたときだけでいいものだ。

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 ちなみに,Future Studio(現地では未来工作室と表記)がCJ2024に出展した理由は,このAODのパブリッシング会社を探すためだという。

 取材日は会期2日目のお昼ごろだったが,「いい話はできてますか」と尋ねると,「はい。すでに10社以上のパブリッシャから声をかけてもらえました」と返ってきた。詳しい話までは詰められていないようなので,今後の進退がどうなるかは会期後に判明するだろうが。

「じゃあ,本当に忙しいのはこれから?」

「そうですね!」

 戦車ゲームの長所にして欠点である遅延しがちなゲームプレイに風穴を開けようとしている人たちだからこそ,本作のようにハイスピードに物事を進めていける未来が待っていれば面白く思える。

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