テストレポート
HW短評:ゲームテック「DEKAVITA7」(2)工夫すればモバイルなアーケードスティック環境の構築も可能
→短評(1)
DEKAVITA7 メーカー:ゲームテック 問い合わせ先:092-433-9918(平日10:00〜17:00) 価格:2万4840円(税込,メーカー直販限定,2015年11月4日現在) |
第1回で指摘したとおり「PS Vita TVを携帯機にする」ガジェットとしてのDEKAVITA7はかなり残念な性能だが,そのポータビリティは評価できるポイントだ。たとえばリビングのTVを家族が占有しているため自室に据置機を移動させてプレイするときや,新しく組んだPCの動作チェックをするためちょっとしたディスプレイが欲しいときなどには重宝するだろう。そういった用途に向けて,ゲームテックは公式ページで「普通の外付けディスプレイ」としての使用例を提示しており,PS Vita TV以外のデバイスとの接続を容易にするL字型HDMIアダプターとUSB延長ケーブルのセットも別途販売していた。
以下,PS Vita TV以外との接続を実際に試した様子を,写真とキャプションでお伝えしてみたい。
各種ハードでの使用例
Xbox Oneのディスプレイとして
PlayStation 3のディスプレイ&ゲームパッドとして
Wii Uのディスプレイとして
アーケードスティックでどこでも本格プレイ体験
これまで紹介してきた基本的なDEKAVITA7の使用法に加えて,さらに一工夫した使い方も試してみた。それは,外部コントローラの利用だ。
USB端子が外に出るように,電源コネクタだけでDEKAVITA7とPS Vita TVを接続し,HDMIは延長ケーブルで接続する。この露出したUSB端子へPS Vita TV対応の変換アダプタをつなぐと,任意のゲームコントローラを利用できるようになる。
ほかにも似たような製品はあるが,今回はこのTITAN ONEを使ってアーケードスティックを接続してみた。なお,テストに用いたアーケードスティックはMad Catzの「Mad Catz Arcade FightStick Tournament Edition 2 イエロー」だ。
※注意
メーカーの推奨する使用法ではないため,機器の故障を招く可能性や,保証の対象外となる可能性があります。本稿の記載内容を試してみる場合には,あくまで読者自身の責任で行ってください。本稿の接続法を実際に試みた結果,何か問題が発生したとしても,メーカー各社や販売代理店,販売店はもちろん,筆者,4Gamer編集部も一切の責任を負いません。
たとえばゲームセンターでの格闘ゲーム大会,試合直前にはウォーミングアップをしたいところ。PS Vitaの「BLAZBLUE CHRONOPHANTASMA EXTEND」などは移植元のAC版と比べても内容的な遜色はないが,やはりアーケードスティックでのプレイ感とは異なる。練習用の筐体が解放されている場合もあるが,それだと自分の自由にはプレイできない。
ディスプレイと据置機を持ち込んだり,もっとスマートに「Vanguard」のようなものを用いたりといった手段もあるが,これらはいずれも電源の確保が必要だ。「ゲームセンターへ持ち込む」には現実的ではない。
それに対して,DEKAVITA7とPS Vita TV,そしてアーケードスティックの組み合わせであれば,「外部電源不要で,アーケードスティックでのプレイ感を身体に刻める」環境を生み出せる。まあ,周囲からは奇異の目で見られるかもしれないが,“できる”というのは重要だ。
ゲーマー向けのノートPCがあればよっぽど便利じゃないかという気がしないでもないが,その点は価格で考えてみよう。たとえば「ALIENWARE 13(スタンダード)」は13万9800円(税別・送料込)だが,DEKAVITA7なら2万4840円(税込)だ。
「そんなやり方は普通じゃない」と思われるかもしれないが,普通にやっていたら物足りないから,「PS Vita TVを大きめの携帯機にする」なんてコンセプトのDEKAVITA7が誕生したのだろう。ならば,普通じゃない使い方こそがDEKAVITA7のさらなる魅力を引き出してくれるだろう。……たぶん。
なかなかストレートには勧めづらいDEKAVITA7だが,PS Vita TVの可能性を広げてくれるガジェットであるのは確か。本品は記事掲載時点において,11月30日以降発送予定のロットと液晶保護シートのセットがオーダー可能となっている。
「TITAN ONE」をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
「Mad Catz Arcade FightStick Tournament Edition 2 イエロー」をAmazon.co.jpで購入する(Amazonアソシエイト)
「DEKAVITA7」公式ページ
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
- HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください
- この記事のURL: