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[CES 2018]世界初,Core XおよびRyzen Threadripper対応のMicroATXマザーボード2製品をASRockが披露
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印刷2018/01/16 18:11

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[CES 2018]世界初,Core XおよびRyzen Threadripper対応のMicroATXマザーボード2製品をASRockが披露

 北米時間2018年1月12日に閉幕したCES 2018でASRockは,ラスベガスの高級ホテルでスイートルームを貸し切り,その場で,MicroATXフォームファクタ採用のHEDT(High End DeskTop)向けマザーボード「X299M Extreme 4」「X399M Taichi」を披露していた。

X299M Extreme 4
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X399M Taichi
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こちらは国内でも販売中のX299E-ITX/ac。Mini-ITXマザーボードに巨大なSocket R4が載っているのはなかなかシュールだ
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 「MicroATX? もっと小さいMini-ITX仕様の製品がなかったけ?」と気付いた人は鋭い。実のところ,「Intel X299」チップセット搭載のMini-ITXタイプのマザーボード「X299E-ITX/ac」を,ASRockはすでに国内販売している。ただ,やはりMini-ITXでは拡張性が低く,とにかく小さいPCが欲しいのでなければ使いにくいということなのだろう。ASRockに寄せられた,「MicroATXフォームファクタに対応するHEDTマザーボードを望む声」は少なくなったそうで,そういった要望に応えるべく発表したのが,今回の2製品とのことである。


X299M Extreme 4 & X399M Taichi


 まずはX299M Extreme 4から見ていこう。
 製品名からも分かるとおり,X299M Extreme 4は,Intel X299チップセットを搭載し,Core XシリーズのCPUに対応するMicroATXマザーボードだ。メモリスロットは4基で,PCI Express(以下,PCIe) 3.0 x16スロットは3基,PCIe x4接続とSerial ATA 6Gbps両対応のM.2スロット「Ultra M.2」は2基という仕様となっている。

X299M Extreme 4のLGA2066ソケット周辺を拡大してみた。Ultra M.2スロットは,右側のメモリスロットの横に1つ,CPUソケットに一番近いPCIeスロットの下に1つの計2基となっている
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 Mini-ITX仕様に比べると,多少は面積的に余裕のあるサイズなので,PCIe拡張スロットが多いだけでなく,Serial ATA 6GbpsポートやUSBポートも多い。また,オンボードサウンド回路も,Mini-ITX仕様のマザーボードよりは,余裕を持った作りとなっている。

 もう1つの新製品,X399M Taichiは,AMDの「X399」チップセットを採用し,Ryzen ThreadripperシリーズのCPUに対応するMicroATXマザーボードだ。メモリスロットを4基,PCIe 3.0 x16スロットを3基備える点はX299M Extreme 4と同様であるが,Ultra M.2スロットは3基と,1基増えている。

Ultra M.2スロットは,CPUソケット右側のメモリスロット右に2つ,CPUソケット直下にあるPCIeスロットの下に1つの計3基だ(左)。X399M Taichiにおける大きな特徴の1つとしてASRockはサイズの割に充実した電源回路を挙げているが,実機を見てみると,CPUソケットのバックプレート近くに部品がずらっと並んでいた(右)
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 どちらの製品も,発売時期は,中国の旧正月明け以降――2018年2〜3月あたり――とのこと。価格は未公表である。
 サイズが小さいことを除けば,特筆すべき要素は少ないが,Core XシリーズやRyzen Threadripperシリーズで,高性能かつそこそこにコンパクトなPCを自作してみたいという人ならば,見逃せないマザーボードとなりそうだ。


Z370搭載のMicro-STXマザーボードは,デスクトップPC向けGTX 1060搭載MXMカードに対応


 ゲーマー向けに特化した製品というわけではないが,ASRockの担当者が自慢げに披露してくれたのが,「Z370M-STX MXM」という製品だ。
 Z370M-STX MXMは,Mini-ITXよりも一回り小さなASRock独自規格「Micro-STX」を採用するマザーボードで,「Intel Z370」チップセットを採用して,6コア仕様のCoffee Lake-Sにも対応するという製品だが,その最大の特徴は,製品名にもあるとおり,MXM対応のカードスロットを搭載する点にある。

Z370M-STX MXM
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CPUソケットの周囲にある電源回路には,小さなヒートシンクが付いていた
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 ASRockによると,Micro-STXマザーボードは,面積の制約上,PCIe x16スロットを搭載するのが難しいとのこと。そこでASRockは,COMPUTEX TAIPEI 2017のタイミングで発表した「Intel Z270」搭載のMicro-STXマザーボード「Z270M-STX MXM」でMXMスロットを採用したわけだが,今回のZ370M-STX MXMはその後継という理解でいいだろう。

 興味深いのは,ASRockが今回,デスクトップPC向け「GeForce GTX 1060 6GB」搭載のMXMを組み合わせていたところだ。
 このカードは,Sparkle Computerが「EmbPower」という産業機器向けブランドで展開しているMXM Type-B仕様のグラフィックスカード「GTX1060 MXM Graphics Card」(以下,GTX1060 MXM)とのこと。担当者は,「同じ半導体ダイを使っているとはいえ,デスクトップPC向けGeForce GTX 1060 6GBとノートPC向けでは,性能面で違いがある」と述べたうえで,デスクトップPC向けGPU採用のMXMカードを使用することで,小型PCのグラフィックス性能をさらに高められると強調していた。

EmbPowerのGTX1060 MXM。MXM仕様としては大きめのMXM Type-Bに準拠したグラフィックスカードとのこと
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Z370M-STX MXMにGTX1060 MXMを装着した状態
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 なお,ビデオ出力インタフェースは,DisplayPort出力×1とMini DisplayPort出力×1,HDMI出力×2。MXM直結なのか,CPU統合型グラフィックス機能と共用なのかは明らかになっていないが,充実しているのは確かだろう。
 2か月後の発売予定だそうなので,早ければ3月中に出てくるかもしれない。

I/Oインタフェース部を,Micro-STXマザーボード採用のASRock製小型PC「DeskMini 250」と並べてみたところ。USB 3.0 Type-Aも4ポート備えている
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DeskMini GTX1080。Z370M-STX MXM
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 なお,展示ルームには,Z370M-STX MXMにノートPC向け「GeForce GTX 1080」搭載のMXMカードと「Core i7-8700」を組み合わせた小型PC「DeskMini GTX1080」も展示されていた。
 現時点におけるメーカー想定売価は1500ドル。ただし,最近はメモリの値上がりが顕著なので,この価格で販売するのは難しいかもしれないとのことだった。

 最後に,M.2タイプのSSDを複数枚装着できるインタフェースカード「Ultra Quad M.2 Card」を簡単に紹介しよう。
 Ultra Quad M.2 Cardは,M.2 Type 2242からType 22110までのSSDを最大4枚搭載できるPCIe拡張カードだ。マザーボードとの接続インタフェースは,PCIe 3.0 x16となる。

Ultra Quad M.2 Card。表面は放熱板を兼ねたアルミニウム合金製のカバーで覆われている
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カバーを外した状態。M,2カードを斜めに取り付けるという,一風変わったレイアウトをしているが,これは,各カードとPCIeインタフェース間の配線距離を可能な限りで揃えるためであるという
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 同種のM.2拡張カードは,ASUSTeK Computer(以下,ASUS)がすでに「HYPER M.2 X16 CARD」として展開済みである。ASRockのUltra Quad M.2 Cardは,カード上に6ピン仕様のPCIe補助電源コネクタを搭載しており,カードに装着したSSDに安定した電力を供給できることが,ASUS製品にはない特徴ということだった。
 価格は未定だが,2018年春に発売する計画だそうだ。

カードの厚みは,拡張スロット1本分だ(左)。カード後端には小型の冷却ファンがあり,その上にはPCIe補助電源コネクタも見える(右)
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ASRockの日本語公式Webサイト


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