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[CES 2018]スマートフォンでPC用のSteamVRアプリを動かせる!? ユニークなZEISS製VRゴーグル「VR ONE Connect」を試してみた
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印刷2018/01/13 20:54

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[CES 2018]スマートフォンでPC用のSteamVRアプリを動かせる!? ユニークなZEISS製VRゴーグル「VR ONE Connect」を試してみた

 CES 2018の主会場であるLas Vegas Convention Centerには,VR関連製品やサービスを集めたその名も「Virtual Reality」という一画があった。
 2016〜2017年頃は,新製品や新サービスの展示としては,やや下火になりかけた印象のあるVR関連の展示だが,2018年は,また活気を取り戻しつつあるように思える。「Rift」や「Vive」,「GearVR」といったVR対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)が登場して2年ほど経ち,次の革新が起こりつつあるということなのだろう。

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 さて,そんなVirtual Realityコーナーで,「何かネタになる,面白いVR機器はないかいな」と考えながら散策していたところ,光学機器メーカーとして世界的に名高いZEISS International(ツァイスインターナショナル,以下 ZEISS)のブースがあった。
 ZEISSは2017年9月にVR対応HMDを発表し(GamesIndustry.biz Japan Edition関連記事),東京ゲームショウ2017では「Google Cardboard準拠のいわゆるVRゴーグルながら,SteamVRに対応するという前代未聞の製品「VR ONE Connect」を展示していたこともあるので(GamesIndustry.biz Japan Edition関連記事),何か新しいものはないかと覗いてみたところ,まさにそのVR ONE Connectを使ったSteamVRのデモ機があった。筆者の記憶にある限り,「VR ONE ConnectによるSteamVRのデモが披露されたのは今回が初めてだ。

VR ONE Connectを体験中の来場者。VR ONE Connectの見た目はVRゴーグルそのものである
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 VR ONE Connectのベースモデルとなっているのは,Google Cardboard準拠の純然たるVRゴーグルとして発表され,国内市場にも投入済みの「VR ONE Plus」である。ZEISSによると,VRゴーグル本体自体はVR ONE Plusそのものだそうだ。

VR ONE Connectに寄ったところ。製品上の刻印もVR ONE Plusだった
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 VR ONE Connectは,そんなVR ONE Plusと,専用アプリのセット品だそうだ。VR ONE Plusへ取り付けたスマートフォンをPCとUSBケーブルで接続し,スマートフォン上で専用アプリを実行すると,PC上で動作するSteamVR対応アプリをスマートフォンの画面に表示できるようになっている。
 スマートフォンはiPhoneとAndroid端末のどちらにも対応。取り付けられるスマートフォンは画面サイズが4.7〜5.5インチのものだそうだ。

装着時の右側面にはスリットがあり,取り付けたスマートフォンのインタフェース部へアクセスできる。ここを使って,スマートフォンとPCを接続するわけだ
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スマートフォンを取り付けるためのトレイを引き出した状態。写真では分かりにくいと思うが,ここで使っていたのは「iPhone X」だった
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装着時の左側面にもスリットがある。要は,左右どちらからでもUSBケーブルは接続できるわけだ。3.5mmミニピン付きのスマートフォンであれば,ワイヤード接続型ヘッドセットやヘッドフォンを使うことも可能だろう
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 VR ONE Connectにはめ込んだスマートフォンは,単にVR映像を表示するだけでなく,スマートフォン内蔵のセンサーを使って,三軸自由度(3DoF)のモーショントラッキングも行える。
 もっとも,SteamVRは,VR HMDの位置や動きを検出するためのベースステーションをサポートすることで,位置や動きをより正確に検出する仕組みをサポートしている。それに対してVR ONE Connectで利用できるのはスマートフォン側のセンサーだけなので,精度面の制約からは逃れられない。

こちらはレンズユニット側から見たカット。ヘッドバンドは布製で,頭を締め付けるようにしてマジックテープで固定する簡易な仕組みだ。なお,レンズは当然ながらZEISS製とのこと
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 Cardboard互換機器であるVR ONE Plusには,VRアプリを動かすためのコントローラが付属しないが,SteamVR対応となる以上,アプリを操作するためのコントローラが当然必要になる。
 そこでVR ONE Connectには,三軸自由度のセンサーを内蔵し,動き検出に対応したBluetooth接続型コントローラが2つ付属する。見た目は,GoogleのVRゴーグル「Daydream View」の付属リモコンとよく似た印象だ。

VR ONE Connectの付属コントローラ。前面には2つのボタンと円形の小型トラックパッドが(左),裏面側にはトリガーボタンが1つある(右)
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デモコーナーの下に置いてあったPC。ASUSTeK Computer製のようだった
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 VR ONE ConnectとつながったPCは,特別な仕様のものではなく,市販のゲーマー向けデスクトップPCとのこと。PCの詳しい仕様は教えてもらえなかったが,VR映像をUSB経由で出力するソフトウェアの負荷も考慮すると,SteamVRに対応するスペックのPCよりも,やや高い程度の処理能力があれば十分ではないだろうか。
 ちなみにZEISSはスマートフォン側の必要スペックも明らかにしていないが,SteamVR対応アプリで遅延の少ない映像表示を実現するためには,相応に高いスペックのスマートフォンが必要と思われる。


FPSのデモで「VRゴーグルによるSteamVR」を体験


 さて,今回筆者がZEISSブースで体験できたデモは,FPSタイプのゲームだった。SteamVR対応のFPSではよくあるが,左右の手に握ったコントローラのトラックパッドを使ってワープ移動や視点の移動を行い,コントローラを向けた方向に銃を撃って敵を攻撃するという,シンプルな操作系だ。

 スマートフォン側のスペックや,スマートフォンとPCをUSB経由で接続するという仕組みからして,映像のフレームレートは,SteamVRが本来要求する90fps以上に達しているとは思えない。長時間体験すれば,フレームレートの低さから,VR酔いを起こした可能性はあるだろう。
 ただ,少なくとも今回のデモでは,フレームレートの低さや頭部の動きに対する遅延はあまり感じず,むしろVR映像の画素が見えてしまうほうが気になった。ZEISSのレンズが優秀すぎるのか,USBの帯域幅で間に合うようにVR映像の解像度を下げているのか,その両方かは何とも言えないが,ちょっと違和感を覚えたのは確かだ。

 VR ONE Connectで十分なVR体験が得られるかどうかは,ゲームの作りに左右されるのではなかろうか。

 ZEISSの説明員によると,VR ONE Connectは2018年春の発売予定で,北米市場におけるメーカー想定売価は129ドル程度になるとのこと。
 VR ONE PlusでZEISSは日本語マニュアルを用意しているくらいなので,VR ONE Connectも,国内販売される可能性は大いにありそうだ。「スマートフォンでSteamVR用アプリをプレイできる」点に魅力を感じる人は,国内発売に期待しよう。

ZEISSのVR ONE Connect 製品情報ページ(英語)

ZEISSのVR対応製品情報ページ(英語)

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