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HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?
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印刷2020/01/09 14:53

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HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

画像集#001のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?
今年のHDMI Licensing Administratorのプレスカンファレンスのメインテーマは「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」となっていた
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登壇して「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」について解説したのは,David Glen氏(President,HDMI Forum)だ
 HDMI ForumはCES 2020の開催に合わせて行ったプレスカンファレンスで,HDMI 2.1のフル機能を保証するために必須となる新ケーブル品質認証プログラムを開始することをアナウンスした。


「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?


 HDMI 2.1は8K/60fps伝送を想定した新たなHDMI規格であり,その伝送帯域は4K/60fps伝送を想定したHDMI 2.0(18Gbps)の約2.7倍の48Gbpsとなる。端子形状やピン数も変えない従来のHDMI端子で48Gbpsの帯域を実現するためには,かなり厳しい電気特性要件を満たす必要がある。また,高周波の電気信号は無線機器への干渉が起きないようにする配慮も必要となり,一定のEMI(ElectroMagnetic Interference;電磁干渉)要件を満たす必要がある。そこで,HDMI 2.1環境で確実な接続性を実現できるHDMIケーブル性能規格をHDMI Forum側で規定しようとして提唱するのが「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」になる。

HDMI 2.1時代,4K/100p,4K/120p,8K/50p,8k/60fpsの伝送には,Ultra High Speed HDMIケーブルが必要になる
画像集#003のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

 認証プログラムはAuthorized Test Centerでのみ行われる。
 テスト対象のケーブルは当初は,馴染み深い標準サイズのHDMI端子であるType-A端子ケーブルとし,追って,対象をType-CやType-Dなどの小型サイズ端子へ展開していくとのことだ。また,ケーブルタイプは当面は,ごく普通のパッシブタイプのケーブルに限定される。これも将来的には,認証対象を電気的な信号増幅処理系を伴ったアクティブケーブルに展開させることも検討していきたいとしていた。

HDMI 2.1時代のHDMIエコシステムを回していくには,この認証プログラムが必要だという
画像集#005のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

 同一素材の同一ブランドであっても,ケーブルの長さが異なれば,別製品として取り扱い,個別の認証テストが要求されることも強調された。現状,一つの目安ではあるが,48Gbps帯域の実現が可能なパッシブケーブルの長さは最長でも2〜3mあたりまでとなるのではないか,とのことだ。ちなみに,HDMI 2.0の18Gbps世代のパッシブケーブルは,民生向けで10mクラス,業務用の高級品で15mくらいまではあったので,このことから相当に48Gbps伝送がシビアなことがうかがい知れる。

Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラムの要件一覧
画像集#006のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

 認証プログラムは2020年の第1四半期からスタート,実際のUltra High Speed HDMIケーブルの製品販売は2020年半ば頃から可能になるだろうとのことである。
 認証を完遂した製品のパッケージには「Ultra Certified Cable」のロゴとともに,製品スペックやメーカーなどの基本情報へリンクされるQRコードと,ホログラム認証マークが列んだステッカーが貼り付けられる。QRコードは偽造が簡単なので,ホログラム認証マークの有無のチェックが重要になるとのことだ。

製品パッケージにはQRコードと,ホログラム認証マーク付きのステッカーが貼り付けられる。またケーブルのジャケット(外皮)にはUltra High Speed HDMI Cableと印刷される。なお,Ultra High Speed HDMIケーブルはカテゴリ3のHDMIケーブルとして分類される
画像集#007のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

 気にかかるのは,この厳重な認証済みステッカーはパッケージにのみ貼り付けられ,ケーブル製品そのものには,「Ultra High Speed HDMI Cable」という印字刻印のみになるということだ。この印字は,偽造が簡単なので,パッケージに入っていないバルク品などのケーブル製品は信頼性が低いということになる。


HDMI 2.1の機能を使う場合でも,48Gbps伝送に無関係な機能については,従来のケーブルでも利用はできる


 基本的に,8K/60fps伝送をはじめとする48Gbps伝送が保証されるケーブルは,この認証プログラムをパスした製品のみに限られる点に注意したいところ。
 もちろん,48Gbps伝送を利用しない機器との接続では,従来のケーブルを利用することもでき,HDMI 2.1の機能であるeARC(Enhanced Audio Return Channel:高帯域対応ARC),ALLM(Auto Low Latency Mode:自動ゲームモード),VRR(Variable Refresh Rate:FreeSync同等の映像伝送機能),QFT(Quick Frame Transport:リフレッシュレートに非同期な高速フレーム伝送機能),QMS(Quick Media Switching:ブラックアウトしない映像フォーマット切り換え)といった機能は,48Gbps伝送とは無関係なのでUltra High Speed HDMIケーブルは不要である。なので,8K/60fps伝送が明確に行われる機器同士の接続にのみ,Ultra Certified Cable認証ケーブルを利用すればいいだろう。

HDMI 2.1の機能項目のうち,48Gbps伝送とは無関係な機能もある。ちなみに,Fixed Rate Link(FRL)は「機能」というよりは,48Gbps伝送を実現するための仕組みである。HDMI 2.1は48Gbps伝送を行う際,従来のTMDS伝送からFRL伝送にモードが切り替わる
画像集#004のサムネイル/HDMI Forum,8K/60fps伝送用認証ケーブルの仕様策定。「Ultra High Speed HDMIケーブル認証プログラム」とは?

 なお,8K未満の映像を取り扱う場合でも,例えば,ハイフレームレートな4K/120fpsなどを取り扱う場合には48Gbps伝送が必要になってくるので「Ultra Certified Cable」認証ケーブルは必要になるはずである。
 まだ,8K/60fpsが,普及していないので,今のところ多くの人にとっては無関係な認証プログラムだが,「8K機器の接続には,今手持ちのHDMIケーブルはほとんど使えない」くらいには記憶しておいてもいいかもしれない。

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