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[gamescom]ケルンで一番有名なボードゲームショップで,ドイツのボードゲーム事情を探る
とはいえ,ドイツにおけるボードゲームの“普段の姿”となると,日本からはなかなか見えてこない。そこで,ケルンで最も有名と言われるボードゲームショップを訪れ,実際の店舗ではどのようにボードゲームが扱われているかを取材してみることにした。
取材班が向かったのは,ケルン大聖堂近くに店を構える「BRAVE NEW WORLD」(以下,BNW)である。なんでもこの店が,ケルンでも最大規模のボードゲームショップらしい。
Webで調べた限りでは大絶賛されているショップなのだが,実際に見ると,まぁゲームショップなんだし,こんなものかな? という店構えである。
ショーウインドウに有名ボードゲームが並んでいたりするわけでもなく(ワルシャワやサンクトペテルブルクにあった店では,「Dixit」のような有名ゲームが飾られていることは珍しくなかった),意外とこじんまり……などと思っていた。このときは。
ところが店に入ると,とにかく「圧倒的」以外の言葉では表現しがたい世界が広がっていた。見渡す限り,アナログゲーム及びその関連商品の山,また山。PCゲームそのものの扱いはないが,PCゲームのグッズも幅広く扱っている。
さて,BNWは中二階気味のフロアと,地下一階のフロアに分かれている。
どうやら地下一階がボードゲームエリアのようなのだが,まずは中二階から検分していこう。
中二階に上がってすぐは,TRPGコーナーになっていた。「クトゥルフの呼び声」や「Pathfinder」といった作品群のほか,不思議な雰囲気を漂わせる作品もみっちりと並んでいる。
TRPGコーナーを過ぎると,TRPG寄りのボードゲームから,各種画集,サウンドトラックといった感じで,さらにバラエティに富んだ商品が出迎えてくれる。
そしてさらに奥へ,奥へと入っていった取材班がそこで見たものは……
さて,中二階の探索を終えたところで,いよいよ地下に突入。そこはボードゲーム好きにとってはたまらない空間になっていた。
なかでも一際筆者の目をひいたのは,入ってすぐの棚にさり気なく置かれた超レアアイテムである。
このほか,ウォーゲームの棚には「No Retreat!」や「It Never Snows」といった比較的新しいものや,新作も並んでおり,決して売れ残った在庫が陳列してあるという棚ではなかった。
あまりの素晴らしいラインナップに感激してオーナーに話を聞いてみたところ「俺の趣味だ」と明快なお言葉。ありがとうございます。
さて,気を取り直してボードゲームの棚を漁っていくことにする。
とにかく新旧入り乱れて棚に詰め込まれているので,全部を確認しようと思ったら1〜2時間は必要になるだろう。店員さん曰く,このフロアの商品点数は「だいたい5000くらい?」とのこと。
タケノコ。見るからに見るからな感じ |
インパクトの強いボックスアート |
これはまた強烈に懐かしいTCG。しかも拡張セットのみ。いつからここにあるのだろうか…… |
ということで,さすが「ケルンで一番のボードゲームショップ」と評価されるだけあって,BNWの品ぞろえの豊富さというか,魔境っぷりは,想像以上の遥か斜め上を行っていた。
BNWで強く感じたのは,ドイツにおけるボードゲームの,サブカルとしての側面である。日本にいると「ドイツではボードゲームを家族で遊ぶ文化が根付いていて,大人と子供が家で普通にボードゲームを遊んでいる」といった大変に健全健康な構図が強調されがちだが,BNWが醸し出す強烈なサブカル感(というかオタク感)は,そういった社交性と家族愛に溢れた構図からは微妙にズレているように思えたし,それはそれで素晴らしいものだ。これが多様性というものですよ。
もしケルンを訪れることがあれば,是非Brave New Worldにも足を向けてみてほしい。ケルン大聖堂のごく近所なので,パックツアーでもちょっと立ち寄れるかもしれない。アナログゲームファンのみならず,ゲームグッズが好きな人ならば,しばし至福の時間を過ごせるはずだ。
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