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常設のゲームイベントスペースRed Bull Gaming Sphere Tokyoのオープニングセレモニーをレポート
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印刷2018/02/06 12:00

イベント

常設のゲームイベントスペースRed Bull Gaming Sphere Tokyoのオープニングセレモニーをレポート

画像集 No.007のサムネイル画像 / 常設のゲームイベントスペースRed Bull Gaming Sphere Tokyoのオープニングセレモニーをレポート
 2018年2月2日,東京・中野に常設型のゲームイベントスペースRed Bull Gaming Sphere Tokyoがオープンした。レッドブルが手がけるアジアで最初のゲームイベントスペースであるこの施設が,どのように使用されていくのか,その説明が行われたローンチイベントの内容を紹介しよう。

 まずはグルーブシンク代表でゲームイベントオーガナイザーの松井 悠氏が本施設の紹介を行った。レッドブルは「日本のゲームシーンに翼をさずける」ことを目的に,5つのゲームジャンルで行うトーナメント「Red Bull 5G」や,学生(大学生,専門学校生,高等専門学校生)向けのイベント「Red Bull Gaming U」を行ってきた。
 Red Bull Gaming Sphere Tokyoはその流れを汲み,ゲームを作る人,ゲームを遊ぶ人,ゲームを観戦する人など,「ゲームに関わるすべての人が集まる場所」としてオープンした,常設型のゲームイベントスペースとなる。電源,回線,機材など,イベントを開催するために必要なヒューマンリソース以外が完備されている。「翼をさずける」拠点とでもいえるだろうか。

大画面が設置されているスペース
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ストリーミングブースを除き,明確な区画分けはされていない。イベントにあわせて比較的自由な使い方ができるだろう
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ストリーミングブース。例えばLJLの場合はこちらで実況解説が行われるという
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 Red Bull Gaming Sphere Tokyoで具体的に何が行われるかという面では,すでに「リーグ・オブ・レジェンド」の国内公式プロリーグ「League of Legends Japan League(LJL)」の実施が発表されている。LJLはこれまで,その最終戦を大きな会場を使用して行っていたが,今年は本施設を使用し,全試合の観戦がオフラインで可能となった。
 ローンチイベントではライアットゲームズの斉藤亮介氏が登壇し,2018年の同社の方針を「LoLをもっと身近にしていくこと」と説明した。これまで大会場で決勝戦が行われていたが,2018年は小規模な会場で「選手の声が聞こえる距離での観戦」を実現したのだという。大会場でのお祭り感は感じられなくなるが,小規模会場ならではの身近な熱さを感じられそうだ。
 また,LoLの学生向け企画「League U」も同施設で定期的に開催予定とのことだ。同じく学生向けイベントでは「Red Bull Gaming U」もこの場所を利用して開催される。

 つぎにEcho Fox所属のプロゲーマー・チョコブランカ氏が登場し,同施設を用いて行う施策を発表した。チョコブランカ氏は同じくプロゲーマーのももち氏と,忍ismという会社を経営しており,そのプロジェクトとして女子ゲーマーチーム「P2G(Project Gaming Girls)」を結成しているが,それがいよいよ始動するという。
 P2Gのメンバーはチョコブランカ氏をはじめ,はるミー氏yucco氏どすこい★花子氏spring_mao氏兎味ペロリナ氏moco氏の7名で,今後はゲームを通じて絆を深めるイベントを開催していくとのことだ。その最初のイベントが3月18日にRed Bull Gaming Sphere Tokyoで行われる。詳細はまだ明らかになっていないが,ツアー形式となり,全国各地を回るイベントとなるようだ。
 なお,P2Gのスポンサーは日清食品で,イベントの開催をサポートしていくという。チームのユニフォームも「日清のとんがらし麺」の文字が入ったものだ。

 また,Red Bull Gaming Sphere Tokyoでも独自のイベントが行われることも発表された。レッドブルが行う賞金制大会で,その名は「Red Bull Monday Night Streaks」だ。週に1度,月曜日に行われるイベントで,賞金総額は松井氏いわく“様々な法令にやさしい”「9万9999円(毎回)」だ。賞金はその都度,その場で勝者に支払われる。
 内容はボクシングなどのタイトル防衛線のような形式で,いくつかのゲームタイトルで行われる予定だが,毎週1つのタイトルで試合を行い,勝者が賞金を手にし,次回の防衛戦に出場する。挑戦者はSNSなどを通じて「われこそは!」というプレイヤーを募り,Twitterであれば「リツイート」や「いいね」の数で決定するという。
 1年間行われる予定だが,実施タイトルはデベロッパやパブリッシャからの提案を現在募集中とのこと。続報に注目しておきたい。


「夢のゲームシーンを作るために」。ゲームを作る人,売る人,遊び人,広める人を集めた座談会


 ローンチイベントの後半では,デベロッパ,パブリッシャ,プレイヤー,プラットフォーマーと,ゲームに関わる各要素の代表を集めた「夢のゲームシーンを作るために」と題した座談会が行われた。それぞれ,デベロッパは「よむネコ」の代表である新 清士氏,パブリッシャはライアットゲームズの斉藤亮介氏,プレイヤーはレッドブルアスリートでもあるプロゲーマーのウメハラ氏,プラットフォーマーはTwitch Japanの中村鮎葉氏だ。
 異なる立場から見る「夢のゲームシーン」とは何か。座談会で語られた内容の一部を紹介しよう。

左から新 清士氏斉藤亮介氏ウメハラ氏中村鮎葉氏
画像集 No.008のサムネイル画像 / 常設のゲームイベントスペースRed Bull Gaming Sphere Tokyoのオープニングセレモニーをレポート

 デベロッパ代表である新氏。よむネコでは現在VRMMO「Project BK(仮題)」を開発中だ。その開発にあたっては従来の開発方法を採らず,開発段階で一般プレイヤーによるテストプレイを重ね,フィードバックを得て開発するスタイルを採用しているという。
 近年でいうSteamのアーリーアクセスに近い方式だが,プレイヤーと深く関わり,その感想をじかに開発に反映することで,より良いゲームを目指していく。デメリットもあるが,メリットも大きく,ゲーム開発の1つの新しい形だと新氏は語った。

 パブリッシャ代表の斉藤氏もコミュニティの重要さを強調した。プレイヤーからの声を聞くことはもちろん,プレイヤー主催のイベントにも参加し,コミュニティとの関係性を強めているという。そのあたりは「LJL」の観戦方針の変化からも見て取れるが,よりコミュニティあるいはe-Sportsシーンを身近に感じることを重視しているとのことだ。

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 ウメハラ氏はプレイヤーからの視点で,デベロッパやパブリッシャとの関わり方について語った。「ゲームを開発することについては素人」と前置きしつつ,ゲームとしてバランスをとることは,「プレイヤーからのフィードバックを受ければ,どんなゲームでも時間が解決していく」と語る。
 一方で,実体験として「まともにしよう」という意見だけを聞いていくと,驚くようなアイデアがでなくなるとも述べ,ゲーム開発にはプレイヤーの想像を超えて発想する大変さがあるだろうと指摘した。
 夢のゲームシーンについては,プロゲーマーが活躍している今はまさしく夢のような時代だと語り,いろんな国の人とオンラインを通じて一緒に遊べる環境があることを「なんかいいなぁ」と表現する。ウメハラ氏らしい感想だろう。

 Twitch Japanの中村氏も今は本当に夢のような時代だと語る。「Twitchというサービスは10年前だと考えられなかった。仮に思いついても私に作ることはできなかったと思いますけど,今はそれがある」と述べた。そのうえで,さらなる夢を叶えるためには技術的なブレイクスルー,極端な例なら「光の速度を超える通信技術」が必要となるとまとめた。

 それぞれの立場で細かい点は違うにしても,「コミュニティの重要性」については一致している点が興味深い。近年はオンラインのコミュニティが派生し,オフラインイベントが多く開かれるようになっている。遠い距離を一瞬で繋ぐ技術が,オフラインでの結びつきも強くしているのだ。
 Red Bull Gaming Sphere Tokyoはそうしたコミュニティを繋ぐ拠点としても機能することだろう。

「Red Bull Gaming Sphere」公式サイト

  • 関連タイトル:

    リーグ・オブ・レジェンド

  • 関連タイトル:

    Project BK(仮題)

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