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映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
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印刷2020/06/22 17:28

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映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開

画像集#001のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
 2020年6月26日に公開を控えた映画「ソニック・ザ・ムービー」。本作はセガの人気シリーズ「ソニック」のハリウッドによる実写映画化作品だ。すでに全米では2月14日に公開され,ビデオゲーム原作の映画史上最高の興行成績を樹立するなど,大ヒットとなっている。

 そんな本作の日本公開に先駆けて,今回映画製作のキーマンへの公式インタビューが到着した。登場するのは,ジェフ・ファウラー氏(監督),トビー・アッシャー氏(プロデューサー,Original Film),セガの中原 徹氏(プロデューサー,セガサミーホールディングス上席執行役員),飯塚 隆氏(ソニック・キャラクター・スーパーバイザー,セガ)の4人だ。

 インタビューでは,日本とハリウッドが対等な立場で作られたという制作の裏側や,「映画のソニックをファンが知っている本来の姿になるようにしたかった」という制作陣の熱意などがうかがえる。以下の囲みに全文を掲載しているので,ぜひチェックしてほしい。

画像集#002のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開

「ソニック・ザ・ムービー」公式サイト


日本発、アメリカの大スター・ゲームキャラクター「ソニック」
映画実写化の舞台裏をインタビュー

日本が誇るキャラクター、ソニック。ゲームで絶大な人気を獲得し、アニメ、マンガも作られた。1991年に家庭用ゲーム機に登場してから来年で30周年を迎えるソニックの映画が満を持して公開される。『ソニック・ザ・ムービー』だ。日本とハリウッドがタッグを組んだ作品はこれまでにもあったが、結局はハリウッドの言いなりで我々日本人をがっかりさせるものが多かった。そんな中、本作は日本とハリウッドが対等なパートナーで製作するという画期的な作品。その舞台裏を担った4人にインタビューした。

画像集#003のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
ジェフ・ファウラー
本作で長編監督デビュー。特殊視覚効果の分野で17年のキャリアを持ち、過去にはセガのゲームも担当する。2004年の短編『Gopher Broke』(監督・脚本)がアカデミー賞にノミネートされる。
画像集#004のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
トビー・アッシャー
エグゼクティブ・プロデューサー。映画『ワイルド・スピード』シリーズや『I am Legend』などを成功させたプロダクション会社Original Filmのプロデューサーで、これまで関わった作品に『The Bounty Hunter』などがある。

画像集#005のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
中原徹
プロデューサー。セガサミーホールディングス株式会社の上席執行役員。日本、ニューヨーク州、カリフォルニア州の弁護士資格を持ち、ハリウッドで映画関連の契約に関わってきた。
画像集#006のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開
飯塚隆
ソニック・キャラクター・スーパーバイザー。ソニック・ゲームのゲームデザイナーを歴任後、ソニックピラーにてソニック関連事業のクリエイティブ・オフィサーを務めている。

Q :ソニックの映画を作るに当たり、セガはどんなアドバイスをしたのでしょうか?

飯塚:キャラクターの見た目や動きをはじめ、「ソニックはそういうことは言わない」といった、さまざまなシチュエーションでのソニックの反応など、ソニックのキャラクターらしさというのを映画の中で再現してもらうためのアドバイスをしました。セガには、ソニックを知らない人に対してアドバイスするガイドラインみたいなものは用意してあるんですが、すべてを網羅しているワケではないので製作途中でいろいろとコメントしました。

トビー:ソニックの性格やデザインなど、飯塚さんのアドバイスはとても助かりましたよ。ソニックの笑い方、反応の仕方など、映画のソニックをファンが知っている本来のソニック、正しいソニックになるようにしたかったからです。

飯塚:本作は実写とアニメを合体させたハイブリッド映画なので実際の俳優とソニックが関わる場面がたくさん出てきます。それはこれまでゲームの世界ではなかったことなので、ソニックの反応について考えながら進めていきました。ゲームとは全く違う視点でソニックらしさを考えなければいけないというのが今回の一番のチャレンジでしたね。

画像集#007のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開

Q :ファンを裏切らないために、何に一番気をつけましたか?

トビー:ぼくら自身ソニックのゲームで遊んだ世代だから、ファンの期待がとても高いのは知っていたのでプレッシャーを感じていました。でも、同時にソニックをまったく知らない観客でも楽しめるようにもしたかったんです。そのバランスにとても気を遣いました。往年のファンが存分に楽しめるようなネタをあちこちに入れ込みつつ、ソニックを知らない人でもソニックの世界を楽しめるものにしたかったんです。

中原:それがこの映画を作るミッションでした。ソニックで育ったぼくらの世代と、ソニックで遊んだ経験がほとんどない子どもたち。二世代で楽しんでもらって、新しいファンを作れればと思っています。

Q :ゲームやアニメ版と映画版のソニックのキャラの違いはありますか?

ジェフ:今回、初めてソニックの生い立ちを紹介するんですよ!

飯塚:ベビーソニックという、ゲームにも出てきていない赤ちゃんの頃のソニックが登場します。ベイビーから今のソニックにどういう経緯で、どういう人格形成で成り立ってきたのかというのを映画では描きます。我々は、すでに成長したソニックでゲームを作っていますが、そこに至るまでのお話しが今回描けて良かったですね。

中原:ベビーソニックは、『スター・ウォーズ』のベイビー・ヨーダの最大のライバルが現れたとして、比較されています。

ジェフ:言っておくけど、ベビーソニックはベイビー・ヨーダが出てくる前に出ていたアイデアなんですよ(笑)。キャラ作りやCGには時間がかかりますから……。

中原:ベビーソニックは飯塚さんの監修でデザインを作ったんですが、実際にフルCGのアニメにしたのはマーザ・アニメーションプラネット株式会社というセガサミーグループの子会社です。映画の特殊視覚効果にはハリウッドの会社が入っていますが、ベビーソニックやソニックの映像化では、マーザやセガという日本の会社が中心的な枠割を果たしました。

トビー:本作の素晴らしい点の一つがそれだよ。日本とアメリカの合作で、素晴らしい歴史を持つ日本のアニメのファンとして、日本とタッグを組めてとても嬉しかったです。

Q :ハリウッドと日本の合作映画と聞くと、これまでの経験から対等ではないイメージがありますが、今回は違うようですね。

中原:これまでの日米合作のほとんどは、日本のコンテンツホルダーがIPのライセンス契約をするだけでした。だから制作には入れなかったですし、制作費もあまり出していませんでした。私は弁護士として、ライセンス料だけをもらうという契約をたくさん見てきました。それだと本当の意味で共同ではないんですよ。でも今回、我々は制作費も出資して、大ヒット映画シリーズを制作してきたオリジナル・フィルム社、『デッド・プール』の監督の会社ブラー、パラマウント映画社と対等な立場で組んでいます。「そういう華々しい人達と対等なパートナーでやれるのか?」という大きな議論もありました。大きなリスクですからね。でも、契約条件も含めて、最終的にはソニックが映画スターだったことが決め手となりました。アメリカではソニックは大スターなんです。そういう背景があったので、みんなが納得する条件で手を結べました。セガとしてはライセンス契約を飛び越えて、いきなり対等なパートナーで、これまで誰もやったことのないことができるのかという期待と不安が混じっていました。私も弁護士としてさまざまな作品に関わってきましたが、「こんなにうまくコラボレーションできるのか?!」とビックリするくらいの信頼関係で結ばれたんです。もちろん小さな論点というのは日々出てきましたが、全体を通して気持ち良く乗り越えていくことができた気がしています。

画像集#008のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開

Q :それはやはり中原さんがアメリカの弁護士の資格を持っているからこそ、ハリウッドと闘えたからではないんですか?

中原:ぼくがというのではなくて、やっぱりソニックなんですよ。みんなソニックが好きなんです。何かあった時は「ソニックが仲裁してくれた」みたいな感覚がありました。ソニックはトム・クルーズみたいなもので、これまで何年も築き上げてきたソニックというスターの映画を作る気持ちがみんなで一致していたんです。

Q :ハイブリッド映画にした理由はありますか?

ジェフ:実写の世界に入れた方が、ソニックのスピード感がより楽しめ、観客が体感できると思ったんです。ソニックの目線だと世界は常にスローだけど、人間の目から見ると彼は常に超高速で動いています。重要なのはそういうソニックのパワーやスピードを楽しく表現することでした。予告編にもある野球のシーンはぼくのお気に入りで、彼はそのスピード力を使って、野球を一人で楽しみます。子どもの目線で考えれば、自分もあのスピードで動ければ全部のポジションを自分でプレイしてみたいと思うでしょ?

Q :ソニックは欧米ではスターというポジションを築きましたが、ソニックが特に欧米人にウケた理由はどこにあったと思いますか?

飯塚:ソニックは日本生まれのキャラですが、はじめから欧米を意識していました。青い空、青い海、椰子の木といった、カリフォルニアっぽいイメージで、真っ青な外見でとにかくスピード感を持たせました。何事にも動じず自分を貫く、自分の正義を貫くという性格も欧米を意識したキャラクター作りでした。だからゲームの世界観は日本らしさというのは一切排除して、とにかく欧米らしく、我々が思い描く欧米人のかっこよさをソニックの世界観にずっと取り入れてきたので、それが欧米人に受け入れられてここまで支持してもらえたというのは嬉しいですね。ソニックが目指したいと思っていたのがハリウッド映画。欧米らしいゲームを作って欧米らしさのあるキャラクターを生み出して、ゆくゆくはハリウッド映画……というのが長年の目標でもあったので、今回、27年目にようやくそこにたどり着けたという達成感があります。

Q :ジム・キャリーの演じるキャラや起用について教えて下さい。

飯塚:映画に登場する悪役ドクター・ロボトニックは、ゲームではドクター・エッグマンと呼ばれているんですが、彼はまん丸の体に足が細い外見で、実写の人間ではあり得ない体型をしています。だから、実際に人間が演じるのであれば新たなドクター・ロボトニック像を作らなければいけませんでした。映画のドクター・ロボトニックはゲーム世界のドクター・エッグマンに似せるべきか? しゃべり方は似ているのか? という葛藤があったんですが、ジム・キャリーは、見事に新たなドクター・ロボトニックを生み出してくれました! もともとドクター・ロボトニックはクレイジーな科学者なんですが、ジム・キャリーのドクター・ロボトニックは、我々が想像していたクレイジーさとは全く違って、彼らしいクレイジーさがあるんですよ。それがすごく面白い。映画の面白さの半分をジム・キャリーが作ってくれたんじゃないか? って思うくらい、ほんとにいいドクター・ロボトニックを演じてくれたと思っています。

中原:ジムは休憩中はすごく紳士で落ち着いた哲学者みたいな感じなんですよ。でも一旦カメラが回ると別人になってすごいエネルギーが出るんですよ。

画像集#009のサムネイル/映画「ソニック・ザ・ムービー」,監督のジェフ・ファウラー氏やセガの飯塚 隆氏への公式インタビューが公開

Q :本作の見どころを教えて下さい。

ジェフ:ジム・キャリーやジェームズ・マースデンももちろんだけど、やっぱり本作のスター、ソニックが一番の見どころです。笑えて、チャーミングで自信があって、ほっこりします。ファンは絶対に楽しめますよ。隠しネタもたくさんありますよ。いくつ見つけたかリストを送ってくれれば、見つかってないものがまだあるよって教えてあげますよ(笑)。

トビー:何度も何度も繰り返し楽しめるようにデザインした映画だから、観る度に何か新しい発見がありますよ。それに、ドクター・ロボトニックのダンス! サイコーです!!

Q :今後のソニックの予定を教えて下さい。

飯塚:今年、ようやく夢の一つである映画ができましたし、来年にはソニック30周年を控えていますので、多くの方にソニックの映画を見てもらって、それからまたゲームに触れる機会を増やしてもらって、よりよいゲームをみなさんに出せればいいなと思っています。ソニックはゲームの技術の進化と共に進化していますので、これからもあっと驚くようなゲームタイトルを出して行ければと思っています。

Interview by はせがわいずみ(www.WhatsUpHollywood.com
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