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アニメ・ゲームサミット 2022 Summer「資産性ミリオンアーサー」の講演をレポート。スクエニ初のNFTプロジェクトのこれまでの歩みが語られた
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印刷2022/09/10 12:00

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アニメ・ゲームサミット 2022 Summer「資産性ミリオンアーサー」の講演をレポート。スクエニ初のNFTプロジェクトのこれまでの歩みが語られた

 2022年8月31日から9月2日まで開催されたDMM.comのオンライン展示会「アニメ・ゲームサミット 2022 Summer」にて,スクウェア・エニックスの基調講演「『資産性ミリオンアーサー』を通して得た知見と今後の展望について」が行われた。

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 同社が展開しているNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」における1stシーズンの振り返りや,2ndシーズンの展望が語られた同講演のレポートをお届けしよう。スピーカーは,スクウェア・エニックス ブロックチェーン・エンタテインメント事業部の事業部長の畑 圭輔氏と,プロデューサーの渡辺 優氏の2名だ。

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アニメ・ゲームサミット 2022 Summer


※画像は配信をキャプチャしたものを,主催のDMMオンライン展示会の許諾を得て掲載している


“スクウェア・エニックス初のNFTプロジェクト”の1stシーズンを振り返る


 あらためて「資産性ミリオンアーサー」を紹介しておくと,本作はユーザーが購入したデジタルシールに背景やフレームを選択し,それらを組み合わせて自分だけのシールを完成させるというタイトルだ。1stシーズンでは第1弾から第3弾まで販売されており,その中でユーザーの反応を見ながらコンテンツを拡張していったという。

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 講演では,まず「資産性ミリオンアーサー」がスクウェア・エニックス初のNFTプロジェクトとして立ち上がった経緯が示された。
 畑氏によると,同社がNFTビジネスとブロックチェーン技術の調査を始めたのは2017年ごろとのこと。その過程で,同社としても何かプロダクトをリリースしたほうがいいのではないかと判断し,2021年に畑氏らが企画を提案したそうだ。
 なお本作は2021年10月に第1弾の販売を開始しているため,開発はかなりの急ピッチで進められたことがうかがえる。

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 続いて,「資産性ミリオンアーサー」がブロックチェーン用語を前面に打ち出していない理由が明かされた。
 畑氏は本作がマスアダプション(大規模普及)を狙っているとし,難解なブロックチェーン用語を組み込まないことで,ユーザーが親しみを持ってコンテンツに触れられるようにしたという。加えて,「フタを開けて初めて,NFTやブロックチェーン技術に触れていたと思える体験を提供することを重視した」とも話していた。
 その1例として,特定の暗号資産を保有することによってリワードを獲得するステーキングからヒントを得て,「OMJ」(おまんじゅう)という「ミリオンアーサー」シリーズの世界観に馴染む形に置き換えられたことが紹介された。

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 続いて,ユーザーの反応を見ながら開発したというコンテンツの話に。その1つである「サイプレス」は,サービス内でホルダーにシールを貼ることにより増えていくOMJを最大20まで溜めると,キャラクターなどの色やセリフが異なるバージョンを作成可能になるという仕組みである。なお,サイプレスというワードは“再プレス”を意味するが,漢字を使わなかったのはやはり世界観を大切にしたからとのこと。

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 また,サイプレスを促進するために行ったイベント「ししゃもグミまつり」も言及された。こちらはサイプレスを行うごとに専用ポイント「SMG」(ししゃもグミ)が溜まり,10SMGで限定シールを提供するという内容だ。
 また,ユーザー個人でイベントが完結しないよう,NFTの二次流通マーケットでシールを購入したユーザーがサイプレスをすることで,そのシールを最初に貼ったユーザーや,そのシールのOMJを最初に20まで溜めたユーザーにもSMGが提供される仕組みを用意したそうだ。
 この仕組みについて,「ユーザー同士が赤い糸でつながっているような体験」と感想を述べたユーザーもいたとのこと。限定シールの発行数は2000枚以上と,通常のシールよりも多かったため,二次流通マーケットで高額転売されることはなかったという。

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 「資産性ミリオンアーサー」には,キャラクターシールと4コマ漫画シールが存在する。後者は,本来4コマ1セットで表現される4コマ漫画を1コマずつ販売しており,畑氏は「なかなかチャレンジした取り組み」とあらためて語った。
 その中でもとくに人気があって完売したのは,NFTというワードが含まれたものだったという。また,過去にプレスリリースに掲載していたものも,人気が高くなる傾向にあったそうだ。

販売終了のアナウンスを出してから人気が出たシールもあったという。それについては,「ユーザーが『販売終了されると悲しい』という意思表示をするために購入されたのでは」と思われるとのこと
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第4弾以降のシールには,セリフとなるフレーズを好きな位置に配置できる“フレーズシール”が登場することも明かされた
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今後はゲーム性のあるコンテンツを。2ndシーズンの展望


 「資産性ミリオンアーサー」の2ndシーズンの展開は,渡辺氏が中心となって進められていくという。渡辺氏は本作を「ブロックチェーンのビジネスであること。また,すでにローンチしているプロジェクトということで社内で注目されている」と表現。今は,どうすればユーザーに面白いコンテンツを提供できるか,驚きを持って楽しんでもらえるかを日々考えているという。

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 また,以前はシールをアナログなものと捉えていたが,本作に関わることで「デジタルになるとカスタマイズできる」「ブロックチェーン技術により,ユーザー同士の二次流通が生まれるところが面白い。この仕組みをゲームに活かせないか」と考えるようにもなったそうだ。

 2ndシーズンの展開について問われた渡辺氏は,まず遊びの幅について「これまでの要素に,ゲームコンテンツを追加する」「ユーザーがすでに購入したシールにより愛着を持ち,より楽しめる内容を考えている」と回答。ゲームではキャラクターにはさまざまなパラメータが付与されることが一般的だが,「このキャラクターはパラメータが微妙だけど外見が好き」といった事態が発生しない形を目指しているという。

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 また2ndシーズンの収益構造については,二次流通マーケットにおけるユーザー同士の取引から手数料という形で収益が発生するため,ユーザーに「あのシールがほしい」と思ってもらう仕掛けを試みていきたいと語った。
 そしてNFTの保有体験については,シールを用いた体験を広く提供できるかについて考えていきたいとのこと。1stシーズンはシールのカスタマイズを体験として提供したが,2ndシーズンではゲーム体験のほかにも準備しているものがあるという。なお一般的なブロックチェーンゲームでは暗号資産のトークンを軸にしたトークンエコノミーを構築するが,「資産性ミリオンアーサー」はシールを軸にした“シールエコノミー”を構築していくそうだ。

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 ゲームコンテンツ開発の進捗についても言及がなされた。渡辺氏によると,今冬実装に向け鋭意開発中とのこと。また9月末から10月末頃にゲームコンテンツの進捗状況を報告できるよう準備を進めているという。渡辺氏はOMJをゲーム内ポイントとして使えることを紹介し,具体的な使い方の例をお知らせしたいと語った。

 また,NFTを使うがゆえのゲームコンテンツ開発の難しさとして,「ユーザー各自が固有資産として持っているNFTを,いかに自分らしくカスタマイズしてもらえるかを主軸に置いている」とし,「それをどうやって表現するかが悩みどころ」と話していた。

 講演の最後には,渡辺氏が1stシーズンでユーザーがシールを購入したことによって,2ndシーズンの開発が進んでいると感謝の意を示した。そして畑氏が「デジタルコレクティブアイテムを,より愛着を持って楽しんでいただけるようゲームコンテンツを鋭意開発している」とし,ぜひ期待してほしいと述べて講演を締めくくった。

「資産性ミリオンアーサー」公式サイト


アニメ・ゲームサミット 2022 Summer

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