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Activision Blizzardのセクハラ問題や不均等な労働条件の常態化に関し,カリフォルニア州政府との間で5488万ドル(約78億円)で和解へ
CCRD(告訴当時は公正雇用住宅局)が,約2年半にも及ぶ内部調査の末にActivision Blizzardに対する告訴に踏み切ったのは,2021年7月のことで,その詳細や当時の状況については「奥谷海人のAccess Accepted第693回:州政府機関から告訴されたActivision Blizzard」で詳しく報じている。男性職員の間で蔓延していたという「大学サークル(フラタニティ)的な企業文化」が指摘された同社では,女性従業員に対して卑猥な言動を行ったり,賃金格差が大きかったりと,さまざまな問題が指摘されていた。
ただし,指摘された問題の多くは裏付けが取れなかったと,New York Times(リンク。英語)は報じている。
和解金の約5488万ドルのうち約4575万ドル(約66億円)は,2015年10月12日から2020年12月31日までにActivision Blizzardで働いていたことを証明できる女性従業員が受け取る資格を有するという。残りの和解金は,ゲーム業界ならびにIT業界における女性の地位向上に利用されるほか,約912万ドル(約13億円)は職場での男女平等問題に関する意識の促進に重点を置いた慈善団体への支援に充てられる。また,Activision Blizzardは,報酬や昇進ポリシー,ハラスメント対策のトレーニングに関して,独立したコンサルタントを雇用することを確約しているとのことだ。
今回の和解は,政府とActivision Blizzardの間で行われたものであり,現在行われている被害者個人や株主といった,さまざまな訴訟が解決したわけではない。結果として,Microsoftの買収提案を受け入れるというさらなるビッグニュースへと発展した同社の労使問題だが,今後はその清算も続けられていくことになるだろう。
「Activision Blizzard」公式サイト
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