インタビュー
世界各地に拠点を置く,縁の下の力持ちに。開発会社Virtuosに聞く,移植タイトル開発と今後の展望[TGS2024]
Virtuosは「Horizon Forbidden West」「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」「NBA 2K24」など,さまざまなタイトルの開発に携わっており,中国,アメリカ,カナダ,フランス,アイルランド,ウクライナ等々,世界各地にスタジオや営業拠点を持っている。日本にも2023年にスタジオを開設したばかりだ。
移植タイトルも数多く手がけており,中でも「NieR:Automata The End of YoRHa Edition」「ダイイングライト プラチナエディション」「バイオショック コレクション」など,一般的には同世代のPCやゲーム機より処理性能で劣るとされるNintendo Switch向けのタイトルが目立つ。
そんなVirtuosに,移植タイトルの開発手法や,今後の展望などを聞いたので,読み進めてほしい。
前述のように,Virtuosは世界中にスタジオがある。あるタイトルの開発で得た知識はデータにまとめられ,別のチームからもアクセス可能にしているそうだが,基本的にはそれぞれのスタジオが別のタイトルを手がけているため,秘密保持契約の関係上,共有できないものもある。
Virtuosは,そういった情報であっても,クライアントの許可を取ったうえで,主に開発上層部の限られたメンバーでのみ共有するなどして,開発の円滑化を図っているとのことだ。
移植タイトルの開発については,PS4/Xbox Oneの世代でPCに近いアーキテクチャが採用されたことや,ゲームエンジンをはじめとしたミドルウェアの互換性が高まったことにより,PS3/Xbox 360世代以前よりも格段に進めやすくなっているとのこと。
だが,現在でもNintendo Switch向けの移植については,主にハードウェアの性能の問題でダウングレード前提となることが多く,その分作業の負担は大きくなるという。
具体的には,“どこに目をつぶるか”を決める作業があり,フレームレートやグラフィックスのアセットといった選択肢から何を選ぶかは,タイトル次第。同じタイトルであっても,シーンごとに優先するものが変わることもあるため,クライアントとの綿密な打ち合わせのうえで進めるとのことだ。
また,リメイクやリマスタータイトルについては,「オリジナル版の雰囲気を保ったまま,今の時代に合わせたブラッシュアップをする」という問題が持ち上がってくる。例えばグラフィックスの場合なら,ハードウェアが許す限り美麗にした結果,オリジナル版とかけ離れてしまっては困るわけだ。
こちらについてもクライアントとのコミュニケーションを密にとり,イメージを共有することが重要で,特にキャラクターについては,開発の早い段階でイラストに加えてサンプル的なモデルをクライアントに提出し,慎重に進めるとのこと。
任天堂がNintendo Switchの後継機を発表予定であることについて,アングレー氏は,Virtuosのような開発会社にとって,新たなプラットフォームの登場はゲーム市場に刺激を与えてくれる存在であり,歓迎したいと語った。
後継機に何を期待するかを聞いてみたところ,アングレー氏と中川氏ともに,CPUやGPU性能などの「パフォーマンス」という回答。アングレー氏は,それによってプレイヤーの選択肢が広がると話した。
記事の冒頭で紹介したように,Virtuosは2023年に日本スタジオを開設したばかり。今後について中川氏は,「日本の開発者の方々と同じ高さの目線で,今まで以上にしっかり開発を進めたい」と意気込みを語った。
アングレー氏は,「日本の開発者の方は,かなりの時間を仕事に割いて大作を作っている印象があるので,自分のお時間を大切に」と気遣ったうえで「ゲームのクオリティは,弊社の方できちんとサポートができれば。影武者じゃないですが,縁の下の力持ち的な形でバックアップさせていただきたい」と笑顔でアピールした。
Virtuos公式サイト
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