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しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?
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印刷2024/11/21 08:00

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しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?

画像集 No.005のサムネイル画像 / しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?

 ゲーマーにしてライターのしげるさんが,頭を悩ませつつも楽しんで子育てに向き合う過程をエッセイにする企画「しげるのゲーミング子育て日誌」。不定期でお子さんの成長とともに起こる悲喜こもごもを連載していきます。

 第6回は,保育園通園によって少し手に入った「時間の余裕」について語ります。連載開始から半年以上過ぎ,お子さんも保育園にすっかり慣れたことで,しげるさんの生活はどう変わったのでしょうか?

 この連載は,そもそもが「子供が生まれたらゲームやったりする時間がなくなったんですけど!」という話を書いたところから始まっている。今年の2月に公開された初回の原稿を読み返すと,子供の年齢は1歳と11か月。そうか……まだ1歳だったのか……。

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 子育て中のゲーマーたちは,いったいどのようにしてゲームをする時間を捻出しているのだろうか? いや,そもそも子育て中にゲームはできるのだろうか? 今回は1歳11か月のお子さんを育てているライターのしげるさんに,子育て家庭のゲーム事情について寄稿してもらった。保護者の皆さん,お疲れ様です……!

[2024/02/24 11:00]

 そこから9か月ほど経過し,状況はけっこう変化している。1歳11か月だった娘は2歳8か月になり,最近は朝起きてから寝るまでずっと喋っている。近頃は父親に対してガンガン指示を出すようになり,朝寝ていれば「お父さん,布団とろうね」と布団を剥がされ,一緒に遊ぶ時にも「お父さん,そこに座って」とか「お父さん,車走らそうね」とか言って仕切り倒し,なんだか自己主張が強くなってきたな……としみじみ思わされる今日この頃である。

 もうひとつの大きな変化が,今年の4月から子供を保育園に通わせるようになったことだ。連載第1回を読むと「午前中は子供の面倒を見て,昼から夜まで仕事」というペースで1日のスケジュールを回していたと書かれているが,今となっては「そう言われてみれば,そんな日々もあったね……」という感じである。そのくらい「子供が毎日保育園に通う」というのはインパクトのある変化だった。

画像集 No.003のサムネイル画像 / しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?
保育園で作ってきた作品

 現在我々一家は,朝の7:00から,遅くとも7:30ごろには起きている。妻は洗濯をしつつ出勤の準備,自分は子供を着替えさせてから子供の朝食の準備,という役割分担で動く。子供に朝食を取らせつつ自分も簡単に何か食べて,8:20ごろには子供を連れて家を出発,保育園まで送っていくというスケジュールだ。遅くとも,9:00前には家に帰ってきてPCの前に座っていられる。

 そう,なんと,午前中から仕事ができているのだ。これは革命的変化である。午前中の早めの時間を仕事先との連絡にあてたり,倒しちゃわないといけない軽めのタスクをやっつけたりして,食事をとったら昼からは長めの原稿を書いたり取材があったり打ち合わせしたり……,という感じで,仕事ができている!

 まあ,これは理想的にことが運んだ場合の話で,どうしても眠くて昼寝をするとかは全然あるけれど,とにかく「午前9:00くらいから働く」という,世間のペースに近い時間配分で動くことができるようになっているのだ。

 17:00前には子供を迎えに行き,その日あったことを聞きながら(「おもちゃで遊んだ〜」とか「給食でお魚食べた〜」くらいのことなら受け答えできる)テクテクと家に帰り,大抵は終わっていない仕事があるのでここから延長戦。その日のやることが片付いたら1日の仕事は終わり,という感じで毎日過ごしている。改めて書いてみても,やはり感動的である。

 一人暮らしの労働者では簡単に実現できている「仕事をする時間を確保する」ということ自体が,子供がいると本当に難しい。この不可能を可能にする神の施設が,保育園である。現状のこのスケジュールはすべて,保育園とそのスタッフの皆様のご尽力によって成り立っている。

 保育園はすごい。1クラスあたり20人近い未就学児の面倒を,わずか2,3人の保育士の方が見ている(※)。子供たちを遊ばせ,適度に運動させ,歌も歌わせ,昼食をとらせ,昼寝をさせ,おやつを食べさせ,さらに遊ばせたりしながら,合間合間におむつまで交換しているのである。どんなテクニックを使ったらそんなことが可能になるのか,想像もつかない。

※注:保育士の人数には配置基準があり,2024年11月現在,0歳児の場合で3人につき保育士1人,1,2歳児で6人につき保育士1人,3歳児で20人につき保育士1人,4,5歳児で30人につき保育士1人となっている。

 さらに保育園には,生活に関する教育をしてくれるという,ありがたすぎる側面もある。挨拶にはじまり,着替えの仕方やタオルの畳み方,食事の仕方やマナー,好き嫌いの改善,さらにうちの子供のクラスでは月齢を考えつつトイレトレーニングも随時行われているという。昼間面倒見てくれるだけでもありがたいのに! 教育も! してくれる! すごすぎる。

 もうひとつ,保育士の皆さんのすごいところとして,人の顔と名前を覚えるのが異常に早いという点もある。保育園に連れて行った当初,大して顔も合わせていないだろううちの子の名前を,どの先生もフルネームで覚えているのにはビビった。最近の子供の名前は覚えづらいものも多い。それを全部整理して頭に入れておけるというのは,素人からすると超人的なスキルに見える。

 自分が幼稚園にしか行っていなかったこともあり,正直子供が生まれるまでは保育園という施設が何のために存在しているのかあんまり理解できていなかった。しかし,今では分かる。あれは本当に,本当にすごい施設である。保育士の皆さんの月給は50万円からスタートするべきだし,保育園というシステムはこの国の宝だと思う。いつもありがとうございます……!

 では,この保育園の力で,ゲームはできるようになったのか。結論から書くと,「前ほど遊んでいるわけではないけれど,確実にゲームに振り向ける時間は増えた」という感じである。独身時代と同じように時間的リソースを振り分けることはそもそも不可能にしても,最も逼迫していた時期に比べればそれなりにマシになった……という感じだろうか。

 まず,午前中から仕事ができるようになったことで,始業時間という点では大きく前にずれた。そして始業が前倒しになったことで,終業も前倒しになった……と断言できればいいのだが,これがなかなか難しく,現状は「そういう日もある」というレベルである。

 仕事の時間が増えると,それだけ舐めプしてしまうこともあるというか,ダラダラと仕事をしてしまう日もあるな……という反省があり,これは今後なんとかしたいと思っているポイントだ。とはいえ,平均すると22:00前後まで仕事していた保育園入園前と比べれば,1時間以上は終業が早くなっている。

 ということは,それだけ早く夕食を食べることができ,酒さえ飲まなければ夜の間にゲームをしたりプラモデルを作ったりして遊ぶことも可能なのである! う,う,う,嬉しい!! 実際はそこまでスムーズにことが進む日ばかりではないものの,やろうと思えば週に数日・1日あたり2時間程度は「純粋に遊ぶためだけの時間」を捻り出せるようになった。これは……本当に……ありがたい……。

 だがしかし,そこでプレイするゲームというのが問題である。というのも,かつてのように4時間も5時間も好きなだけ没入してプレイして,飽きたらそのまま寝てしまうという遊び方ができないのだ。こういう遊び方ができないと,プレイするタイトルが案外限られてくる。

 まず,「情報量の多いオープンワールドゲームの最新作」「高難度で何度も死ぬのが前提のゲーム」のような重ためのタイトルは,1日2時間弱くらいのプレイ時間で遊ぶにはちょっとしんどい。オープンワールドの探索が必要な作品にしても,ちょっと探ってなんとなく「こういう感じかな」と輪郭が見えてきたところで自由時間が終了。さっさと寝ないと明日の保育園への送迎に響く,ということになってしまう。

 例えば,「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」は,挑戦してみたものの難しかった。広大なオープンワールドというだけでも時間的にしんどいのに,ティアキンって空中と地上と地下の三層にマップが分かれてるじゃないですか。おかげで空中には行けていない島がボコボコあるし,地中にしてもマップにはマダラに抜けが残っている。

 とにかく「探検して新しい要素を探す」という作業をするには時間がなさすぎて,そのまま放置してしまっている。要素がパンパンに詰め込まれていて,めちゃくちゃ楽しくてよくできたゲームなのは間違いないけれど,子育ての合間に遊ぶには重すぎた。

 かといって,軽いゲームばかりだとなんだか食べ足りない。思えば0歳児の面倒を見ていたころは,軽いゲームへと流れて行った結果「PowerWash Simulator」しかプレイできなくなっていた。無心で高圧洗浄機を操作することでそれなりに癒されたとは思うけど,せっかく多少時間もできたことだし,できればもうちょっと「起伏があるなあ……ゲームをしているなあ……」という感覚があるものをプレイしたい。しかし数時間ぶっ通しでプレイするほどの時間的余裕もない……。

 という状況にある自分が今夢中になって遊んでいるのが,「昔プレイしたことのあるビッグタイトルのリメイク/リマスター版」である。具体的に書けば,Nintendo Switch版の「レッド・デッド・リデンプション」と,「龍が如く 極」だ。どっちも,昔さんざん遊んだゲームである。ストーリーも結末もよく知っているし,マップのどこに何があるか大体頭に入っている。だから「ここはどうなっているんだろう」という点が気になって何時間もプレイする必要がないし,必死になってアイテムを探し回らなくていい。

画像集 No.001のサムネイル画像 / しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?
「レッド・デッド・リデンプション」

 でも,どっちも元々は大作ゲームだから,「ゲームをやっているなあ!」という実感はちゃんとある。「レッド・デッド〜」で,賞金首をどうやって追い詰めるか考えながら,悪党たちとガンファイトを繰り広げるのは楽しい。「龍が如く」でチンピラをシバき倒すのも,適度な難度と爽快なチンピラの吹き飛ばされっぷりが,仕事で疲れた脳を癒してくれる。ミニゲームで遊んでもいいし,飽きたらその場でチャチャッとやめてもいい。続きが気になる未プレイの大作ゲームに比べると,ずっと気軽にプレイできるのである。

 特に「龍が如く」は,結婚を機に東京から神戸に引っ越した自分にとって,今となっては懐かしい風景を見せてくれるゲームになっていることに驚いた。神室町の風景を見ると,子供ができるずっと前,新宿によく遊びに行っていた頃を思い出してなんだかセンチメンタルな気分に……。子育ての合間にプレイするヤクザのゲームでこんなエモさが発生するとは。

画像集 No.002のサムネイル画像 / しげるのゲーミング子育て日誌:第6回は「保育園のおかげです」。保育園のおかげでゲーマーお父さんが手に入れた,念願の「アレ」とは?
「龍が如く」の新宿。今はもう存在しない建物もある

 そうか……初代「龍が如く」の頃って,コマ劇場も新宿ミラノもまだあったのか……。自分が上京した頃にギリギリ残っていた風景がそのままゲームの中に再現されていて,なんだか不思議な気分である。

 というわけで,子供を保育園に入れて半年。現在の状況は「昔やった大作ゲームなら楽しくプレイできる」というところまで持ち直した次第である。これも本当に保育園のおかげ。感謝してもしきれない。そして完全新作の大作ゲームにどっぷり浸りながらプレイできるのはいつになるのか。なんとか早くその日が来ることを,祈るばかりである。

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