企画記事
RWC2008取材連動企画・ラグナロクオンラインであえてPvPを楽しむ[後編]
前回解説したように,攻城戦に参加するギルドには大きく分けて“本気攻め/守りギルド”と,“たまにイベントとして攻城戦を楽しむ”ギルドの2種類がある。記事を読んで「攻城戦に参加してみたい」と思ったけれど,さすがに毎週末,攻城戦のために拘束されるのは辛いし,大手ギルドにいきなり入るのはちょっと……と躊躇している読者のために,今回はもう少し気軽に攻城戦を楽しむプレイヤー達のことを紹介しよう。
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のんびりギルドは攻城戦のどこを楽しんでいるか?
その一つは,対モンスター戦と対人戦それぞれににおける戦略の立て方に,大きな違いがあって,対人戦は常に新鮮な気持ちで楽しめるからだそうだ。
モンスターの場合,特定のスキルやアイテムで攻撃を無力化できたり,行動パターンを先読みして動くことが容易で,べらぼうに高レベルのモンスターでもない限り,たいがいは簡単に倒せてしまったりする。俗にいう「攻略パターン」が確立しているのだ。
これに対して攻城戦における「敵」は,単なる「サイズ:中/種族:人間」というカテゴリのモンスターではなく,状況に合わせた装備品の着脱や各種スキルなど,つまりノウハウを熟知したプレイヤー。こちらも臨機応変な動きが求められるわけだ。毎週末の真剣勝負はたいへんだが,たまには新鮮なプレイを楽しみたい,といったところだろう。
また,のんびりギルドには,攻城戦開始と同時に砦に攻め入るというギルドも多い。これは攻守共にまだ本気を出してない状況で,エンペリウムルームに素早く乗り込み,ときにはたった一人でチクチクとエンペリウムを叩いて壊し,「砦[△△△]の○○○を[□□□]ギルドが占領しました」というシステムログを流す,ささやかなお楽しみのためだ。
そうしたギルドのエンブレムは,ほとんど注目されていない場合が多いため,ごく稀に,複数の大手ギルドが入り乱れ,死闘を繰り広げる間をぬってエンペリウムを壊し,ついうっかり砦を所有してしまうこともあるそうだ……。
そのほか,メールインタビューへの回答としては,「あくまでピクニック気分」「ギルド単位の気まぐれイベントとして」や,「ノービスのスキル“死んだふり”をうまく使って,エンペリウムまでたどり着けるかをメンバーと競い合う」「途中の道にハンタースキルで罠を大量に仕掛け,やってくる人の反応をこっそり見るのが楽しい」など,ユニークな意見もあったりした。
また,このように遊びで攻城戦に参加するうちに,次第に攻城戦への興味が深まり,本気ギルドへ移っていくプレイヤーもいるという。各ワールドのプロンテラ周辺には,「ギルドメンバー募集中/攻城戦◎」というチャットを出しているキャラクターも多い。◎はもちろん,攻城戦参加アリという意味だ。本記事を読んで攻城戦に興味を持った読者は,とりあえず自分と相性の良いギルドを探してみてはいかがだろうか?
対人特化装備は不要,狩りの延長で攻城戦へ
前編では本気ギルドのメンバーが使用しているアイテムを,あくまで一例として紹介したが,ヴァルキリーシリーズ装備や+8以上の精錬値など,やはりトップレベルのプレイヤーの装備は高性能かつ高価なものが多い。
では,遠足がてら攻城戦を楽しむプレイヤー達は,どの程度の装備を使っているのだろうか? メールインタビューに答えてくれた,とあるプリーストとロードナイトの装備品の一部を公開しよう。
■プリーストAさん
- ツインリボン
- +4イミューンマフラー(レイドリックカード)
- +4ハードセイントローブ(プパカード)
- +6ソウルエンチャンテドシューズ(ソヒーカード)
- ニンブルグローブ(ゼロムカード)
■ロードナイトBさん
- +4羽のベレー
- +4アンフローズンロングコート(マルクカード)
- +6イミューンマント(レイドリックカード)
- +6クラニアルシールド(タラフロッグカード)
ご覧のとおり,精錬値は安全圏の+4だし,カードも露店で手に入りやすいものが多い。さすがにごくごく最近「ラグナロクオンライン」(以下,RO)のプレイを始めたという人にとって入手は難しいが,たとえばプレイ歴2年前後なら上記のアイテムのうち,一つや二つは持っていてもおかしくない。
多少価格は上がるが,+5や+6程度なら,装備品によって最初から過剰精錬済みのアイテムも販売されている。攻城戦に参加するからといって,特別珍しいアイテムばかり使っているわけではないことが,よく分かる。
さて,本記事は前回同様に複数のギルド,プレイヤーからいただいたインタビュー回答を基に構成しているが,そのうち二つのギルドからメンバー募集の広告も兼ねて,(たまに)攻城戦に参加する楽しさをコメントとしてもらっており,記事への掲載も快諾してもらえた。自分と所属ワールドが同じだというプレイヤーはこれを機会に,これらギルドと交流を持ってみるのも一案だろう。
Baldurワールド所属,ギルド名「ところてん」
攻城戦では誰にでも何かしら役立てることがあります。初心者さんがイメージする以上に“攻城戦に参加すること”のハードルは低いですよ! デスペナルティがないため,自分も最初はとくに対人特化装備などがなくても,やられることを気にせず楽しく遊べました。攻城戦未経験者を受け入れているギルドもありますので,まずは気軽に参加してみてくださいね。
Bijouワールド所属,ギルド名「みんなのギルド」
まったりギルドが部活感覚で攻城戦に参加してます。経験がなくて難しいことが分からない人,今のROにもう一つ何か欲しいと思ってる人も,スポーツ感覚で攻城戦に一緒に行きませんか? 普段のモンスター狩りにも応用できる知識が得られると思うので,RO全体での楽しみ方が増すと思います。
攻城戦とはまったく異なるPvPを楽しむプレイヤー達
PK可能ワールド「Urdr」の魅力とは?
ならば攻城戦とは別に,日常的にPvP機能を利用しているギルドをたずねてみよう……と思ったものの,やはり一般ワールドでPvPは,あまり注目されていないらしく,各ワールドの宿屋を回っても,そうしたプレイヤーにはめぐり逢えなかった。実際,RJC/RWC常連ギルドへのインタビューで,一番難しいのは出場メンバーを揃えることよりも,練習相手を見つけること,というコメントがたびたび聞かれたのだから,これは当然の結果といえる。
そんななか,ほぼ毎週ユーザーイベントとしてPvPが行われているという情報を耳にして,Urdrワールドを訪問。Urdrといえば奇しくも2年連続でRWC日本代表ギルドを輩出しているわけだが,PK可能ワールドでのプレイと,PvPの魅力について直接取材してみた。
PKされるリスクがある代わりに,通常ワールドに比べて取得経験値が2倍,アイテムドロップ率1.5倍というのが,Urdrワールドならではの特典だ。この経験値2倍というのはかなり大きなボーナスで,多くのプレイヤーが――とくに一度通常ワールドでのプレイを経験している人ほど――Urdrワールドを選んだ理由に,成長の速さを挙げる。
実はデスペナルティも通常ワールドより多いのだが,いつPKされるか分からないリスクを考えても,圧倒的に早くレベル99に到達できることが,Urdrワールドで継続的にプレイするモチベーションにつながっているようだ。
ユーザー自主イベントとして行われるPvPは,週末の午後9時〜10時前後からスタート。同じ対人戦でもラグが多く,同盟関係やヘルプの依頼などで人数を揃えたほうが基本有利という攻城戦に比べて,UrdrでのPvPはどんなに多くても1チーム7〜10名と少人数。その日の集まり具合によって職業構成を考えたり,人数を調整したりする。しかし,そもそもUrdrワールドを選ぶプレイヤーはやはり少数派のようで,定期的にPvPに参加しているのは,現在2ギルドだけという状況である。
また,UrdrワールドでのPvPイベントでは,わざわざ宿屋にあるPvPエリアを利用したりはしない。マップに高低差がほぼなく,遮蔽物も少ないモロク周辺のPK可能エリアが選ばれ,互いのパーティ人数を合わせたうえで(制限はない),アシッドデモンストレーションとエンチャンドデッドリーポイズンの禁止,可能な限り職業構成が偏らないようにするなど,対戦ギルド間で大枠のルールを決めている。
先述のとおりUrdrワールドの仕様として,戦闘不能時のデスペナルティが通常ワールドに比べて大きいため,あらかじめ経験値が0(レベル上がりたてと同じ状態)に調整しておく,といった工夫も各プレイヤー間でなされているようだ。
現在も可能な限り毎週PvPを楽しんでいるという現役Urdrプレイヤーと,つい1年前まで同様にPvPに参加,現在は休止中というプレイヤー数名にメールインタビューを申し込んだところ,UrdrワールドのPvP好きにとって一番の悩みは,やはり同好の士がなかなか増えないことだという話だった。
最後にPvPの楽しさを伝えるメッセージをいただいたが,こちらは匿名希望ということで,メッセージのみをお届けする。
「Urdrは経験値が2倍,PKに成功してマーダラーになればステータス+3,さらに経験値2倍といった仕様で,キャラクターを育てやすい環境です。PvPをしたい方はもちろん,PKが好き! 転生職をもっと手軽に作りたい! というプレイヤーにもオススメだと思います。この記事を見てUrdrで遊びたいな〜と少しでも思ってもらえれば嬉しいです」
「本当の新規プレイヤーでもない限り,一からキャラクターを作るのがちょっと面倒なときもあると思います。Urdrなら,経験値もアイテムドロップ率も通常ワールドと比べて高くなっているので,必死にアイテム集めや装備を整えようと頑張りながらROを楽しんでいた初めの頃の気持ちに戻りつつ,でも成長はサクサクとハイペースでプレイできます。ほかのワールドに比べて人との交流は少ないですが,逆に自由に動ける部分で,Urdrでは自分スタイルのプレイができると思います。対人戦に興味を持ってくれるプレイヤーが増えてほしいです」
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