前作のDisciples:Sacred Landは,"Heroes of Might&Magic"を基点としながらも,アートやシステムで日本のコンソールゲームからの影響が所々に見え隠れし,コアゲーマーからカジュアルゲーマーにまで広く受けた作品だ。国内では,最近になってサイバーフロントから日本語マニュアル付バージョンが発売されている。その第2弾にあたる
「Disciples 2:Dark Prophecy」は,
ターンベース制のファンタジー戦略ゲームの魅力をさらに高めた作品に仕上がってきている。
このシリーズのゲームプレイはいたってシンプル。プレイヤーは,1ゲームで最大5人までのヒーローユニットを雇い,それぞれを軍団長とし,最大6ユニットからなる軍隊を形成する。資源の生産も簡略化されていて,木工所や金鉱を占領することで,ターンごとに一定の収入が入ってくることになる。このあたりはまさにHeroes of M&M。プレイヤーが選択できるのは,人間族のThe Empire,ドワーフや巨人族を中心にしたThe Mountain Clan,デーモン族を中核とするThe Legions of the Damned,そしてゾンビなどのアンデッド系からなるThe Undead Hordeの4種族である。戦闘は,メイン画面を切り替えて専用のもので行うようになっているほか,技術ツリーを進化させることで,新しいクラスを生産するなど戦略ゲーム的な要素もある。
前作はグラフィックスの古臭さで敬遠された向きがあったが,Dark Prophecyでは800×600ドット・16ビットカラーの解像度に対応している。会場で行われたデモでも,すでに魔法や爆発の効果が仕上げられていて,さらには,コミック作家として有名なPatrick Lambert(パトリック・ランバート)氏をキャラクターデザイナーに起用したことから,前作同様のアニメテイストを維持しながらも,独特の雰囲気のあるキャラクターたちに生まれ変わってた。
ただ残念なことに,このデモでは半数以上が前作のアートを再利用した状態だった。本作では,ヒーローユニットにペーパードールが用意されており,前作では2種類に限られていた特殊アイテムも,今回からは
7種類まで装着できるようになっているようだ。
なお本作での最も注目すべき点は,イベントシステムの追加である。街やダンジョンを占領したり,ニュートラルと呼ばれるどの陣営にも属さない種族を攻略したときなどに,
ランダムでイベントが起きるようになっている。このことにより,常時ミッションの目的が変更されたり,サブクエストが追加されるなど,プレイヤーが予期しない展開になっていくという趣向なのである。Dark Prophecyは,Infogrames傘下のStrategy Firstから,
2001年内には発売される予定だ。撮影禁止ブースだったので,写真がいまひとつなのはご容赦を。