プレイレポート
おいしい狩り場続々登場「リネージュII」の大規模アップデート「セカンドスローン Plus 祝福されし力」先行レポート
今回はアップデートで変更が予定されている項目の一部を,エヌ・シー・ジャパン本社にて直接体験させてもらった。その際に得られた情報を,たっぷりのスクリーンショットを交えつつ紹介していきたい。
推奨プレイスタイルなどの新コンセプトに注目!
ハイレベルキャラクター向けにリファインされたエリアの数々
このような背景でリファインが行われるため,多くのエリアがハイレベル向けにチューンされている。注目してもらいたいのは,どのエリアもゲームとしての新たな遊び方が盛り込まれており,推奨するプレイスタイルなどのコンセプトもそれぞれ違っていることだ。ほかのMMORPGタイトルでたまに見かける,「モンスターのレベルを一律で引き上げました」などといった安易な方向性とは,まったく違うのだ。
それでは,今回リファインされる八つのエリアが,具体的にどのように変更され,どういった遊び方が新たにもたらされるのかを,駆け足で紹介していきたい。
【1】「神々の火鉢」
・目安:レベル76以上のパーティ。槍など範囲攻撃に長けた職業向け
最初に紹介する「神々の火鉢」は,レベル76以上の少人数〜1パーティ程度向けのエリアへと変貌。まず,エリア内のモンスター構成が大きく変わり,また全体的に数多くモンスターが密集するようになっている。そのため,いたるところでリンクが発生しやすいのだが,槍などの範囲攻撃が得意なクラスであれば,モンスターを20〜30体を集めてきて一網打尽,といったことも可能だ(いわゆる“まとめ狩り”)。
しかも,一定数以上のモンスターをまとめて倒すことで,ご褒美モンスターとして「ラヴァ ザウルス」がその場に出現する。つまり,モンスターをガンガン釣ってきてガンガン倒して,しかもボーナスモンスターまでいただけるというわけだ。
範囲攻撃が得意なキャラクターをパーティ内に集めれば,かなり痛快な狩りが行えそうである。腕に自身のあるプレイヤーは,ここで究極のまとめ狩りを追求してみてはどうだろうか。それにしても,こういった行為をある意味推奨しているのが,リネージュIIらしいといえるかも。
ただし注意点もある。ランダムで出現する「タール ビートル」は、無敵で,しかも近づくとデバフをかけてくる,いわゆるお邪魔モンスターである。これをうまく避けながら戦っていくこともポイントになるだろう。
ちなみに,範囲攻撃が得意ではないキャラクター用には,ゴーレムをはじめとした別のタイプのモンスターを,エリア内の別の区域に隔離して配置している。こちらの区域では戦う相手を選べば,槍や範囲魔法攻撃以外の通常パーティでも狩りが行えるとのことだ。
【2】「太古の島」
目安:レベル78以上の少人数パーティ。魔法系の職業向け
とはいえ,エリア内の一部では手強くなった部分もあり,例えば巨大なモンスターの「ティラノサウルス」が,広範囲をうろつくようになった。このモンスターは,エリア内に長時間滞在しているキャラクターを積極的に狙うようだ。
そのほかには,恐竜タイプのペット「デイノニクス」を入手できるようになったことも変更点である。エリア内の特定モンスターを倒すと,ごくマレに,「太古の生命石」なるアイテムが得られる。これを使うと,恐竜タイプのペットを呼び出すことができるのだ。卵の状態であればほかの人に渡すことも可能で,新種ペットとして今後人気が出そうである。
【3】「巨人たちの洞窟」
目安:レベル80以上のパーティ。近接タイプの物理攻撃向け
エリア内には“監視役”のモンスターが徘徊しており,冒険者がこれに見つかってしまうと,広範囲から援軍を呼ばれてしまう。少人数パーティだとたちまちピンチへ陥ってしまうが,強力なパーティにとっては,逆に大量の敵をまとめて倒すチャンスかもしれない。挑む戦力によって,プレイスタイルが若干違ってきそうだ。
このエリアには元から,「ゴルゴロス」「ユテヌス」「マルパナック」「ヘカトン プライム」というボスモンスターがいた。クエストを受けた状態で「ゴルゴロス」「ユテヌス」「マルパナック」の3体を討伐すると、「ヘカトン プライム」召還に必要なクエストアイテムを得ることができる。また、クエスト終了時の報賞として「古代のアデナ」が手に入る。
ちなみに,洞窟エリアの入口・上層・下層の間は,新たにテレポートが設けられている。移動時はしっかり活用しよう。
【4】「悪霊の棲処」
目安:レベル81以上のソロ。近接タイプの物理攻撃向け
このフィールドエリアでは,「呪術師バランカ」が「悪霊カーシャ」を呼び出すことに成功した,というストーリー設定が用意された。悪霊は,エリア内にいたモンスターに憑依し,凶暴化してしまったのだ。
クエストを受けた状態でエリア内にいるモンスターを倒すと、「悪霊の宿った魂の核」が手に入る。これを規定数集めてNPCへ持ち寄ると「守護霊のペンダント」が入手でき、その状態でエリアの南側にある祭壇に行くことで,呪術師バランカと直接対決できるようになる。このクエストは“一人で挑戦する”という条件が定められているので,準備を整えたうえで挑戦してみよう。
【5】「ミスリル鉱山」
目安:レベル81以上のソロ。弓職向け
冒険者は鉱山へ入ることはできるが,その内部は悪名高く強力な「カネミカ盗掘団」の支配下に置かれてしまった。とはいえ盗掘団の一部は魔気にやられてしまい,名前の頭に「狂気の〜」と修飾子が付けられている。盗掘団の暮らしもなかなか大変である。
盗掘団と戦う際は,魔法への抵抗力と,槍攻撃に対する防御力が高いことに注意。しかし盗掘団同士はほとんどリンクせず,しかも移動速度があまり速くない。つまり,弓系のクラスにとっては相性がよい狩り場で,レベル81以上ならソロプレイでもおいしく稼げるとのことだ。
このエリアに関しては,1日に1回という制限はあるものの,繰り返し挑戦できるタイプのクエストが実装される。クエストは「盗掘団員を救い出せ!」「ルシエンの祭壇」の2種類で,盗掘団の鉱山占拠にまつわるストーリーにも注目したい。なお「巨人たちの洞窟」と同様,エリア内の各地を結ぶテレポートも用意されている。
【6】「恥辱の埋葬地」
目安:レベル81以上の少人数パーティ。槍など範囲攻撃に長けた職業向け
ピラミッドの近辺では,直接攻撃タイプのモンスターが数多く出現する。範囲攻撃が得意なキャラであれば,大量に釣ってきてまとめ狩りも可能だ。また,ピラミッドの頂上付近にいるとバフが得られるので,ここに陣取ってキャンプを行うのが主流になりそうである。ちなみに最初に紹介した「神々の火鉢」と同様,まとめ狩りでのボーナスモンスターも出現する。
このピラミッドには,もう一つ大きな仕掛けがある。頂上付近ではごくマレに「チーフ トゥルカ グラッジ」という中ボスと,その配下のモンスターが出現するのだ。いずれも半透明の姿をしており,このピラミッドに埋葬されていた霊なのかもしれない。客観的に見ると我々冒険者は墓荒らしとなんら変わらないわけだが,とにかく出てきてしまったものは仕方ないのでやっつけよう。
また、このエリアには「墓地の守護兵」というNPCが一定の確率で出現する。これが消えたタイミングで「副族長の宝箱」が現れ、報賞が手に入る。
【7】「スタッカートの巣」
目安:レベル82以上の少人数〜大人数パーティ
特徴的なのは,最深部にいる「スタッカート クイーン シャイド」が生存しているか,あるいは死んでいるかが,巣の中にいるほかのスタッカートに影響を及ぼすこと。クイーンの生存時は,スタッカートに「クイーンの怒り」という名のバフが付与され,かなり強力になるのだ。
そのため最初はキツいのだが,誰かが一度クイーンを討伐さえすれば,ほかの冒険者もメリットを享受できる。もし巣にいるモンスターが手強いと思ったら,クイーンが死んでいるとき(=プレイヤーにとって有益なバフがかかるとき)を見計らって挑戦するのがいいかもしれない。
スタッカートに関連した新クエストも導入される。スタッカートをたくさん倒すことで,外にいるNPCから「成長促進剤」なるアイテムを入手できる。巣の中には,スタッカートの蛹とおぼしき「不思議なコクーン」が出現しており,これを使って羽化させることができるのだ。羽化したモンスターを倒すと,“S80シリーズの製作図”などのレアアイテムが入手できるのが魅力。
【8】「インナドリルの草原」
目安:レベル83以上のソロ。とくに魔法系
余談だが,元々草原に住んでいたモンスターらは,ハイネスの周辺に追いやられてしまっている。ほかのリファインエリアにもいえることだが,旧タイプのモンスターも探せばいるとのことなので安心してほしい。
新エリアにおける最大の見所は,この草原地帯の開拓を巡って,二つのNPC勢力が対立していること。草原の開発に積極的なドワーフを中心とする“賛成派”と,自然を守る司祭を中心とする“反対派”が,しのぎを削っているのだ。
冒険者はこのどちらか片方の派閥に所属でき,いくつかのクエストにも挑戦できる。例えばエリア内には,草原開発用のロボットや,草原を浄化する魔法陣といったオブジェクトがあり,敵対勢力のそれを破壊しろ,といったクエストが確認できた。ちなみに,一度所属した派閥の変更は行えないが,異なる勢力のキャラクターと一緒にパーティを組むことはできるので,あまり気にせず気軽に挑戦してみてほしい。
そのほか,このエリアではモンスターから「太古のハーブ」がドロップするようになるとのこと。従来のハーブの強化版で,既存のスキルにはなかった方向性のものが用意されているとのことだ。
プレイヤーからの要望を反映した細かな調整もいろいろ
リファインエリアの紹介だけで長くなってしまったが,アップデート項目はほかにもまだまだある。続いてはそれらの中から,今回の取材で確認できたものを紹介していこう。
【1】新規ダンジョン「夢幻の結界」
コンテンツとしての展開も,基本的に次元の狭間とほぼ同じだ。設けられる時間制限なども一緒で,このあたりは本稿では割愛する。
次元の狭間との相違点に絞って見ていくと,第一に,インスタントエリアであることがポイント。パーティの準備さえ整えれば,混雑とも無縁で挑戦できるというわけだ。
続いてはエリア内の構造について。最初に入ったエントランスは小部屋になっているが,そこから“東,西,南,北,広場,塔”の六つがある空間から,どこへ行くかを任意で選ぶことができる。各空間はそれぞれ特徴があり,例えば東西南北の四つは,「ファイター向け」「ウィザード向け」などといった傾向が事前に分かる。パーティメンバーのクラス編成に応じて,戦いやすい相手を選べるのである。
残る“広場”と“塔”は,ほかの空間と比べて難度がかなり高くなっている。攻略にはクラスのバランスが取れた,フルパーティ程度の戦力が必要になるとのことだ。
気になる報酬システムに関してだが,空間内にときおり出現するレイドボスの「アエンキネル」を倒すことで,「ガイディング ポピー リーフ」なるアイテムが得られる。これを一定数集めると,S80の防具シリーズと交換できる。
今回話を聞いた運営スタッフによると,S80の製作図ではなく,“現物”が直接入手できる所に注目してほしいとのこと。従来の方法と比べると大分入手しやすく,本アップデートを機にプレイヤー間に浸透していくのでは……と語っていた。ガイディング ポピー リーフはプレイヤー間でのトレードも可能で,流通価格などの動きにも要注目といえるだろう。
ただし,アエンキネルは,同じ名前で3種類のグラフィックスのモンスターを確認できた。これらの出現法則や強さ,そしてドロップアイテムの違いは“ヒミツ”とのこと。
【2】以前とはまったく別物になったレイドボス「ザケン」
そんなザケンに関しては,今回,挑戦時のプロセスから戦闘方法そして報酬システムに至るまで,全面的に見直しが入ることになった。
変更点を見ていくと,まず,ザケンの登場するエリアがインスタントエリアとして再構成された。エリア内に入場できるキャラクター数は,昼の場合は“9〜27名”,夜の場合は“72〜450名”となっている。滞在できる時間もそれぞれ60分,360分だ。
ザケンとの対戦には,新たなギミックが追加されている。詳しくは実際に挑戦してみるまでのお楽しみだが,ヒントとしては大部屋の中にある「キャンドル」に火を灯してザケンを探し出す,とだけ伝えておこう。スタッフから話を聞く限りでは,戦闘時はキャラクターの強さのみならず,チームワークが大いに求められそうに思えた。そして,ドロップアイテムに関しては,エリアに入場してからより短い時間でザケンを倒すほうが,より良いものが得られるとのことだ。
こうして見ていくと,旧バージョンのザケンと比べると,名前とグラフィックスを除いてほとんど別物のゲーム性,といっていいかもしれない。ザケンは本作の中でもとくに人気の高いモンスターの1体ということもあり,このネームバリューを残す方向で,従来の問題点の解決に努めた,とのことだ。とりあえずインスタンス化されたことで,取り合いに関するトラブルは大分減りそうだ。
【3】クラス間格差を軽減する「スキルリンク」
この問題に対して,今回のアップデートで「スキルリンク」という新システムが導入される。自分以外の二つのヒーラー系クラスのスキルを,追加で使えるようにするというものだ。スキルは自由に習得できるが,別のスキルに変更する際は1000万アデナが必要なので,よく考えてから選ぼう。
スキルリンクの条件は,レベル76以上で3次転職を終えたヒーラークラスの全員。ただし同じヒーラーでも,自分の種族(クラス)によって,スキルリンクで習得できるスキルとその数は異なる。具体的には,カーディナルとエヴァス セイントは一つ。シリエン セイントに関しては,四つも習得可能だ。シリエン セイントは,スキルの詠唱速度が遅いなど,全体的にツラかったのかもしれない。
今回の変更は,ヒーラー系のクラス全体に対する上方修正といえるもので,とくにシリエン セイントは大躍進といってよいだろう。となると,ヒーラー以外のクラスにとってもスキルリンクも期待されることは間違いないが,スタッフによるとそれに関しては「今のところ未定」とのこと。
10月6日に実装予定の「セカンドスローン Plus 祝福されし力」では,今回紹介したほかにも大小さまざまな変更点がある。「セブン サイン」にまつわるストーリーなど,プレイヤーにとっては興味深い内容が多く,それらについては公式サイトでも触れられている。興味を持ったら一度確認してみてほしい。
今回取材を通じてとくに印象深かったのは,既存エリアのリファインであろうか。ほかのMMORPGタイトルでも過疎エリアのテコ入れが行われることはあるが,モンスターのレベルを上げただけ,というものもちらほら見受けられる。その点今回のリネージュIIは,どのエリアに関してもユニークなアイデアがぎっしり詰まっており,ゲームとしての新しい遊び方がもたらされているところが好印象であった。
現行のプレイヤーはもちろん,最近ちょっとリネージュIIから離れているという人も,本アップデートを機に,旧エリアからの変更をその目で確かめてみてはどうだろうか。
セカンドスローン Plus特設サイト
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