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  • 発売日:2004/06/25
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リネージュ2
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いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作
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印刷2014/07/10 14:00

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いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

画像集#065のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 数多くあるオンラインゲームの中で,充実したコンテンツを備えた作品を改めて紹介してみようという「いまから始めるオンラインゲーム」企画では,ある種「殿堂入り」とも呼べる作品を選んでいく。
 その第1弾としてエヌ・シー・ジャパンがサービス中のMMORPG「リネージュII〜Epic Tale of Aden〜」(以下,リネージュII)を取り上げたい。有名なMMORPGなので,名前からすぐに絵柄が思い浮かぶ人も多いかと思うが,現在も月額課金制を維持しているため(レベル84までは無料),手を出しそびれてしまっている人もいるのではないだろうか。ここでは,日本でのサービス開始から,ちょうど10年を迎えたリネージュIIの魅力をまとめてみよう。

※以下,大半のスクリーンショットは3840×2160ドットの大きさなので注意
画像集#013のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

Part2:最新仕様「リネージュII」プレイガイドはこちら



3D MMORPGで一つの基準を作ったリネージュII


初代リネージュは,見下ろし型2Dマップの作品だった
画像集#002のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作
 さて,「リネージュII」というからには前身たる「リネージュ」が存在する。ご存じの人もいるだろうが,斜め見下ろし型2Dグラフィックスによるリネージュは,現在も根強い人気を持ってサービスされているMMORPGだ。韓国ではいまだに初代リネージュがオンラインゲームでNo.1の人気を誇っているという。
 このもともとのリネージュを開発したのは,韓国MMORPGの父ともいうべきJake Song氏だった。本誌のニュースで紹介されるときは,たいてい「リネージュの父」という肩書きが付けられている。友人と共同でNexonを立ち上げてMMORPG「風の王国」(「ウルティマ オンライン」の前年にサービスされている),Nexonを離れて別会社でリネージュを開発し(開発部門ごとNCsoftに買収),最近はXLGames代表として「ArcheAge」などを作っているもの凄い人なのだが,多くの功績を残してなお「リネージュの父」と呼ばれるのは,リネージュによって現在の韓国型MMORPGの基本要素がほぼ完成され,最も影響力の大きなタイトルとなっていたからだと言ってよいだろう。
 PvEとPvP,そして大規模PvEたるレイド,大規模PvPたる攻城戦を,いずれも高いレベルで実装していた。とくに攻城戦のインパクトは大きく,その後の韓国産MMORPGでは必須の要素となっている。

 こうして韓国型MMORPGの標準形となった大人気ゲームの後継作として作られたのが,リネージュIIだ。フル3Dとなったことで,表現力が格段に上がっている。

高解像度データでビジュアルの作り込みを確認してみよう
画像集#016のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作
画像集#015のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 初代リネージュが,MMORPGの一つのスタイルを確立したのと同様,リネージュIIも韓国3D MMORPGの標準形となっていた時期があった。似たUIに似たキャラクターデザイン,狩場では最初に狐が出てきて,次に狼を……という順番まで同じ作品がいくつか存在した。UIについては,「World of Warcraft」スタイルが一般化するまでは一つの標準になっていた感がある。

 こと,オンラインゲームでは「2」の付く続編モノは,ほとんど失敗してきていると言ってよいのではないだろうか。元の作品(たいてい人気作)が並行してサービスされていることや,多くの場合行われるビジュアル強化策が裏目に出て,「これじゃない感」から熱心な原作プレイヤーほど敬遠しがちになるなど,オンラインゲームの続編モノには独特な難しい点がある。その点,リネージュIIは数少ない成功例と言える。

 まず,ビジュアルだが,当時からリネージュに使われて始めていたイメージイラストやプロモーションムービーの,妙に美形なキャラクターがそのまま再現されており,むしろ「これだ!」と叫んだ人のほうが多かったのではないだろうか。これは,初期のアートディレクターJeong Juno氏の力によるところが大きいと思われる。氏はリネージュIIやRF Onlineの初期デザインを手がけたことで有名だが,韓国の3D MMORPGに大きな影響を与えている。

画像集#014のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

画像集#045のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 さて,リネージュIIのビジュアル面では,制作にUnreal Engine 2が使用されていることも話題になっていた。
 いまでこそ,Unreal Engine 3/4など,より高機能なエンジンが登場しているものの,MMORPGではこのクラスのエンジンを使うことは一般的ではなかった。しかし,当時を考えると最高峰のグラフィックスを実現する最適な方法だったといえる。

サービス後もグラフィックス機能は何度かアップデートされている。これはHDRモード時の自動露出補正の例。暗い室内から外に出たときの様子だ
画像集#004のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作 画像集#005のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 とはいえ,Unreal Engine 2は,主にFPSを想定して作られたものなので,MMORPGにはまったく適していなかった。Wikipediaを見ると(本稿執筆時点),Unreal Engineの機能でシームレスマップが実現されているような記述が見られるのだが,まったく逆で,レベル単位でしか扱えなかった仕様のUnreal Engine 2に,NCsoftが大幅な改造を加えて,シームレスマップをサポートするとともに,エンジンの仕様では30人程度しか扱えなかったキャラクター数も大幅に拡張している(エンジンの機能としてのシームレスマップはUnreal Engine 3の中期に実現された)。
 そのほか,ワールド1つを1台のサーバーでまかなうなど,あらゆる部分で最高の技術が注ぎ込まれていると言ってよい。リネージュIIの制作を指揮していたのは,「TERA The Exiled Realm of Arborea」などの開発でも知られるPark Yong-Hyun氏だが,サーバープログラムの第一人者としても知られている。プログラムとアートの両面で,韓国中の才能が結集して築き上げられてきた作品と表現してもいいだろう。

最新環境でプレイするリネージュIIの様子。4Kディスプレイだとマップを開いたままで常用も可能。ただし,字が小さすぎてプレイしやすいかというと微妙
画像集#003のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

HDR系画面改善処理の例。グロー効果とコントラストの出方の違い。室内ではキャラクターがハレーションを起こしやすいので,常用は「なし」が無難か
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なし
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グロー1
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グロー2
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HDRレンダリングA
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HDRレンダリングB
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HDRレンダリングC


リネージュIIの世界観とプレイアブル種族


水の女神から死の女神となったシーレン
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 さて,リネージュシリーズは韓国の漫画が原作になっているらしいのだが,日本ではそちらの内容についてはほとんど知られていない。しかし,仮想世界である「アデン大陸」と,そのバックグラウンドについては,かなり細かく設定されており,ゲーム内にも反映されている。
 この世界の成り立ちについては,グランカインの夜語りという文章が神話の一部として伝えられているので,それを一読しておくとよいだろう。いかにしてアデン世界にさまざまな種族,そしてモンスターやドラゴンが生み出されたのか。ゲーム内でもたびたび耳にすることがあるであろう「シーレン」とは何者かなどが語られている。

 実は,リネージュIIは,タイトルのナンバリングとしては2番めだが,時間軸的には初代リネージュの150年前の世界を描いたゲームである(ゲームをプレイするうえで意識することはないだろうが)。

新種族アルテイア
画像集#038のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作
 リネージュIIに登場するプレイアブル種族は,上記のグランカインの夜語りに登場する種族が中心となっている。現在実装されているのは,ヒューマン,エルフ,ダークエルフ,オーク,ドワーフ,カマエル,アルテイアの7種類だ。このうちカマエルについては上記の神話に起源が書かれていないのだが,これは地の果てに追い詰められた巨人達が神々に対抗するために作り出した種族という設定になっている。そのためか,特徴的な仕様が多く,後述するように転職などで少し制限が出てくる。
 また,最近追加されたアルテイアでは,選択できるのが女性キャラクターだけという変則的な仕様になっている。別に女性だけの種族というわけではないらしいのだが,男性はどこかで戦っているという設定らしい。

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エルフ
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ダークエルフ
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ヒューマン
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オーク
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ドワーフ
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カマエル

 種族は,それぞれ種族特性を持っており,クラス選択にも影響してくる。
 最終的には,覚醒してさらにキャラクターを強化していくことになるので,少し先の話にはなるが,覚醒後の特性についてもきちんと確認しておくことをお勧めしたい。

 とはいえ,とりあえずは外見で選んでもとくに問題はないだろう。キャラクターデザインは,本作の特徴の最たるものの一つといえるので,重視する人が多いのは当然の話だ。発表時には,巨乳のダークエルフとかロリのドワっ娘とか,従来の西洋ファンタジーのフォーマットを逸脱していたところもあったのだが,いまやむしろこれも一つのスタンダードになりつつある。好みと特性を天秤にかけて選んでみよう。

キャラスロットは多いので,いろいろ試してみるのもアリ
画像集#046のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作


豊富なクラスと育成要素


画像集#066のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作
 リネージュIIは,キャラクターのクラスが多いことも特徴の一つとなっている。
 ジュディケーターやタイタン,アヴァレスタと言われてもどんなクラスなのか想像しにくかったり(順に,バッファー,近接アタッカー,アーチャー),ウォーロードとオーバーロードでなにが違うのかなど(前者は近接系アタッカーで後者はバッファー),覚えるしかない部分もあるので,まあそこは頑張ってもらうとして,以下では,いろいろと複雑な本作のキャラクター育成についてまとめてみたい。

 キャラクター作成時にはファイターとメイジという,物理系か魔法系かでクラスを選択するだけなのだが(種族によっては固定のものもある),1次,2次と転職を繰り返すことで,合計36種類のクラスに分化していく。2次転職時のクラスは,大きく8系統に分けられるのだが,種族ごとに少しずつ特性の違ったクラスになっており,この36種類の強化版として3次転職クラスがさらに36種類,覚醒クラスが36種類用意されているので,合計すると非常に多くのクラスが存在していることになる。

 まずは,8種類の系統を見ていこう。

ナイト系(防御)
ウォーリア系(近接物理攻撃)
ローグ系(近接物理攻撃)
アーチャー系(遠隔物理攻撃)
ウィザード系(遠隔魔法攻撃)
サマナー系(召喚)
ヒーラー系(回復)
エンチャンター系(補助)

 なお,この8種類の大分類,「1次転職と2次転職で2つずつ分化していくんだな」と考えていると大間違いで,種族ごとにかなり変則的な分化をしていく。エンチャンター項目などは,物理系と魔法系が混在していたり,カマエルでは性別でクラス制限があったり,同じクラスでも男女でスペックが違ったりと,かなり複雑だ。

 種族によっては,なれない系列もあるので,以下の表で大まかな対応を確認しておいてほしい。

青字は魔法系クラスからの派生(※クリックで拡大)
画像集#017のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

●サブクラス
 レベル75に到達すると,追加でほかのクラスを習得し,それを切り替えて使えるようになる。重要なのは,種族に関係なくクラスを選択できることだ。ただし,すでに習得しているクラスと同系列のクラスは習得できない,エルフとダークエルフは互いのクラスを習得できない,カマエルは多種族のクラスを習得できないなどの制限はある。
 習得したサブクラスは,2次転職時のクラスでレベル40の状態でスタートし,サブクラスがレベル75に到達すると,さらに追加のサブクラスを習得できる。サブクラスは3つまで追加可能だ(メイン+サブ3種)。
 こうして習得したサブクラスは,最大でレベル80まで育て上げることが可能だ(メインクラスはレベル99まで)。
 さらに育てたサブクラスのレベルに応じて,メインクラス側に認証スキルを追加することができる。キャラクターの基本性能が強化されると思っておけばいいだろう。
 カマエルは選択できるクラスが極端に少ないのだが,代わりにカマエルのサブ専用クラスとして,インスペクターと3次転職時のジュディケーターというバッファークラス(エンチャンター系)が追加されている。また,アルテイアにはサブクラスが存在しない。

当分先の話になるだろうが,サブクラスやデュアルクラス関係のことは,話せる島のNPCレアヌさんが担当している
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●デュアルクラス
 サブクラスのうち,1つだけを選んでメインクラスと同等のレベル99まで育成可能にするのがデュアルクラスだ。2つのクラスをいつでも切り替えて使えるようになる。

●覚醒
 レベル85に到達したキャラクターはクエストを経て「覚醒」し,クラスごとに上位36種のクラスに進化する。現状では,この覚醒クラスが最終的な形態となる。

●デュアルクラスの再覚醒
 さて,覚醒で「なかったこと」にされていたサブクラスやデュアルクラスだが,デュアルクラス状態で覚醒した場合に,別のクラスに覚醒することができるようになる。これがデュアルクラスの再覚醒だ。メイン覚醒クラスと同系列の覚醒クラスは選択できないなどの制限があるが,前述した種族の制限を超えた覚醒クラスを選択できる。ただし,カマエルとアルテイアについては制限が出てくるので,注意しよう。

●ノーブレス
 また,キャラクターをレベル75まで育成すると,別途クエストを受けることでノーブレスの資格を得ることができる。ノーブレスになると,ノーブレス専用スキルや専用アクセサリが使えるなどの特典が得られる。また,グランドオリンピアードに参加するには,ノーブレスで覚醒していることが条件となる。

 2011年末に実装されたGoddess of Destructionアップデート以降,レベル85以上と覚醒が開放され,高レベル帯のゲーム仕様は,それ以前のものから一新されている。あくまで高レベル帯の話ではあるのだが,現在のゲーム仕様だとレベル85に到達するのもさほど時間がかからなくなっているので,こういった先の展開も見据えたキャラクタービルドが望ましいのはいうまでもないだろう。


リネージュIIの特徴的なシステム


 2014年6月25日で,リネージュIIもサービス開始から10年を迎えている。ほぼ半年に1回の大型アップデートのたびに新たなコンテンツが追加されていき,現在では,新規インストールしようとすると1OGBのファイルをダウンロードする必要があるくらいだ。
 そのシステム的な特徴も多すぎて把握できないくらい詰め込まれている。仕様変更も繰り返されているので,現状の仕様をまとめようかと思ったのだが,ちょっとまとめきれない。以下に主なものだけ挙げておく。

●操作法
 基本的には,標準的な3D MMORPGであり,一通りの機能やシステムを備えていると思っていい。とはいえ,台湾や中国のMMORPGで一般化している自動移動機能や自動狩り機能といったものは付いてないので,最近の楽チンMMORPGに慣れている人だと少し面倒に思うところはあるかもしれない。

 操作方法は,画面内のクリックで行い,クリックした先には,ある程度は障害物を避けて,経路探索をしながら移動するが,過度な期待はしないほうがいいだろう。ジャンプなどもないので,つまずきそうなところは通らないようにするほうがいい。最近流行のW/A/S/Dキーによるキャラクター移動操作はできない(※キー設定で「エンターチャット」を指定するとできました)。キーボードでの移動には方向キーを使う。

基本は,クリックした青いマーカーまで自動移動。方向キーでの操作も可能
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 個人的には,環境設定で「マウスでの移動を使用する」を選択しておくと,左右ボタン同時押しで前進してくれるようになるので非常に取り回しやすくなった(EQスタイルに慣れている人にお勧めだが,手軽に前進操作をしたい人は試してみるとよい)。

 クエストを受けると,キャラクターの周りに次の目的地の方向を示す矢印が表示される。これを目安に移動すればいいのだが,残念ながら初期マップの「話せる島」は結構入り組んだ地形になっているので,方向だけを目安に動くと遠回りになったり,戻れなくなったりするので,マップを頼りに経路を確認するようにしたい。なお,アデン大陸に上陸後なら,方向指示機能はそれなりに便利に使えるはずだ。

クエストには,途中経過で分岐するものもある
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クエスト中に出る矢印。だが,そちらにまっすぐ素直に行けるとは限らない。まず地図を確認するようにしよう
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各地にいるゲートキーパーさんは旅の強い味方だ
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 戦闘はクリックでターゲットを指定して,もう1回クリックして攻撃という形式で,MMORPGではお馴染みのものとなっている。スキルは画面のアイコンかキーボードショートカットで発動と,こちらも一般的なものだ。なお,通常攻撃は自動で連発してくれるが,スキルを交えると停止してしまうので気をつけよう。

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●対人戦要素
 リネージュIIの大きな特徴は,システムの幅広さと,その自由度の高さだ。10年間サービスされてきたMMORPGなので,たいていのゲーム要素は揃っている。それに加えて,ゲーム仕様の幅も広く,とくにPK周りの要素は,本作の特徴の一つとなっていた。現時点では,PKにかなり多くのペナルティが科されるようになったため,一般的なMMORPGとそう大きな違いはないのだが,初代リネージュから続くPKの自由度の高さは,ある意味,都市伝説のように今に伝えられている。

 本作では,PK可能エリアであれば一方的に対人戦を仕掛けることができる。このとき,仕掛けられた側が反撃すると,同意のうえでのPvPとみなされ,相手を殺してもPK扱いにはならない(両者とも戦闘中は紫ネーム)。無抵抗で殺されると,殺した側が赤ネームになる。赤ネームの相手に対しては,いくら攻撃してもペナルティは発生しない。そこで,いかに相手に手を出させるか,いかにうまく殺されて相手を赤ネームにするかで,ありとあらゆる手管が駆使されていたという。
 リネージュIIの初期には,PK自体のペナルティが少なく,これとは別に,プレイヤーは「死亡時にアイテムをドロップすることがある」という仕様も組み込まれていたため,PKはとても熱いものになっていたようだ(現在ではPKプレイヤー以外はドロップしない)。

 直接リネージュシリーズを扱ったものではないが,オンラインゲームを扱った小説「ソードアート オンライン」では「血盟」といったリネージュ用語が使われており,初期リネージュの影響がうかがえる。生死をかけた作品内の緊張感は,当時のゲーム内を表すものと置き換えて読むこともできそうだ。実際,この小説に出てきたようなPKギルドや,かなり凶悪なPKプレイヤーは実在した。

 もちろん,PK自体はゲーム仕様の一部であり,それを楽しむことは悪いことではない。繰り返すが,最近はPKによって防御力が極端に低下したりと,デメリットが多いので一般的ではなくなっているが,それでも本シリーズの特徴には違いない。
 なお,ゲームを始めるとステータス表示でHPの上に表示されている「CP」(Combat Point)というものがあることに気づくだろう。とくに減りもしないので,なんのゲージか分からないかもしれないが,これは,PvP時にHPより先に消費される「闘志」ポイントで,これがゼロになるとHPが減り始めるという仕組みだ。PvEには影響は与えないが,PKによる即死を起こりにくくする機能を果たしている。

 また,フリーPKエリアであれば誰でもPKが可能なので,うっかりプレイヤーを攻撃してしまわないか心配になる人もいるかもしれないが,攻撃時にCtrlキーの長押しが必要なので,間違ってPKしてしまうということはまずないはずだ。また,レベル40未満の場合は,PKされないようなBuffを受けることもできる。

あまり意味はないが,Ctrlキー長押しでNPCを攻撃することもできる
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●攻城戦とオリンピアード
 フリーPKとは違って,もう少し競技性の高い対人コンテンツとして攻城戦やグランドオリンピアードなどがある。
 攻城戦は,城を持っている城主側血盟と挑戦側血盟の大規模PvPとなる。防御側は城に立てこもり,攻撃側は城の防備を破って侵入し,攻城兵器なども使った総力戦でぶつかりあうことになる。

画像集#068のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 挑戦側の血盟主が刻印の間で刻印を済ませれば,城の所有者が書き換えられる。攻城戦終了時に城の持ち主になっている血盟の勝利となる。オフラインイベントで行われた攻城戦イベントの模様を録画したムービーがあるので,それを参考にしてもらいたい。イベント仕様なので,通常の攻城戦とはかなり異なる部分もあるが,全体的な流れはムービーを見るほうがつかみやすいだろう。


 こうして城主の地位を得ると,その城の配下の街に荘園を置いたり,税率を決めたりすることができる。攻城戦より規模の小さなものとしては,アジト戦や要塞戦といったものも用意されており,さまざまな規模,さまざまなルールでの対人戦が楽しめる。

 グランドオリンピアードは,1か月間にわたって行われる対人戦イベントだ。個人戦,同クラス個人戦と,2つのモードで行われる試合でポイントを稼いでいく。総合点でクラスごとの最高得点者は「英雄」として称えられ,さまざまな特典を利用できる。
 英雄になれなくても,オリンピアードで獲得できるトークンを溜めて装備品などを獲得できる。

画像集#072のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作


巨大なドラゴンとの壮大な戦い


火竜ヴァラカス
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 PvPだけがリネージュの大規模戦闘ではない。もう一つの目玉は豊富なレイドコンテンツだ。ちょっとあちこちを回るだけで,フィールドのあちこちにレイドボスがいるのを目にすることだろう。そんなレイドボスのなかでも特別なのが,ドラゴンとの戦いだ。
 この世界には死の女神シーレンが生み出したとされる6竜が存在するという。すなわち,

 地竜アンタラス
 火竜ヴァラカス
 風竜リンドビオル
 水竜パプリオン
 闇竜スケルス
 光竜アウラキリア


の各属性を持った竜達だ。アウラキリアはアデンの地を去ったとされているので(もしかしたらアデン大陸からグラシア大陸に移ったという意味かもしれないが),世界には5竜が残っているとされている。現在実装されているのは,アンタラス,ヴァラカス,リンドビオルの3竜だ。

 正式サービスと同時に実装されたのが,地竜アンタラスだが,これがまたMMORPG史上に残るようなボスモンスターとなっていた。このアンタラスというのはさほどテクニカルな攻略を要求するタイプのレイドボスではないのだが,とにかく硬かった。それは「レイドボスなら硬くて当たり前」という常識的なレベルを遥かに超えていた。一般的なゲームのレイドだと,参加人数は多くて100人くらいというのが相場ではないだろうか。3D MMORPGだと,それくらいの人数にしておかないと画面が重すぎて,逆に戦力ダウンになりかねなかったりするからだ。
 初期アンタラスの討伐には,実に300人から400人もの人員が動員されていた。ある程度攻略法が分かって,プレイヤーも強化が進んできた段階では,そこまでの人数を揃えることもなくなったようだが,それでも100人,200人規模でないと倒せないボスだったのだ。

地竜アンタラス
画像集#071のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 そうなると,トップギルドやギルド連合くらいではまだ足りない。このときばかりは,PKギルドさえ一致団結し,その一戦に負ければサーバー内経済を崩壊させかねないレベルの物資を注ぎ込んで,まさに乾坤一擲の一戦が行われていたのだ。
 その後に追加された火竜ヴァラカス,風竜リンドビオルは,当然ながらさらに強いドラゴンなのだが,レベルキャップ開放やプレイヤー側のパワーアップなどで討伐はだんだん楽になり,レイドボスの調整でまた難しくなりを繰り返しているようだ。いまやアンタラスは最も簡単なドラゴンレイドなのだが,それでも初期アンタラスの数百人という規模のレイドはいまだに語り草となっている。

風竜リンドビオル。華奢に見えるが,どの竜よりも大きい
画像集#051のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 先に述べたように,レイドはドラゴンだけではない。リンドビオル実装前までは,フレヤ(極寒戦)やアースワームというものが難関として知られていた。攻略手順などがだんだんと込み入ったものになってきており,実装されてしばらく経った現在でも十分に歯ごたえのあるコンテンツになっている。
 また,レイドとはいっても重たいものばかりではない。パーティで狩れるようなフィールドボスも数多く存在する。これらのレイドボスには,それほど強くないものもいて,上級者ならなんとかソロで倒せるくらいのものもいるという。装備を十分に整えたら「ソロレイド」に挑んでみるのもよいかもしれない。

画像集#069のサムネイル/いまから始めるオンラインゲーム:第1回「リネージュII」美麗な世界でガチに戦うファンタジー3D MMORPGの代表作

 そのほかにもコンテンツは盛りだくさんだ。ペット,インスタンスダンジョン,乗り物,(一部コンテンツでの)飛行,釣りなどたいていのものは揃っており,現在は,中盤まで超高速で育成させる仕様になっているので,コンテンツも飛ばし気味に進んでいくのだが,それでも当分やることがないという状況にはならないはずだ。
 ベースになっている部分が古いというのは,良くも悪くも見受けられるのだが,昔の尖りすぎていたゲームバランスから,一般人向けに修正が行われていたり,システムのアップデートでさまざまな部分が調整されて,時代に合ったゲームになっている。
 そして,オーソドックスなファンタジーMMORPGスタイルで,もはや王道と言っていいくらいの位置にあるタイトルでもある。ゲーム世界の作り込み自体も,最近のゲームではなかなかないくらいにしっかりなされている。最近の新作ゲームにもの足りないものを感じている人は,あえて定番の一作を再確認してみるといいだろう。

 Part2のプレイガイドでは,リネージュIIの現時点での姿を探るべく,序盤からのプレイの様子を追っているのでぜひ参考にしてほしい。ある程度オンラインゲームに詳しい人だと「リネージュIIってマゾいんでしょ?」などという思い込みをしている人もいるかもしれないが,現在は,とことん親切設計になっている。実際,新規キャラクターでプレイしてみて驚いた。確かに古さを感じさせるところもあるが,逆に最近のゲームでここまで作り込んでいるものはないと感じる部分も多い。レベル85までは無料なので,この機会に現在のリネージュIIを試してみよう。

Part2:最新仕様「リネージュII」プレイガイドはこちら


いまから始めるオンラインゲーム企画趣旨

 かつてショウペンハウエルは,実績を持った良書に目を向けず,とかく新しい本を読みたがる人が多いことを嘆いた。
 毎年多くの書籍が発行されるが,その中で人の評価を得るものはごくわずかだ。多くの書籍から選び抜かれた少数の本は,やがて古典として受け継がれていくのに対し,新作の大半は忘れ去られる運命にある。貴重な時間を費やすならどちらに投資すべきか。ショウペンハウエルはそれを指摘したのだ。

 ゲームについても似たようなことが言える。オンラインゲームで見ても,新作のリリース時は最大の盛り上がり場となる。しかし,サービスを開始したばかりでは,当然ながらコンテンツは多くない。熱心なプレイヤーはたちまちのうちにすべてのコンテンツをやり尽くしてしまい,コンテンツ不足を指摘されることになる。不具合や要調整の部分があっても,プログラム開発は瞬時にできるわけではない。対応の遅れから人が離れていき,苦情ばかりが目立つことになりがちになる。ここ数年の新作タイトルを思い起こせば,ほぼすべての作品が同じパターンをたどっていることに気づくはずだ。

 それに対して,各運営会社で看板タイトルとなっているゲームがある。たいていはサービスから5年以上経過しているが,いまだに人気を保っている作品である。これらの作品も,新作時代には上記のような洗礼を受けてきているが,それでも多くのプレイヤーに支持されて生き延びてきたのだ。どんなタイトルでも手放しで賞賛されることはありえない。批判され,修正され,絶えず進化していくのがオンラインゲームというものだ。その結果,不具合の多くは解決され,サービス体制も安定し,そして,なにより蓄積されたコンテンツ量が違ってくる。サービス開始当初は整っていなかった部分が完備され,ようやく完成した形で提供されているともいえるだろう。

 オンラインゲームの新作が減ってきた現在,あえて「殿堂入り」ともいえるゲームを取り上げて,その魅力を明らかにしてみたいというのが今回の企画の趣旨だ。しかし,いくら安定した実力を持つタイトルでも,いきなり始めて楽しめるかというと,そうではないのがオンラインゲームの難しいところでもある。新作が楽しいのは,一緒に始める仲間が一定数いることが大きな要因ともいえる。逆に,そのタイミングを外すとプレイを始めにくくなるのもオンラインゲームだ。
 そこで,今回は,ちょっとうれしい特典を付け,運営側とも連携して新規参入者を盛り上げつつ,「みんなで一斉に始めてみようぜ」と思える機会を作っていきたいと思う。タイトルに懐かしさを感じる人も,手を出しそびれていた人も,この機会に「名作の今」を味わってみてほしい。

  • 関連タイトル:

    リネージュ2

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