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「Ultima X:Odyssey」ついに正式発表!#1 | - 2003/08/22 18:44 |
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8月21日,カリフォルニア州サンフランシスコの中心街にあるヤーバ・ブエナ・センター・オブ・アートにて,Electronic Arts社主催によるイベントが行われた。今回お披露目されたのが,Ultimaシリーズ最新作という位置付けになる「Ultima X: Odyssey」(以下,UXO)である。 多くのプレイヤーが参加するMMORPGではありながら,同シリーズのシングルプレイヤー版,つまり「Ultima IX:Ascension」の後継に当たるという作品である。詳しい発表は現地時間の明日22日に行われる予定だが,今回は開発を担うOrigin System社のエクゼクティブ・プロデューサー,アンディ・ホリス(Andy Hollis)氏によって,本作品の概要が説明された。 Origin Sysytem社は,ロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオット(Richard Garriott)氏によって1983年に設立された名門中の名門ソフト開発会社だ。「Ultima Online 2」のプロジェクトがキャンセルとなり,ギャリオット氏の退陣したあとは,一度はEA.comに吸収されていた形だが,ここ数か月で再起したようだ。 その中核を担うのが,'80年代はシド・マイヤー(Sid Meier)氏の片腕として多くのシミュレーションゲームを世に送り出したアンディ・ホリス氏である。'90年代中期には,Electronic Arts社のJane's Combatシリーズの中核として活躍したが,その後は引退してアマチュアレーサーとして早すぎる"余生"を送っていた。しかし,彼のチームマネージメントの手腕を必要としていたのがElectronic Arts社で,今年(2003年)の6月になってホリス氏を召集。以後,彼はOrigin System社を率いる最高業務執行責任者(COO)として,「UltimaIX:Ascension」以来久々の新規プロジェクトとなるUXO,及び現在も多くのファンベースを誇る「ウルティマ オンライン」を統括しているのである。 当サイトが報じてきたように,ここ数週間ほどはUXOの情報は少しずつ漏れ出していたものの,正式に発表されるのは今回が初めてとなる。ゲームショウなどのイベントではなく,今回単体のイベントでUXOを公開したのは,ファン達にじっくりと吟味してもらいたいという意図があるようだ。 そのため,メディア関係者以上に多くのファンサイトの管理者やシリーズのコアプレイヤー達が招待され,盛大なパーティが行われた。このことからも,Electronic Arts社とOrigin Systems社が,どれだけUXOにかけているのかが伺えるだろう。 詳しい話はまた明日に掲載する予定だが,UXOはウルティマ オンラインとは姉妹ソフトという関係にあたり,後続ではないことに注意してほしい。 それよりも,徳システムをゲームプレイに組み込んでいることから,本家のシングルプレイヤー系シリーズの血を色濃く引き継いでいるといえる。本作の実質的な開発をまとめるシニア・プロデューサー,リック・ホール(Rick Hall)氏も,「UXOは,MMORPGのジャンルにとって次なるステップとなる大きな作品です」と語っているだけあり,MMORPGではありながらも徳システムやアクションを重視。ウルティマ オンラインが"まったりと生活する"タイプのソフトであるとすれば,本作は"サクサクと活動する"ような手軽さも備わっているようだ。 さて,本日分かったことを,以下にまとめておく。 ・ グラフィックエンジンはUnrealの最新版を使用 UXOは,グラフィックエンジンにUnreal Warfare 3Dエンジンを採用している。これは,ゲーム開発でもとくに長い期間がかかってしまうMMORPG制作の負担を減らすためだという。 実際にUXOの企画が始まったのは2年前で,開発も18か月ほどしか経ってはいない。発売は今冬と発表されているから,非常に順調なペースで開発が進められているのが分かるだろう。 巨大なプロジェクタースクリーンでのお披露目だったために,ハッキリと視認できたわけではないが,やはり「Unreal 2」や「リネージュII」のような,同系統のエンジンの作品を思わせる雰囲気を持っていることは否めない。しかし,やはりPixel Shader 2.0にも対応した美しいグラフィックスで有名なUnrealエンジンだけに,今回確認できただけでも,煙や魔法効果がかなりハデに描かれている。 ・ Odyssey Adventure Systemとは UXOは,「EverQuest 2」や「Mythica」など,競合ソフトにも搭載されることが予定されている,プライベートなアドベンチャーゾーンがフィーチャーされる。開発チームでは,これをOdyssey Adventure Systemと呼んでおり,同じダンジョンであってもプレイヤー個人やグループによって専用のものが常時自動的に作成されるのである。さらに,プレイヤーの徳やレベルに合わせてクエストがカスタマイズされるが,これらにも専用ルームが用意されるとのことだ。 この方式では,強力なモンスターのいる人気スポットにプレイヤーがキャンプを張ることもなく,クエストの邪魔をする"グリーファー"と呼ばれる非社交的なプレイヤーの妨害に合うこともない。次世代MMORPGのほとんどの作品が,何らかの形でプレイベートルームを用意しており,UXOではこの方式を一歩進めることになりそうだ。 ・ 徳システムでアバタールになれる! UXOが,ウルティマ オンライン以上にウルティマ臭さを持っているのは,おそらくプレイヤーの究極の目的が,アバタールだからだろう。プレイヤーは,まず最初に用意したキャラクターの徳を選択し,そのレベルが最高値に到達した時点で,"フォロワー"(弟子)を持てるようになる。このフォロワー・キャラクターは,最初のメイン・キャラクターとは同じようなステータスを引き継いでいるが,クラスはまったく別でも良く,重要なのは異なる徳を選択していることだ。 ウルティマワールドには八つの徳が存在するので,一人のメインキャラクターと7人分のフォロワーを育て上げることで,ようやくアバタールとなるわけである。 こうして,プレイヤーが次々とフォロワーを育て,8人めのフォロワーの徳が最高値になると,メインキャラクターのキャップが外れ,さらに成長させることができる。「八つの徳を極めし者」として,"デミ・ゴッド"とも呼ばれる半神の存在へと昇天(Ascension)するのである。 どのMMORPGでも,プレイヤーの意思によって好みのキャラクターが作れるが,ゲームシステムに統合されたUXOの仕様はかなりユニークで,シリーズの特性を良く生かしているといえる。 ・ ハイペースなアクションを重視 UXOは,半自動的なコンバットシステムではなく,プレイヤーの意思が強く反映されるリアルタイムのものになるようだ。現在では,左クリックで攻撃,右クリックで防御になるとのことで,さらにプレイヤーはキャラクターの戦闘意思のレベルや,戦闘スタイル,特殊ムーブも自在に調節,稼動することができるようになっている。このため,単なるレベル差による戦闘ではなく,個々のプレイヤーの戦略が試されるのである。 UXOでは,PvP(プレイヤー対プレイヤー)の戦闘も奨励されており,個人の意思に従って,ほかのプレイヤーとペナルティなく一戦を交えることができる。 さらには,プレイベートゾーンを用意することで,ギルド間での大戦争も楽しめるようになりそうだ。イベント2日めには,20人限定(各5人まで)のPvP戦が行われることになっており,このあたりがMMORPGとしてどうなっているのかが分かるはずだ。 日本のRPGの原点の一つにも数えられるウルティマ最新作だけに,日本のエレクトロニック・アーツもかなり本腰を入れており,日本語版の同時発売を目指しているということだ。まだα版でもないというのが気がかりだが,同社では今回のイベントでも今冬リリースと公言しているので,あと数か月もすれば,新しいウルティマワールドが開かれることになりそうだ。 明日には実際にゲームにも触れ,開発者とのインタビューも控えているので,もしUXOについて知りたいことがあれば,ぜひ当サイトのフォーラムに質問事項を書きこんでほしい。(奥谷海人) →「Ultima X:Odyssey」のScreenshots集は,「こちら」 →「Ultima X:Odyssey」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」 (C) 2003 Electronic Arts Inc. All rights reserved. |
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