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[E3 2008#47]実在の女性スパイが主人公のスニークアクション「Velvet Assassin」
ドイツでも注目の開発会社Replay Studiosの開発ディレクター,サシャ・ユンニッケル(Sasha Jungnickel)氏と,広報マネージャーのインガ・ミッテンドルフ(Inga Mittendorf)氏 |
このバイオレット・サボーについて紹介しておくと,彼女はもともとイギリスのデパートで働いていた売り子だったが,ハンガリーからフランスに亡命していた将校に見初められ19歳で結婚。しかし,1942年に夫が北アフリカ戦線で戦死してしまったことからナチスへの復讐を誓い,女性スパイに志願したという。いくつかのミッションを経てドイツへの潜入中に逮捕され,その後さまざまな収容施設を転々としながら,拷問や重労働に耐えていたのだが,終戦間近の1945年2月に処刑。23年というその短い生涯を終えたという。
ストーリーの内容についてはお楽しみとのことで,Replay Studiosの広報マネージャー,インガ・ミッテンドルフ(Inga Mittendorf)氏は深く語らなかったが,バイオレットは病院で危篤状態にあって,過去のミッションを思い起こしているという設定らしい。
それがゲームシステム自体にも深く関連しており,ゲーム中でバイオレットが窮地に陥ると,一時的にゲーム画面がストップして,プレイヤーはバイオレットのキャラクターを安全な位置に避難させたり,相手の背後に回り込んだりして,時間が動き出したときに有利な状況を作り出せるという。このシステムには,「悪夢で体が震えだし,誰かが実際のベルベットにモルヒネを注射している」という理由づけがなされていた。
Velvet Assassinのゲームプレイは,スニークアクションの王道といった感じ。影にいるとバイオレットの輪郭が青く光り,彼女が誰にも見えない状態であることを示す。背後から忍び寄ってナイフで相手を刺し殺すといったアクションが基本になっているが,そのほかにもピストルやスナイパーライフル,手榴弾などが利用できる。ただ,アクションは非常にシビアになっており,3発程度の銃弾を受けただけでヘルスが底を尽いてしまう。いかに背後から気付かれないように忍び寄るかという,パズル的な要素に重点が置かれているのである。
今回のデモでは,フランスやハンガリーでのミッションなど,ストーリーの前半と思われる部分が紹介されていたが,ゲーム世界からは非常に重苦しい印象を受ける。散発的な銃声が聞こえるのは,どこかで市民達が,ナチスに処刑されているという設定からくる演出であり,夢の中のバイオレットが回想している,敵地での狂気が描かれているのである。
本作は,北米では10月中にPCおよびXbox 360用にリリースされる予定。シングルプレイ専用だが,戦史好きにはちょっと気になるタイトルだろう。
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