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大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
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印刷2008/05/23 19:20

イベント

大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた

画像集#001のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
 ゲームポットは,同社が運営するMMORPG「ファンタジーアース ゼロ」(以下,FEZ)のオンラインPvP大会「メルファリアシャッフルトーナメント」(以下,MST)を,5月10日から5月18日までの期間で開催していた(関連記事は「こちら」)。エントリーだけでも4000名近い応募があったそうだが,抽選の結果,約2000名のプレイヤーによるワールド選抜が5月10日〜5月17日にかけて実施された。4Gamer編集部では5月18日,予選を勝ち抜いた上位6チームによる,MST本戦が進行しているゲームポットを訪問し,その舞台裏を取材してきた。

画像集#005のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
 FEZのPvP大会といえば,2007年12月の「Gamepot Festa 2007」で開催された「バンクェット 〜Decisive Battle 2007(以下,バンクェット)」が思い出されるが,基本ルールは同大会とほぼ同じだ。ただし,バンクェットが部隊(ギルド)単位での参加なのに対して,MSTは個人単位で申し込めるのが大きな特徴である。連携プレー必須のPvP戦ゆえに,かって知ったる仲間がいれば心強いのは当然だが,やはり補欠を含め10名そろっての参加というのは敷居が高い。MSTでは所属ワールド/国家別に,プレイヤーは完全ランダムな組み合わせでチームを構成するため,一人でも気軽に参加できるシステムになっていた。
 予選および決勝トーナメントは,大会専用のワールドではなく,「Felix」ワールドの闘技場を用いて行われた。バンクェットでは先に10Kill先取したチームが勝利というルールだが,今回は「リーダーデスマッチ」を採用。MSTの詳しいルールは公式サイトで確認してほしいが,リーダーデスマッチとはチーム内でランダムにリーダーが決定され,リーダーのみ敵軍を含めた全員の位置をレーダーで確認できるというルール。敵リーダーを倒すと自軍全員のHPが全回復するなどの特殊ルールも設定されていたが,誰がリーダーなのかは,基本的に味方メンバーにしか確認できない。

 決勝当日は試合内容がストリーミング配信され,FEZのプレイヤー以外でもその様子を視聴できた。Felixワールドの闘技場周辺では,自分のキャラクターを映してもらおうと,カメラ位置を追いかけて移動する一般プレイヤー達で大いに賑わっていたものだ。

MSTの進行を担当していた運営スタッフのお二人。とにかく忙しそうだったが,プレイヤー達の言動に敏感に反応し,笑みをこぼす余裕も見られた
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MTS優勝はBriahワールド,カセドリア所属チーム


画像集#006のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
 Briah代表チームとAtziluth代表チームによる決勝戦は,開始予定時刻から30分ほど遅れてスタート。双方,ウォーリアとソーサラーが主軸となっているのは変わらないが,Briah代表チームはスカウトを2名,一方のAtziluth代表チームは1名のみ採用というメンバー構成であった。
 バンクェットでの試合を振り返ると,ソーサラーは氷系スキルと,雷系スキルを組み合わせるのがスタンダードだったが,MSTの試合の様子を見ていると,「アイスジャベリン」と「フリージングウエイブ」に炎系スキル「ヘルファイア」を組み合わせたスキルセットが目についた。また,バンクェットではあまり姿を見なかったスカウトは,短剣系スキル「ガードブレイク」や「ヴォイドダークネス」と弓系スキル「エアレイド」「ピアッシングシュート」を使いこなして,味方のサポートに回っていたのが印象的だった。スカウトは,短期戦では好まれない傾向が以前はあったが,スキル調整が行われた今では,状況が変わってきているのかもしれない。

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 Briah代表チーム対Atziluth代表チームの試合は,序盤からBriah代表チームがやや優勢に。実力は拮抗していたのだが,Briah代表チームは凍結やスタンした敵への追撃や味方へのフォローがとにかく正確で,スキのないプレイにより,じわじわとAtziluth代表チームのゲージを削っていった。
 筆者はゲームポットの社内から,Briah代表チーム側の視点で試合を観戦していたため,メンバー同士の会話がこちらに聞こえていたのだが,後半は「コスト0」と報告するメンバーが3人も含まれており,もしや勝敗はPC与ダメージ合計による判定になるかも……と思うほど,お互いギリギリの攻防であった。最終的にはおよそ1ゲージ差でBriah代表チームが勝利したが,どちらが勝ってもおかしくない試合だったといえよう。
 試合終了後の両チームにはミニインタビューをお願いしたところ,快く受けてくださったので,MSTのシメとして紹介しておこう。

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Briah代表チーム ミニインタビュー


画像集#012のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
4Gamer:
 Briah代表チームの皆さん,優勝おめでとうございます。まずは一言ずつコメントをお願いします。

Briah代表01:
 本職は純短剣スカウトなんですが,どういうわけか片手をやっていました。

Briah代表02:
 練習に付き合ってくださった方に,シルバーコインでお礼ができてよかったです。

Briah代表03:
 練習付き合っていただいたVRのみんな,フレンドのみんな,ありがとうございました!

Briah代表04:
 優勝できたのも,VRのみなさんのおかげです。本当にありがとうございました!

Briah代表05:
 練習,応援してくれた方々,本当にありがとうございました!!! あ,GMさん景品に可愛い社員ください。

Briah代表06:
 みんなVR,VR言ってますが,Villager Riotというバンクチームです。VRをはじめ応援してくれた人ありがとう!

Briah代表07:
 とりあえず,この勝利を練習につきあってくれたVRの人,それに応援してくれた補欠の人,それと外の応援団のヤツらにささげます!

4Gamer:
 普段交流していない人とも組む可能性のあるMSTですが,意思の疎通はうまく図れましたか? 予選が始まる前の練習時間を合わせるのも大変そうですけれど。

Briah代表07:
 初めて会う人もいましたけれど,ボイスチャットが必要ないくらい問題なかったです。全員揃っての練習時間は丸々2週間,毎日3時間ぐらいはやりました。

4Gamer:
 ボイスチャットは今日の決勝戦でも使用していなかったんですか!?

Briah代表07:
 練習期間中に,ボイスチャットは必要ないという結論が出ましたので,決勝戦でも使いませんでした。

4Gamer:
 試合に出た7人のうち,MVPはどなたにあげたいでしょうか。

Briah代表04:
 02番さんと07番さんですね。02番さんのキルで優勝できました!

4Gamer:
 お疲れのところ,ありがとうございました。優勝おめでとうございます。


Atziluth代表チーム ミニインタビュー


画像集#013のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
4Gamer:
 大変お待たせいたしました。Atziluth代表チームの皆さん,MSTに参加した感想を一言ずついただけますでしょうか。

Atziluth代表01:
 イベント全体としては,少し盛り上がりにかけたイベントだとは思いましたが,まだ会ったことのない人とチームを組んで戦うという発想はとても面白かったと思います。

Atziluth代表02:
 ここまでこれたのはメンバー運に恵まれたおかげです。

Atziluth代表03:
 雑魚ばかりで退屈なイベントでしたが,群れるのもたまには悪くないですね。

4Gamer:
 そ,そうですね……。

Atziluth代表04:
 よかったです。

Atziluth代表05:
 二週間の間にPCが壊れそうになったり色々あったけど,知らない人と組んで楽しかったです。

Atziluth代表06:
 7人集まればここまでこれることを世間に知らしめることができました。

Atziluth代表07:
 入門イベントってことで気楽に参加したんですが,たくさん怒られました。でもとても勉強になったし,何より楽しかったです。

4Gamer:
 ちなみに今回はB鯖が優勝しましたが,実際に対戦してみて強いと感じました?

Atziluth代表02:
 思いました。

Atziluth代表07:
 強かったです。

Atziluth代表03:
 スタンへのフォローがすさまじかったね。

Atziluth代表01:
 しっかり立ち回って来るべきときにきたのもよかった

Atziluth代表04:
 堅実なカレス→バッシュがよかったんじゃないでしょうか。

Atziluth代表01:
 最後に「妻と娘に,せっかくの土曜日と日曜日をほとんどつぶしてごめんなさい。来週からは普段どおりだぜ!」と伝えてください。

4Gamer:
 家族サービスも頑張ってくださいね。遅い時間までお付き合いいただき,ありがとうございました。


MSTの手応えと反省点を

和賀潤氏/石川岳氏に聞いてみた


 優勝,準優勝チームへのミニインタビューのあと,ゲームポット企画運営チームの石川岳氏と,同リーダーの和賀潤氏にも話を聞くことができた。短いやりとりではあったが,MSTの手応えや反省点,今後の構想などについて語ってもらったので,FEZを軸とするイベント展開に興味がある人は,ぜひ目を通してほしい。

ゲームポット企画運営チームの石川岳氏(左)と,同リーダーの和賀潤氏
画像集#014のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた

4Gamer:
 お二人とも長時間のイベントでお疲れのことと思います。時間もだいぶ遅いことですし,手短に済ませますのでよろしくお願いします。まずは,無事に終了したMSTの感想をいただけますでしょうか。

画像集#015のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
和賀氏:
 MSTは,中級者向けのバンクェットには参加しづらい,あるいはゲーム中に闘技場があるのは知っているけれど,あまり利用していないというプレイヤーに,戦争以外の対人戦をもっと経験してほしい,その楽しさを知ってほしいという趣旨で開催しました。これについては,プレイヤーからの反応も好意的なものが多く,成功したかなと感じています。
 イベント進行上のトラブルもいくつかありましたが,プレイヤーの皆様に助けられつつ,良い形でイベントを開催できたと思います。前回のバンクェットに続き,今回の経験もきちんと蓄積して,次に生かせればと思います。

石川氏:
 MSTに参加できたプレイヤーには,結構楽しんでもらえたんじゃないかと思います。ただ,和賀も言っているように,課題は残りましたね。

4Gamer:
 具体的にどういった問題点が今回見られましたか?

石川氏:
 対戦中の様子をストリーミング配信した点は,臨場感が伝えられて良かったのですが,「リーダーデスマッチ」というルールで,本来見えないはずの,敵リーダーが誰かというところまで見えてしまったのは問題でした。そのほかにも,スムースな誘導ができずスケジュールが押してしまうなど,参加者の皆様にはご迷惑をおかけしました。

和賀氏:
 試合の間隔をどの程度あけたらよいか,大会ルールの整備などの細かな部分については,バンクェットでの経験がとても参考になりました。ただ,リーダーデスマッチを採用したのはこちらとしても新しい試みでして,難しい部分もありました。

4Gamer:
 MSTに関する,プレイヤーからの反響はどうでしたか?

石川氏:
 所属しているサーバーや国ごとに参加者をシャッフルしてチームを構成するという試みゆえに,新しい人と知り合うチャンスができてよかった,感動したという嬉しい意見をいただきました。一方でチームメンバーが当日あらわれず,出場条件である7人に満たなかった,あるいはなかなか全員が揃わないといったトラブルで,ストレスを感じた方もいたようです。

4Gamer:
 このイベントで初顔合わせのメンバーとなると,連絡を取り合うのも難しいですしね。年内にはもう1度ぐらい,PvPイベントができそうですけれど,今後の予定はいかがでしょう。

和賀氏:
 2度目のバンクェットの開催を予定しております。正式な告知は6月か7月ぐらいになりそうです。夏休みの時期からオンライン予選を開始して,各ワールド代表による決勝戦は,またオフラインイベントという形で行いたいと考えています。

4Gamer:
 先ほどおっしゃった通り,ギルド単位で参加するバンクェットはユーザー個々の事情でメンバーをそろえるのが難しいですよね。せっかくオフラインイベントを予定されているなら,バンクェットとMSTの同時開催なんてどうでしょう?

和賀氏:
 FEZの戦闘を,そして仲間を知り尽くした状態で参加するバンクェットと,少し敷居を下げたMSTでは大会趣旨がまったく異なりますので,同時は無理でもできれば交互にイベントを開催していきたいですね。

画像集#016のサムネイル/大いに盛り上がった「FEZ」メルファリアシャッフルトーナメント。その舞台裏や今後の課題などを取材してきた
石川氏:
 今まで闘技場の利用経験が少ない,あるいはまったくないというプレイヤーも,戦争とはまったく違う連携プレーの重要性を,MSTで体験してもらい。ぜひ次のステップであるバンクェットにも,エントリーしてほしいです。

和賀氏:
 今までボイスチャットを使ったことがないプレイヤーが,MSTを通じて初めて「チームスピーク」を導入したら楽しかった,という声も耳にしました。


4Gamer:
 ちょっと大きな話になってしまいますが,バンクェットあるいはMSTというイベントをもう少し深めて,e-sportsという形に押し上げる構想はあるのでしょうか。例えば賞金の設定や定期的な大会の開催だけではなく,公式チームや,公認インストラクターといった存在を作るですとか。

和賀氏:
 FEZは対人戦がメインのタイトルですので,そういった案も社内にはあります。ただ,現在のところe-sportsのような形態での大会運営は考えてませんね。

石川氏:
 プロ制度を設定することで,本当にFEZが盛り上がるのかという点では,逆にイベント参加へのハードルを高くしてしまいかねない,と懸念しています。

4Gamer:
 最後に,今回のMSTに参加してくださったユーザーと,SNSなどを通じてイベントを盛り上げてくれたユーザーに向けて,メッセージをお願いいたします。

石川氏:
 プレイヤーの皆様,本当にありがとうございました,と同時に,ご迷惑をおかけしました。繰り返しになりますが,イベントで起きた問題点は必ず解決策を考えますので,次回のバンクェット,およびMSTを楽しみにしていてください。

和賀氏:
 今回のMSTでは4000名のエントリーがあったものの,その半数しか大会に参加できず,申し訳ありませんでした。より多くの方が参加でき,かつ楽しめるイベントを今後も企画していきたいです。また,ゲーム自体がマンネリ化していることは我々も自覚していますので,イベントに限らず,FEZがもっと楽しくなるように運営を行ってまいります。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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