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「O2Jam」に楽曲を提供する“宇宙戦隊NOIZ”インタビュー
どうやら宇宙から遠路はるばるやってきたらしい彼ら。せっかくなので,あれやこれやと話を聞いてみることにした。讃岐うどんの起源や醤油豆の逸話を知りたい人は,ご一読を。
■悪(空腹)と戦う宇宙戦隊NOIZ
4Gamer:
こんにちは。今日はよろしくお願いいたします。
いきなりこんな質問で申し訳ないのですが,皆さんは一体,何をする方々なんでしょうか?
S@TT-ONさん:
宇宙戦隊NOIZというミュージシャンです。
4Gamer:
戦隊……なんですか?
S@TT-ONさん:
そうなんです。“隊”というのはですね,同じ目的のために集った人達のことです。戦うために集った5人組,それが我々,宇宙戦隊NOIZということになります。
4Gamer:
な,何と戦うんですか?
S@TT-ONさん:
空腹です。
4Gamer:
それは個人的な空腹ですか?
S@TT-ONさん:
それも当然,ありますね。心の空腹を,音楽でお腹いっぱいにしてあげたいなぁ,という目的もあります。で,こういう形の平和維持活動を,もう6年と10か月近くやってきています。
4Gamer:
は,はぁ。
お腹が空きすぎると,人は凶暴になっていくんですよね。食べ物を奪い合うことから,山のサルだって喧嘩を始めるわけで。それが集団対集団になり,とても恐ろしいことになっていくんです。
4Gamer:
それは確かに一理あるかもしれません。ただ,6年10か月の活動で,平和は維持できているんでしょうか。
S@TT-ONさん:
んー,まだですね。完全に悪を駆逐してしまうと,僕達の存在は必要なくなってしまうわけで。少しぐらい悪にははびこってもらったほうが,僕達も長くこの世界にいれるかなぁ,と。
4Gamer:
え,じゃあ,悪と共存共栄と?
叫さん:
なんかもう,当初の目的忘れてるよな(笑)。
4Gamer:
心の空腹は音楽で満たせるとして,身体的な空腹を満たすには,農業などのほうが重要ではないかと思うのですが。
叫さん:
農業は減反政策なんかで,勝手に縮められたりするじゃないですか。それでは世界平和につながらないわけですよ。
4Gamer:
ああ,確かに……。
S@TT-ONさん:
僕達は生まれたときから音楽家だったんです。餅は餅屋っていいますよね。僕達が農業に挑戦したところで,たいしたものは作れません。この5人の力ではどうがんばったって,1ヘクタールの田んぼを耕すぐらいで精一杯でしょう。これじゃ,食糧を世界中に行き渡らすことはできません。
地球全体には,農業や漁業の専門家がいっぱいいますから,食糧生産はその方達にお任せしようと。我々は本当に,音楽をやるしか能がないんです。まだ爪を隠していますが。
■メンバーを5本の指にたとえると……?
え。6年10か月,ずっと爪を隠していたんですか? その爪は,いつ頃見せていただけるんでしょう。
S@TT-ONさん:
12月30日(土)に,横浜BLITZでライブがあるんで,そこで小指の爪ぐらいは出そうかなと。
この5人でいうと,僕が小指的な存在なんですよ。耳をかいたり鼻をかいたり程度のこざかしい感じで。
4Gamer:
でも小指って,約束をするときなんかは,けっこう大事ですよね。
S@TT-ONさん:
そうですねぇ。失敗すると一番に切られてしまいますが。
MASATOさん:
うまいこと言うなぁ(笑)。
S@TT-ONさん:
いま,中指が動き出しましたけどね。
MASATOさん:
一応,中指が僕なんですよ。身長187cmと一番大きいんで。
S@TT-ONさん:
ちなみに,5人の中では彼がITの革命児なんですよ。
MASATOさん:
まあ,バンドの中でPCを使えるのが自分含めて2人しかいないという。
4Gamer:
S@TT-ONさんはPCは使わないんですか?
S@TT-ONさん:
そうですね。あんまりPCの操作に小指って使わないじゃないですか。
4Gamer:
むちゃくちゃ使いますよ!
S@TT-ONさん:
……Enter?
MASATOさん:
良かったなぁ,当たって(笑)。
S@TT-ONさん:
で,人差し指がTAKEswiyですね。スイッチを押すときに大事な。親指がANGEL-TAKAです。親分とか,“彼氏”とかで使われる。いわば,目印ですね。リーダーなので。
叫さん:
薬指の俺には触りすらしないんだ(笑)。
S@TT-ONさん:
いやいや,どうやってITに持って行こうか,どうやってオンラインに持って行こうか悩んでてな……。
……そういえば,皆さん色とりどりの格好ですよね。その色に理由はあるんですか?
S@TT-ONさん:
まぁ,自然とこうなったんですけどね。
4Gamer:
お好きな色なんですか?
MASATOさん:
僕は大好きな色ですね。携帯もオレンジですし。
S@TT-ONさん:
ああ,確かに自然と好きになってくる部分もありますね。ついつい,黄色に目が行ってしまうようになってるし。
4Gamer:
なるほど。戦隊って聞くと,色でキャラクターが決まっているような気がするんですよ。赤は熱血で青はクールで黄色はカレー好きかなぁ,とか。
ANGEL-TAKAさん:
カレーは僕です。
4Gamer:
ピンクがカレー……と。
S@TT-ONさん:
まあ,戦隊モノって格好いいじゃないですか。でも,大人はマネしませんよね。普通の人は恥ずかしいと思うようなことを,真面目にやっていることの面白さを重視したいなと。それで戦隊であり,色分けがありという形なんです。
MASATOさん:
だから,性格まで細かく戦隊モノに当てはめているわけではないんですよ。むしろ,「X-MEN」とか「SPAWN」みたいな,アメコミのダークヒーローのようなものをイメージしてるんです。見た目はドライでも,暗い過去を持っていたりとか。
4Gamer:
暗い過去……には触れないでおきます。
■香川県(うちゅう)には,讃岐うどんと醤油豆がある
ところで皆さんは,どこからいらっしゃったんですか?
S@TT-ONさん:
宇宙です。
4Gamer:
宇宙……の,どのあたりでしょうか?
S@TT-ONさん:
まぁ,心の宇宙……ですかね。近いようで遠いし,遠いようで近いんですよ。その辺から来ました。
4Gamer:
はぁ。でも,香川県在住なんですよね。
MASATOさん:
香川ってね,ルビを打つと「うちゅう」なんですよ。
4Gamer:
ええええっ!
S@TT-ONさん:
宇宙にはいくつもの渦巻きがあるんです。で,四国の徳島に鳴門というところがありまして,そこにまず一つ渦巻きがあります。
4Gamer:
白地にピンクの渦ですかねぇ……。
S@TT-ONさん:
さらにですね,うどんに箸を一本入れて,かき回すと渦になるわけです。そういったことを考えると,四国は宇宙であるという仮説が成立するんです。
4Gamer:
しますかね……。
S@TT-ONさん:
するんです。そう考えると,うどんもまた,宇宙なんじゃないかなと。であれば,うどんで一番有名な香川県は,当然宇宙なんですよ。
4Gamer:
は,はあ。
弘法大師ってご存じですか?
4Gamer:
え,ええ。空海ですね。
叫さん:
そう。その弘法大師が中国に渡って,一握りの小麦を持って帰ってきたんです。これを植えて小麦を作り,それを食べるときにうどんができたんですよ。讃岐うどんが,すべてのうどんの元祖なんです。
S@TT-ONさん:
つまり麺類の原点は香川県にあるということですからね。やはり,宇宙は香川県にあるんではないかなと。
4Gamer:
それで,香川在住と宇宙からやってきたというのがイコールでつながるわけですね。
S@TT-ONさん:
だからこそ,香川を捨てることができないんです。
4Gamer:
じゃあ,皆さん何かあるたびに香川県から?
叫さん:
トヨタ ハイエース 200系宇宙船で。燃費は9km/Lぐらいなんですけどね。
S@TT-ONさん:
やっぱり香川在住って気になります?
4Gamer:
申し訳ないんですが,香川と聞いて思い出すものが讃岐うどんぐらいなもので,つい気になってしまうんですよ。
S@TT-ONさん:
やっぱりそうですよねぇ。確かにうどんばかりがピックアップされがちなんですけど,醤油豆もありますよ。
叫さん:
甘辛い醤油で空豆を煮たやつで。
S@TT-ONさん:
お節料理の黒豆の,空豆バージョンみたいな感じですね。醤油豆のアイスクリームもあります。
4Gamer:
はぁ……。その醤油豆のアイスを,皆さんは毎日食べていたり?
S@TT-ONさん:
あんまり食べませんね……。
4Gamer:
そんな気はしました(笑)。
叫さん:
醤油豆っていうのはね,黒川さんのところで空豆を煎っていたときに,近くにあった醤油入りのに向けてね,空豆が「熱い熱い」って飛び込んだんです。それで出来上がったのが,黒川の醤油豆です。
4Gamer:
海に逃げた鯛焼きとはえらい違いですねぇ。
■偽物っぽい音楽で,本物を凌駕する
では,皆さんがやっている音楽についても聞かせてください。
ANGEL-TAKAさん:
コンセプトは,“Imitation PoPs”です。本物のポップスではなく,HipHop風であったりハードロック風であったりパンク風であったり,その中でどれでもない感じです。どこか偽物のようなね。
こういう偽物っぽい音楽で,本物を凌駕するというのが狙いです。そしてその音楽によって,地球の平和を守ろうと。
4Gamer:
空腹と戦いながら……ですかぁ。
ちなみに,作詞や作曲はどなたが担当しているんですか?
ANGEL-TAKAさん:
作曲は全部,MASATOがやってます。作詞はMASATOか僕ですね。
4Gamer:
一曲作るのにかかる時間はどれぐらいなんですか?
MASATOさん:
作る気になったら5分ぐらいですね。一回弾いたらそれでできあがりっていう。
4Gamer:
え,そんなに短いものなんですか!
これまでに,とくに影響を受けてきたミュージシャンやアーティストなんているものなんでしょうか。
MASATOさん:
何か一つというのは,とくにないですね。すべての音から影響を受けてると思うんですよ。好きな音や嫌いな音,頭の中で勝手に聞こえてくる音も含めて,すべてがプレイや言葉に反映されていますね。
4Gamer:
ああ,なるほど。
MASATOさん:
音楽に限らず,自分の中に明確なイメージが浮かんだときに,作品って出来上がるものだと思うんですよね。
4Gamer:
イメージが明確になるきっかけみたいなものはあるんですか?
MASATOさん:
きっかけ……は,とくにないですね。
4Gamer:
では,曲を作るのが日常みたいな感じなんでしょうか。
MASATOさん:
そんな感じですかねぇ,最近作りすぎて困っていたりはするんですけど。締め切り決めたら,そこまでに作れると思いますよ。
でもやっぱり一番面白いのは,作曲をしたあとにメンバーでいじくり回していく過程なんですよ。ハリボテから綺麗な人形になっていくというか,人格を作り上げていくというか。
4Gamer:
そういう意味では,バンドという形態をとっているからこそ。
MASATOさん:
面白いものができるんです。
■ゲームも音楽も世界共通で楽しめる
今回O2Jamに楽曲を提供する意図を教えてください。
S@TT-ONさん:
最近ではオンラインゲームで遊んでいる人が,とても多いということを知ったんですよ。そんなオンラインゲームの世界でも,我々の音楽によってみんなの飢えた心を満たしてあげたいな,と。
4Gamer:
ああ,なるほど。
S@TT-ONさん:
僕達は音楽をやっていますから,音+ゲーム……となると“音ゲー”,つまりO2Jamであると。それで,僕達の必殺技(曲)「ORANGE GRADATION」を提供させてもらった次第です。
ゲームというのは全世界共通ランゲー……ジ?
叫さん:
ランゲージではないな(笑)。
S@TT-ONさん:
世界共通の娯楽だし,音楽も世界共通で楽しめるということで,非常にコンセプトが,同じベクトルで……ヘキサゴンが?
4Gamer:
ヘ,ヘキサゴン? 六角形ですか?
S@TT-ONさん:
うーん……。なのでまあ,友好的に同じ目的に進めるんじゃないかなということもあって,こういう企画になったんですね
4Gamer:
ゲームと音楽でお腹いっぱいになっちゃえよ! と。
S@TT-ONさん:
ええ。過去にですね,マリー・アントワネットさんがですね。
4Gamer:
パンがなければ?
S@TT-ONさん:
お菓子を食べればいいじゃない! って言いましたように。ゲームをやればいいじゃない! と。
一同:
(笑)。
S@TT-ONさん:
そう思ったんですね。歴史に残れるかなぁ……。
4Gamer:
どうでしょう……。
えーと,O2Jamをプレイした感想も聞かせてください。
S@TT-ONさん:
O2Jamに触れてみて,ゲームを好きな人の気持ちが分かったんですよ。クリアできないことの悔しさ,それをクリアしてやろうという向上心,クリアできたときの達成感。これがいいものなんですね。本来,人間っていうのは向上心の塊ですから。
お,鋭いですねぇ。
そういえば楽曲以外にも,皆さんの衣装をモデルにしたアバターアイテムも実装されるんですよね。
TAKEswiyさん:
ええ。ゲーム内マネー「♪」で,僕らの衣装のアバターアイテムも買えるようになるんです。だから,ぜひ♪をためて,宇宙戦隊になってもらいたいですね。衣装も実装してもらえるという話を聞いたときは,凄く嬉しかったんですよ。
4Gamer:
皆さんのファンにとっても,同じ衣装を着れるっていうのは嬉しいことですよね。
MASATOさん:
でもね,まんまコピーするんじゃなくて,アイテムを組み合わせて,むちゃくちゃなコーディネイトも楽しんでほしいです。
TAKEswiyさん:
以前の衣装なんかも,どんどん追加されるといいなぁ……。
4Gamer:
ちなみに楽曲も第一弾の「ORANGE GRADATION」だけでなく,追加される予定だとか。
TAKEswiyさん:
ええ。初心者から上級者まで楽しんでいただけるように,いろんな曲を提供できるといいですね。
4Gamer:
楽しみにしています。
ところでS@TT-ONさんのお話を聞いてふと思ったんですが……,皆さんゲーム自体をあまりやらないんですか?
ANGEL-TAKAさん:
ゲームをする機会も興味も,正直なところあんまりなかったんです。でも,遊んでみたら,楽しいなって思いました。「趣味:ゲーム」って言おうかなぁぐらいに。
4Gamer:
というと,これまでまったくゲームをやってこなかったんですか?
ANGEL-TAKAさん:
子供の頃はやってましたけどねぇ。「スターソルジャー」とか,格闘ゲームとか。あ! やっぱ親指で連射してました!
MASATOさん:
僕は中指だったけどね。
TAKEswiyさん:
人差し指。
叫さん:
俺は薬指。
S@TT-ONさん:
俺は小指だったねぇ。
ANGEL-TAKAさん:
それでこの5人が集まったのか!
4Gamer:
おあとがよろしいようで。
なお,インタビュー中でも触れている「ORANGE GRADATION」は,明日(10月26日)に,O2Jamに実装される。価格はなんと「0 GASH」だ。ちなみに,同曲のSHD(スーパーハード)版も同時に実装されるが,こちらは「5万♪」と交換可能になっている。
また,オリジナルアバターや,さらなる楽曲は,11月以降に追加される予定だ。今回のインタビューを読んで,宇宙戦隊NOIZに興味を持った人は,まずはO2JamでORANGE GRADATIONをプレイしてみよう。ちなみに宇宙戦隊NOIZは,10月末にアメリカでのライブ,11月後半から12月30日(土)まで全国ツアーを行う予定。ライブに足を運んでみようという人は,スケジュールなどを彼らの公式サイトでチェックしてほしい。(TeT)
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