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プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
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印刷2011/08/25 00:00

インタビュー

プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた

 ハンゲームでサービス中のオンラインFPS「SPECIAL FORCE」では,2011年4月にプロゲーマー制度が立ち上げられた。プロゲーマーというと,デバイスメーカーからスポンサードされたり,あるいは各種大会で上位入賞して賞金を得たりというイメージがあるかもしれないが,この取り組みは,ハンゲームを運営するNHN Japanがプレイヤーと契約し,専属選手として起用するという形式である。

左から佐野 亘氏,高橋“SpyGea”恵選手,Yuti選手
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 今回4Gamerでは,SPECIAL FORCEのプロゲーマーである“Yuti”こと荒木佑介選手と,“SpyGea”こと高橋 恵選手,そしてSPECIAL FORCEプロデューサーの佐野 亘氏に,プロゲーマーとは普段どのような活動をしているのかを教えてもらうとともに,2011年秋から開催されるSPECIAL FORCEの世界大会に向けた意気込みなどを聞いた。

「SPECIAL FORCE」公式サイト

ハンゲーム初!!プロゲーマーデビュー!!



プロゲーマーの条件は「ゲームがうまいこと」
「カリスマ性」そして「将来のビジョン」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,なぜSPECIAL FORCEにプロゲーマー制度を導入したのか,そもそものお話から聞かせてください。

画像集#002のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
佐野 亘氏(以下,佐野氏):
 いろんなところで何度かお話しさせていただいているのですが,第一には,日本でオンラインFPSを盛り上げていきたいという気持ちがありました。とくに2009年に行われたSPECIAL FORCE世界大会で台湾を訪れたときに,e-Sportsが普通に受け入れられていて,プロゲーマーが社会に溶け込んでいることに私は感銘を受けたんです。それ以来,もし日本で同じことを実現できたら,オンラインゲーム業界,ひいてはゲーム業界全体にいい影響があるんじゃないかと常々考えていました。
 それに台湾のプロゲーマーは,非常にイメージがいいんですよね。一つのことに打ち込んで,勝利を目指すという姿勢がはっきりしていて,まさにスポーツ選手なんです。日本では,オンラインゲームというとネガティブなイメージが付きまといがちですが,決してそんなことはないということを示したかった,という思いもありました。

4Gamer:
 今回,ここにいるお二人をプロゲーマーに起用したのは,やはりSPECIAL FORCEの世界大会に,日本代表として連続出場した実績があるからですか?

佐野氏:
 ええ。SPECIAL FORCEで強くなければならないというのは,必須条件です。加えてYutiは2008年から3年間,リーダーとして日本代表チームを引っ張ってきました。私は3年間,彼が成長する様子を間近で見てきましたし,また彼のSPECIAL FORCEに対する情熱には並々ならぬものがあると理解しています。
 SpyGeaは,2009年から日本代表チームに参加しているのですが,ご覧のとおり,非常に背が高いので,台湾の人達の印象に残ったようなんです。今でも台湾では,SPECIAL FORCEの日本代表として名が通っているんですよ。
 今回,この二人をプロゲーマーに起用したのは,実力とスター性/カリスマ性を考慮したうえでのことなんです。また彼ら二人が,将来はオンラインFPSのインストラクターを仕事にしたいと話していたことも,理由の一つです。

4Gamer:
 なるほど。やはりプロともなると,ただゲームがうまいだけではなく,資質や将来のビジョンを持っているかどうかも重要なんですね。
 それでは,あらためてお二人に自己紹介をお願いしたいのですが。

画像集#004のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
高橋“SpyGea”恵選手(以下,SpyGea選手):
 オンラインゲームには中学生の頃から親しんでいて,最初はMMORPGを遊んでいました。ただ,MMORPGはどうしても時間に拘束されがちなので,次第にアクションゲームをプレイするようになっていったんです。その流れで,当時オープンしたばかりのSPECIAL FORCEを触ってみたのですが,クランチャットなどを通じて,今まで遊んできたタイトル以上にコミュニティの繋がりを感じました。それ以来,ずっとSPECIAL FORCEをやっています。
 2009年の日本代表チーム「Racpy」に参加したきっかけは,とある事情でスナイパーに欠員が出たからなんです。これはチャンスだと思い,応募して試験を受けました。

4Gamer:
 それでは,Yuti選手も自己紹介をお願いします。

Yuti選手:
 もともとはスポーツ少年で,小学生時代は空手をやっていて黒帯を獲得しました。並行して野球もやっていて,関東大会に2回出場したことがあります。中学生になってからは野球を続けて,クラブチームのキャプテンでピッチャーを務めていたのですが,遊んでいる最中に肩を痛めてしまったんです。それでピッチャーを続けるのが難しくなってしまったとき,オンラインゲームと出会いました。野球をやめざるを得なくて,時間ができたのでゲームに熱中してしまって,とあるMMORPGでは職業別ランキングの2位になるほどやり込みました。
 ところがある瞬間,MMORPGへの熱がなぜか冷めてしまったんです。あてもなくネットを徘徊しているうちに,SPECIAL FORCEの存在を知り,今までずっとやっています。

4Gamer:
 FPSをプレイしたのは,SPECIAL FORCEが初めてだったんですか?

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Yuti選手:
 はい。友達とNINTENDO64の「ゴールデンアイ 007」を遊んだりしたことはありましたが,オンラインFPSは初めてでした。
 SPECIAL FORCEでは,クランで皆と一緒にプレイしていくうちに,その競技性の高さに気付いたんです。それまでやってきたスポーツと通じるものがあったので,これは楽しいと夢中になりました。
 そして2008年,SPECIAL FORCEで世界大会が開催されると聞き,その時点では解散状態にあったクランのメンバーを再結集して,予選を勝ち抜き日本代表になりました。しかし,世界大会では7か国中5位という成績で,世界の壁の厚さを思い知らされることになったんです。そこで2009年に,世界を目指すチームとしてRacpyを結成しました。Racpyは2009年の世界大会で準優勝を果たしましたが,2010年は再び5位という結果に終わってしまいました。現在は,Racpyのメンバーを中心に再編成したUHS Athleteというクランで,世界を目指しています。

4Gamer:
 これからプロゲーマーを目指すという人のため,参考までに生年月日を教えてもらえますか?

SpyGea選手:
 1989年11月26日です。今年で22歳になります。

Yuti選手:
 1990年12月31日です。

4Gamer:
 お二人とも,10代前半でオンラインゲームと出会い,10代中盤にはSPECIAL FORCEをはじめ,20歳前後でプロゲーマーになった,と。
 それでは,NHN Japanからプロゲーマーにスカウトされたときのことを教えてください。

Yuti選手:
 正直なところ,最初は「何これ?」とは思いました(笑)。本当にびっくりしたんですが,あらためて文面を読み直して,すぐに承諾の返事をしました。まったく迷いませんでしたね。

SpyGea選手:
 自分も迷いませんでした。専門学校を卒業するか辞めるかというところでは,いろいろ考えましたけれど。

佐野氏:
 当時,SpyGeaは仙台の専門学校に通っていたんですよ。それで専門学校を辞めて東京に出てくるという,結構大きな選択をしてもらったんです。


NHN Japanではスタッフの一人として
プロゲーマー企画の立案と出演をこなしている


4Gamer:
 普段のお二人はSPECIAL FORCEをプレイするだけでなく,NHN Japanのスタッフとして日々の業務をこなしているわけですよね。

SpyGea選手:
 はい。普段は,Ustreamの生放送番組やネットカフェで開催する講習会などの,プロゲーマーに関する企画業務に携わっています。

4月13日に行われた「第3回 秋葉原 PCゲームフェスタ」の「スペシャルフォース ゴールデンカップ2011」が,2人のプロゲーマーデビュー&お披露目会となった
画像集#014のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた

佐野氏:
 番組/講習会の台本作りや進行は,すべて二人に任せています。あとはブログやTwitterを介して,イベントのレポートを公開したり,SPECIAL FORCEに対するお客様の意見を募ったりしています。

4Gamer:
 プロゲーマーとして,一定以上の腕を保つということも業務の一つなんですよね?

SpyGea選手:
 もちろんです。そこで毎日,夜中にクランメンバーを集めて練習をしています。

Yuti選手:
 もし負けたら,「プロゲーマーなのに……」といわれてしまいますからね。

4Gamer:
 NHN Japanでは,どんな業務を行っているのか具体的に教えてください。

SpyGea選手:
 まずは毎月第1水曜日に配信している生放送です。この番組では対戦時のテクニックをはじめ,SPECIAL FORCEのさまざまなや情報を発信しています。最近では,生放送中に映画「メカニック」とのタイアップイベントを実施しました。

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Yuti選手:
 同じく月イチで,秋葉原のアイカフェさんにて“プロゲーマーとアイカフェで遊ぼう”,略して「PIA」という講習会を開催しています。そこでは,お客様にSPECIAL FORCEのテクニックを伝授するほか,一緒に対戦したりしています。講習会のあとでは,お客様と記念撮影をして,その写真にサインを入れることもやっています。

4Gamer:
 講習会に集まってくる客層は,どんな感じなんですか?

Yuti選手:
 中高生が中心です。とくに中学生が多くて,親御さんが一緒に付いて来たりするケースもありますね。

佐野氏:
 そのほかの活動として,2011年7月16日に,日本サーマルティクさん主催のイベント「GamingField」に参加して,台湾のプロゲーマーと対戦しました(※下のリンク先参照)。そこでも中高生を中心にしたお客様にたくさん集まっていただけたんです。プロゲーマーは,中高生から見ると憧れの存在なんだろうなという印象がありますね。
 また,2011年8月6〜7日に台湾で開催された,「SF CLASSIC」というSPECIAL FORCEのミニ国際大会にも参加しました。これは,必ずしもプロゲーマーとして参加したわけではないのですが,それでもプロを名乗るのに十分な成績を収めたといえます。

台湾プロゲーマーが来日したTt eSPORTSの秋葉原イベントで,Thermaltakeの本気を見た


4Gamer:
 お二人がプロゲーマーとして活躍したり,あるいはプレイヤーと触れ合ったりすることで,SPECIAL FORCEの登録会員数や同時接続者数などの数字に影響はありましたか?

佐野氏:
 うーん,全体的な継続率は上がっていますが,そのほかの要因もありますので,プロゲーマー企画の効果がどのくらいあったかというと,正直なところ判断が難しいです。
 ただ,生放送の視聴者数は着実に上がっていますので,彼らの姿を見たいというお客様の数が増えている実感はあります。なので今後,登録会員数や同時接続者数に結果が表れるのではないかと期待しています。

4Gamer:
 実は,女性プレイヤーの数が増えているという結果が出ていたら面白いと思ったのですが。

佐野氏:
 そういう話なら,二人とも台湾には女の子のファンがたくさんいるんですよ。日本では,本当に中高生男子が目を輝かせながら尊敬の眼差しで見つめているという感じですね。

画像集#008のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
SpyGea選手:
 ゲーム内で練習していると,中高生のプレイヤーが「自分もプロゲーマーになりたい」と言っているのを結構聞きます。そういった若い世代がプロゲーマーを目指せるよう,自分達が頑張って地位を確立しなければならないという責任を感じます。,

Yuti選手:
 プロゲーマーになってからは,他社さんのオンラインFPSプレイヤーからデバイスについて質問される機会が増えました。「今度,SPECIAL FORCEを始めたんで,いろいろ教えてください」という人も増えていて,非常にうれしいですね。

4Gamer:
 お二人は,SPECIAL FORCE以外のFPSもプレイするんですか?

Yuti選手:
 今だと「Counter-Strike 1.6」とTPSの「Team Fortress 2」をやっています。FPS/TPS以外なら,ハンゲームの「TERA」を始めました。

SpyGea選手:
 自分はSPECIAL FORCEのみです。

佐野氏:
 SPECIAL FORCEはWorldCyberGames2011(WCG2011)の種目に選ばれていますから,まずはその出場権を獲得するために,ほかのタイトルのプレイを控えているという事情があるんです。とくにFPSの場合,タイトルごとに癖があるので,SPECIAL FORCEに集中したほうがいいんじゃないかと考えています。

4Gamer:
 ちなみに,ハンゲームのほかのタイトルで,プロゲーマー制度を導入する予定はあるんですか?

佐野氏:
 今のところはSPECIAL FORCEのみです。まだ始まったばかりの制度ですし,各タイトルで活躍できる選手を育成するには,それなりの期間が必要ですから。2010年の世界大会で優勝した韓国チームのリーダーは,もう6年以上もSPECIAL FORCEをプレイしていて,サービスが完全に終了するまで続けたいと宣言していましたよ。ここにいるYutiとSpyGeaからも,同じくらいの情熱を感じますね。


世界の頂点を目指すには弱点の克服から
NHN JapanとSFプレイヤーのサポートも重要に


4Gamer:
 WorldCyberGames2011もそうですが,その前に2011年にもSPECIAL FORCEの世界大会があって,さらのその前には日本代表を決める予選がありますよね。お二人は,日本代表に確定しているのですか?

画像集#011のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた

佐野氏:
 いえ,e-Sportsなので,専属プロゲーマーといえど,実際に勝たなければ日本代表にはなれません。そこは二人にも覚悟してほしいですね。

Yuti選手:
 ここ最近,日本代表の座を狙える強いチームがたくさん出てきていますから,これまで以上に気を引き締めなければならないでしょう。とはいえ全体の勝率でいえば,僕らは90%以上をキープしているので,負けるつもりはありません。実力では間違いなく僕らがトップですから。

4Gamer:
 勝率90%以上をキープって……さすがとしか言いようがありませんね。

SpyGea選手:
 自分達は,UHS Athleteではすでに日本代表決定戦のシード権を獲得しているのですが,そうなると気が緩んでしまいがちです。気を緩めることなく練習していけば,まず負けることはないでしょう。

4Gamer:
 頼もしいですね。それでは,その先の世界大会はどうでしょう?

2009年の世界大会で準優勝を果たした日本代表
画像集#013のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた

Yuti選手:
 先日の台湾遠征で,僕らは台湾のプロゲーマー達にも通用するという実感を得ました。今度の世界大会の目標は,やはり優勝です。世界大会には8か国が参加し,予選で4か国ずつリーグ戦を行い,それぞれのリーグの上位2か国が決勝トーナメントに進出できるんです。まずは決勝トーナメント進出を果たし,韓国や台湾といった強豪を倒して,優勝を目指します。

4Gamer:
 やはり韓国は強いですか。

Yuti選手:
 圧倒的ですね。次が台湾,その次がタイです。僕らは今までタイと2戦してどちらも負けているので,今度は勝ちたいですね。

4Gamer:
 世界大会に向けて,乗り越えなければならない課題があるかと思うのですが。

Yuti選手:
 台湾遠征で,韓国代表のリーダーから指摘されたのですが,僕らは連携がまだまだだし,投擲物の処理などが雑なんです。また作戦も単調だと指摘されました。日本では通用する作戦でも,韓国相手だと完全に読まれてしまって先回りされ,何もできないなんてことが多々ありましたし。
 その反面,反射神経やエイミングに関しては「かなり良い」とも言ってもらえたので,日本代表決定戦までに,短所を全部克服するつもりです。

4Gamer:
 例えば,合宿練習はしないんですか? 韓国をはじめ,海外の強豪チームは合宿などを通じて,普段の生活から連携を強めるようなことをしていますよね。

Yuti選手:
 やりたいのは山々なのですが,僕達二人以外のメンバーはプロではないこともあり,なかなか実現が難しいというのが実情です。残りのメンバーは,京都と九州に住んでいるんですよ。

4Gamer:
 なるほど。そういえば,なぜ今回,二人だけをプロゲーマーに起用したんでしょう? 世界を目指すなら,チーム全員がプロゲーマーのほうが望ましいんじゃないか,とも思うのですが。

画像集#007のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
佐野氏:
 確かにそのとおりです。他国のチームと話しをすると,「なぜ二人だけなんだ?」と不思議がられますし。
 これは,まだ私一人の構想に過ぎませんが,段階的にプロゲーマー枠を広げたいと考えているんですよ。今は二人ですが,次の段階ではチームが編成できる5人に増やしたいですね。しかし1チームだけでは対戦練習ができませんから,その次でもう5人増やすといった感じです。
 台湾では,寮を持っているプロチームもあるんですよ。この前,視察したWayi Spiderというチームの寮はすごかったですね。寮の1階では,TシャツなどWayi Spiderのグッズを販売しているんですが,下をのぞくと,地下でWayi Spiderの選手が練習している様子が見られるんです。将来的には日本でも,そういったことをやりたいのですが,実現にはいくつもの課題をクリアしなければなりません。

4Gamer:
 例えば,合宿だけでも実現できれば,海外の代表チームに勝てる見込みは増えるでしょうか?

Yuti選手:
 うーん,やっぱり寮で寝起きからともにしているチームと比較してしまうと,短期間の合宿では,どうしてもやれることに限界があります。長期間の積み重ねこそが大事だと思います。
 また大会によっては,日本ではあまりプレイされていないマップが選択されてしまうケースもあるんですよ。今でこそ,プレイヤー主催の大会でも世界大会を意識したマップ選びがなされていますが,以前はそんなことは全然ありませんでしたから。そういうマップの作戦を立てるのは,非常に苦労しましたね。

佐野氏:
 日本のSPECIAL FORCE全体で,より世界大会を攻略する意識を高めていけば,優勝を狙える可能性が高まるはずなんです。

4Gamer:
 実際,以前より世界大会に向けた意識が高まっている実感はありますか?

Yuti選手:
 2009年の世界大会準優勝で,一気に高まりましたね。プレイするマップの選択に変化が見られるようになったのも,そこからですし。

佐野氏:
 運営チームの方針も,その頃から世界大会と同じアイテム仕様を導入したりと,世界大会を意識しています。

4Gamer:
 それでは,2011年の世界大会に向けたスケジュールなどを教えてください。

画像集#012のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
佐野氏:
 まず日本代表決定戦を,10月2日に原宿で開催します。続いて世界大会が,11月5〜6日にインドネシアで開催されます。実はインドネシアでは,これからサービスが開始される予定になっていて,サービス開始イベントのひとつとして世界大会が実施されることになりました。

4Gamer:
 サーバーはどこの国のものを使うんですか?

佐野氏:
 SPECIAL FORCEの世界大会では,例年,世界大会の専用サーバーを用意します。各国でサービスの内容が少しずつ異なるので,国によって有利不利がでないようになっています。

4Gamer:
 毎年,観客はどうなっているんですか? 各国から応援に駆けつけるのでしょうか。

佐野氏:
 台湾も韓国も,基本的に開催国の人が多かったようです。そうなると,サービス開始直後のインドネシアではどうなることやら……。

4Gamer:
 逆に考えると,参加国すべてがアウェーみたいな感じになりそうですね。

佐野氏:
 かもしれませんね。そして世界大会のあと,WCG2011が韓国・釜山で12月9〜11日にかけて開催されます。出場チームは,世界大会の日本代表チームと同じですが,これはWCG2011の参加申請を10月中に行わなければならないという事情からです。

4Gamer:
 なるほど。一ゲームファンとして,日本代表チームの活躍を応援させてもらいます。それでは最後に,お二人のファンやプロゲーマーを目指す人に向けて,メッセージをお願いします。

SpyGea選手:
 自分は最初,プロゲーマーなんて目指していなくて,ひたすらSPECIAL FORCEを楽しんでいました。ゲームの中でトップに立ったとき,初めてSPECIAL FORCEに関わる仕事をしたいという意識が芽生えたんです。そうなると行動力も生まれて,ただ楽しむだけでなく,次はこうすれば勝てるんじゃないか,といったことも考えるようになりました。もしプロゲーマーを目指すのであれば,そういった意識を持つことから始めるといいんじゃないでしょうか。
 また,自分達UHS Athleteは,10月の日本代表決定戦に出場します。会場に来られる方はもちろん,そうでない方も生中継を予定していますので,ぜひ当日,応援をお願いします。

Yuti選手:
 日本代表決定戦は,ずっと秋葉原で開催されていたのですが,2011年は原宿だそうです。いつもとは少し違う雰囲気になりそうなので,可能ならぜひ会場に足を運んで,UHS Athleteを応援してくださるとうれしいです。
 またゲーム内では,プロゲーマー志望者からたびたびデバイスに関する質問をされます。今度,公式ブログにどんなデバイスを使っているかを掲載しておきますので,参考にしてください。そのほかの質問も,ブログでコメントしてくだされば可能な限り答えますので,ぜひチェックしてみてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


画像集#015のサムネイル/プロゲーマーって普段は何をやってるの? 率直な疑問を「SPECIAL FORCE」専属プロゲーマーの2人に聞いてみた
 プロゲーマーというと,日々ゲームプレイに没頭し腕を磨いているイメージがあるかもしれないが,実はその卓越したテクニックをもって多くの人にゲームの魅力を伝え,ひいてはゲーム人口の拡大に貢献するという役割をも担っている。ゲームの上手さは,プロゲーマーの条件の一つでしかないのだ。
 今回のインタビューからは,二人の若きプロゲーマーが,その自覚を持ってNHN Japanの業務に取り組み,さらにはSPECIAL FORCE世界大会の優勝を目指している様子がうかがえるのではないだろうか。

 SPECIAL FORCE限定のプロゲーマー制度はまだ始まったばかりだが,佐野氏の中では,すでに規模を拡大する構想も芽生えているようだ。Yuti選手,SpyGea選手の今後の活躍に注目するとともに,NHN Japan初のプロゲーマー制度の,今後の発展にも期待したいところである。

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