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[E3 2006#165]2K Gamesの「Prey」はマルチプレイのみの展示
また,ところどころにワープポイントが出現し,そこからワープ先の様子が覗けてしまうのもユニークだ。まるで“どこでもドア”のようである。
などと書くと,おバカっぽいアクションなのかな,と勘違いする人もいるだろう。監修に当たっているのが,世紀の問題作「Duke Nukem 3D」を作った3D Realmsと聞けば,なおさらだ。だが,シングルプレイのストーリーラインはきわめてダーク/シリアス。
主人公はチェロキー族の血をひく自動車修理工トミー。彼はインディアン居留地から外に出ることもなく,やや憂鬱な日々を送っている。しかしそれも,彼が仲間と共に巨大な宇宙船にさらわれてしまうまでの話だった。トミーは自分自身のため,そしてガールフレンドのため,さらには地球全体のために戦いを始める,というのがオープニング。
ゲームは,マルチプレイデモの舞台でもあった,巨大宇宙船の中で進んでいく。そこは,前述のように重力が一筋縄ではいかない状態になっており,また,あちこちに罠があって非常にやっかいな場所だ。写真からも分かるように,全体に「エイリアン」でおなじみの,H.R.ギーガー描くところの,生体と機械が融合したような不気味なデザインだ。なにせ,この宇宙船は“生きて”いるのだそうである。
孤立無援で戦うトミーを助けてくれるのは,チェロキーの血に流れるスピリチュアルパワー。それがどんなものであるのか,具体的にはまだよく分からないが,戦いの中でそのパワーが目覚め,自動車修理工のトミーがたくましい戦士になっていくのだそうだ。
物語のベースには,チェロキー族の神話が使われ,それは自己犠牲,愛,そして責任といったテーマを語る。そして,そうした精神性の高さが,Preyとほかのゲームとの大きな違いの一つだとしている。
すでに多くの写真がメディアに公開され,昨年4Gamerに掲載したムービーにもかなりの情報が盛り込まれているが,マルチプレイのプレイ感やグラフィックスは,昨年とあまり変わらない印象。もちろん,「DOOM 3」の描画エンジンを使ったそれはきわめてハイレベルで,現在でも一級品と言える。とはいえ,全体にもうちょっと進んだ情報公開があるのではないかと期待していた我々にとっては,やや肩透かしな感じ,なきにしもあらずだ。
Quakeキラーとして1995年ごろからスタートしながら,やがてうやむやのままに姿を消し,昨年,突然復活が宣言されたというユニークな経緯を持つだけに,まさかまた……,なんてことはないと思うが,できるだけ早い発売を望みたい。(松本隆一)
- 関連タイトル:
PREY -プレイ- 日本語版
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