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[GC 2007#049]DiabloタイプRPGの本命となるか。いよいよ完成が見えてきた「Sacred 2」
さて,そんな超名作であるからには当然,Diablo登場後は似た作品がたくさん作られた。以前こそ玉石混淆の感はあったものの,徐々に魅力的なタイトルの割合が増えてきて,今や純粋に,一つのジャンルとして捉えることまでできるようになった。なお,比較的最近のゲームでは,「タイタンクエスト」「Loki」「Silverfall」「Numen」が,このタイプのゲームといえるだろう。
こういったDiabloタイプゲームの中でも1,2を争うヒットを記録したのが,Ascaron Entertainmentが2004年に発売した「Sacred」だ(日本では,追加データをセットにして日本語化した「セイクリッド プラス」が2005年に発売されている)。ヨーロッパを中心にヒットした本作は,全世界で185万本以上の売り上げを記録。多くのゲームメディアから,2004年のBest RPGに選ばれている。
前置きが長くなったが,この記事で紹介するのはそのSacredの続編,「Sacred 2: Fallen Angel」(以下,Sacred 2)である。本作がゲームショウに出展されるのはこれが初めてではないが,今回は,これまでになく大々的に展示されていた。なんと,わざわざGC専用のバージョンが作られ,1日に数回,16人が参加するマルチプレイ対戦が行われていたのだ。というわけで,筆者も並んで,参加してみた。
■マルチプレイ対戦に参加してみた
Sacred 2でプレイヤーが選択できるキャラクターは,Seraphim,Inquisitor,Shadow Warrior,High Elf,Dryad,Temple Guardianの6種類。この対戦では,そのうちのInquisitorとTemple Guardianを除く4種類のキャラクターが使えるようになっていた。
ただ,極力フェアに戦えるようにだろうか,その能力などは4種ともすべて同じになっていたようで,左クリックで移動/攻撃はいいとして,右クリックでは必ずファイアーボールの魔法が出たのは少々残念。もちろん製品版では,好きな魔法/スキルを登録できる。
さて筆者は,4種の中では唯一の男性キャラであるShadow Warriorを選び,しばらくしてゲームスタート。この対戦は二部構成で,最初の5分程度は全員が同じマップに入ってのPvE(対モンスター戦)となった。ここでは,倒したモンスターの数や,獲得したアイテムによって,最終的な順位を決めるためのポイントがカウントされるという。
ちなみに筆者は,セイクリッド プラスをプレイした経験があるのだが,2Dから3Dへとなったグラフィックスは,当然ながらずいぶんと見栄えが良くなっていた。とくに植物が良い感じで,草が生い茂っている感じがよく出ていた。
ところが,その草のためか最初は道がよく分からず,スタート地点付近を右往左往してしまう。もっとも,道がよく分からないのは筆者だけだったようで,気づいたら一人スタート地点に取り残されてしまっていた。ようやく橋を見つけてほかの参加者達に追いついたときには,周りはみんなすでに何体ものモンスターを倒したあと。そこで,(ほかの参加者と奪い合いになりそうな)近くのモンスターは狙わず,あえて遠出してみることに。
この作戦はうまくいき,しばらくモンスターに囲まれながらも,順調にKill数を稼げた。ちなみにこのとき出現したモンスターは,ゴブリンと思われる小さな人間型種族と,オオカミ系,そしてクマ系だ。こちらもおそらくGCでの対戦専用の仕様だろうが,それほど苦労せず,左クリックでの攻撃を3,4発当てるか,連発はできないファイアーボールを1,2発当てれば,大抵のモンスターを倒せた。
ちなみに,筆者のプレイにおいてモンスターがドロップしたのは,お金が何度かと,鎧が1回,そしてRed Bull(レッドブル)が1回だ。Red Bullってどんなポーション? と考えてしまう人もいるかもしれないが,これは日本でも発売されている清涼飲料水のこと。それがそのままの見てくれで,アイテムとして出現したのだ。ただし,これはあくまでGCでの展示専用のアイテムとのことだ。安心したような,残念なような。
そしてしばらくして,第二部に移った。今度は,PvP(対人戦)である。
見た目こそ違うが,キャラクターの性能は,この対戦ではどれも同じになっていたと思われる。そのため,1対1で戦っても,ほかの参加者に漁夫の利を得られるだけだ。そこで多くの参加者は,基本的に逃げ回りながら,ときどきほかのキャラクターに攻撃を加えてすぐ離脱,という戦術を採っていた。かくいう筆者も,ヒットアンドアウェイで戦っていたのだが,結局最後まで,一人も倒せなかった気がしないでもない。
ところが,意外なことに最終結果は2位と,まずまずの成績に。中途半端と言えばそのとおりだが,なんとか日本には帰れそうである。
■開発者に色々と聞いてみた
なお,Sacred 2の基本中の基本は,2006年のE3での記事で確認してほしい。
まずは,シングルプレイに関して。本作のキャラクターは必ず,GoodとEvilのどちらかに属している。そしてこれまでに明かされている情報によれば,GoodとEvilとでは,ストーリー展開が大きく変わってくるという。
実際にどれだけストーリーが違ってくるのかとBalster氏に聞いてみたのだが,厳密にいえば,ストーリーは二つではなく,10個あるとのこと。つまり,Good/Evilの属性が固定された2キャラクター分と,残る4種のキャラクターごとにGoodのストーリー,Evilのストーリーがあるため,2+4×2で10種類というわけだ。
なお本作では,前作同様に,スタート地点からしてキャラクターの種類ごとに異なる。世界としては同じ場所であるため,10のストーリー(とその舞台)はところどころで重なるものの,全体から見ればまったくの別物。つまり10回は新鮮な気持ちで遊べるというわけである。
続いて,ストーリー一つにつき,クリアまでにどれくらい時間がかかるのかと聞いてみたが,ミッション(クエスト)が現時点で600以上あり(!),それらが複雑に絡み合っているため,プレイの仕方次第で大きく変わってくるとのことだった。
マップはランダム生成ではなく固定のもの。マップ固定タイプだと,フィールド上のモンスターを一度倒すと,リスポーン(再出現)しない仕様になっているゲームも以前は多かったが,本作では時間が経つとリスポーンする。延々とアイテム探しや経験値稼ぎを狙いたい人もご安心を。
モンスターの数は,200種類以上。ただし,皮膚の色の違うバージョンを出す,なんてことをすれば追加は簡単とのことで,製品版ではもっともっと多くなっているかもしれない。
マルチプレイ用のモードは,PvP,PvE,そして今はまだ秘密というフリープレイモードの三つが準備されているという。
先述したように,本作ではキャラクターの種類/属性によってストーリーが違い,それに伴ってスタート地点から攻略ルートまで変わってくる。そのため,PvEではどうすればいいのかと一瞬疑問に思ったが,これは単純に,ホスト役となったプレイヤーのキャラクターのストーリーが展開するだけとのこと。つまりマルチプレイを利用すれば,使い慣れたキャラクターで,ほかのキャラクターのストーリーまで楽しめそうである。
アイテムのシステムに関しても聞いてみた。多くのDiabloタイプのゲームやMMORPGと同様に,前作では,そのときプレイしているキャラクターに関係なく,アイテムを入手していた。しかし本作では,プレイキャラクターに合った(≒装備できる)アイテムが出やすくなっているという。
アイテムの種類は前作とほぼ同じで,“レア”や“ユニーク”,そして“セット”などが用意されているとのこと。
Sacred 2は,前作同様Ascaron Entertainmentが開発しており,今のところ2008年の第1四半期の発売が予定されている。前作同様に日本語版が出れば嬉しいとBalster氏に話したところ,「Sacred 2は,最初からローカライズの作業を考慮に入れて開発しています。日本語を含む2バイト文字も扱えるので,日本語化される可能性は十分あると思いますよ。日本語版が出れば,私も嬉しいですね」とのこと。
ちなみにこのBalster氏,かなりの日本通のようで,会話に時々,日本語を織り交ぜていた。最後の「私も嬉しい」は,リップサービスばかりではなさそうである。(Iwahama)
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- 関連タイトル:
セイクリッド2 日本語版
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