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NVIDIA,コンテンツ制作向けGeForce Driverを「Creator Ready」ドライバとして展開。第1弾は419.67
Creator Ready Driverは,それこそ「Game Ready Driver」(GRD)がゲームのリリースに合わせて更新されるのと同じように,コンテンツ制作系アプリケーションのアップデートに合わせて提供されるとのこと。従来もNVIDIAは,ワークステーション向けグラフィックスカードであるQuadroシリーズ向けの専用ドライバを用意してきたが,QuadroではなくGeForceを使ってコンテンツを制作しているプロやハイアマチュア,あるいはストリーマーなどが増えてきた。そこで,そうしたユーザー層に対してスピーディーに最適化版ドライバを出すことで,NVIDIA製GPUの価値を高めようということなのだと思われる。
ゲーマーの観点から語ると,Creator Ready Driverは2つの観点で重要だ。1つは,「GeForce Experience」からGame Driverとの間で切り換えながら利用できる点。もう1つは,GeForce Driverのバージョン表記ルール上,より新しいリリースは過去の修正内容を含むため,ある時点では,Creator Ready Driverだけが最新のバグ対策を含むドライバとなり得る点である。
実際,Creator Ready Driver第1弾となる「GeForce 419.67 Driver」にはゲーム関連の修正も入っているので,GeForceユーザーにとってはこちらも重要ということになるだろう。
ただし,Creator Ready Driverのサポート対象となるGPUはPascal世代以降のGeForceとNVIDIA TITAN,Quadroに限られる。Game Ready Driverだとサポート対象になっているGeForce 600〜900シリーズはサポート外となるので,その点は注意してほしい。また,Creator Ready Driverの対象となるOSは64bit版Windows 10のみとなる点も押さえておきたいところだ。
というわけで,入手したい人は下のリンクかGeForce Experienceを利用してもらえればと思う。その下には英文リリースノートの和訳を試みたものも貼っておくので,合わせて参考にしてもらえれば幸いだ。
→64bit版Windows 10用GeForce 419.67 Driver(551.73MB,Standard)
→64bit版Windows 10用GeForce 419.67 Driver(552.32MB,DCH)
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 419.67 Driver(551.73MB,Standard)
→ノートPC向けの64bit版Windows 10用GeForce 419.67 Driver(552.32MB,DCH)
※NVIDIAコントロールパネルの「システム情報」以下,「ドライバータイプ」が「Standard」であればStandardドライバを,「DCH」であればDCHドライバを入手するようにしてほしい
→4Gamerの最新ドライバリンクページ
いずれにせよ,ドライバの導入は自己責任となるので,その点はご注意を。
## 以下,NVIDIAによる公式紹介記事および英文リリースノートまとめ ##
●GeForce 419.67 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20&GeForce GTX 16シリーズ
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITANシリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ(※Windows 10のみ)
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
●GeForce 419.67 Driverが統合するソフトウェアモジュール
(※比較対象はGeForce 419.35 Driver)
- NVIDIAコントロールパネル:8.1.951.0
- GeForce Experience:3.18.0.92(←3.17.0.126)
- HD Audio Driver:1.3.38.13
- PhysX System Software:9.19.0218
- Vulkan RT:記載なし
- CUDA:10.1
- NView:149.34
●GeForce 419.67 Driverにおけるコンテンツ制作系アプリケーション最適化
(※比較対象はGeForce 419.35 Driver)
- Autodesk「Arnold」,Epic Games「Unreal Engine 4.22」,RED「REDCINE-X PRO」,Adobe「Lightroom」「Substance Designer」へ向けた最適化
- コンテンツ制作系アプリケーションにおける性能向上。一例としてGeForce RTX 2080搭載環境でBlender「Cycles」で最大13%,Adobe「Photoshop CC」「Premiere Pro CC」で最大9%,MAXON Computer「CINEMA 4D」で最大8%
●GeForce 419.67 Driverの新要素
・G-SYNCの拡張
- Turing世代のGPUとG-SYNC Compatible Monitorsプログラム準拠ディスプレイを接続した状態でのSurround新規対応
- ASUSTeK Computer製ディスプレイ「VG278QR」「VG258」をG-SYNC Compatible Monitorとして認定
・NVIDIAコントロールパネルの拡張
- 「Manage GPU Performance Counters」ページのデフォルト設定を変更(※詳細は明らかになっていない。原文は「NVIDIA Control Panel: Changed the default setting on the Manage GPU Performance Counters page.」)
・3D Visionの拡張
- 「デビル メイ クライ 5(Not Recommended)」「Total War: Three Kingdoms(Fair)」用3D Visionプロファイルの追加または更新
※タイトル名の後ろにある( )書きはレーティング。項目の内容は419.35ドライバと同じなので,リリースノートからの削除し忘れという可能性はある
●GeForce 419.67 Driverで解決した問題
- Blackmagic Design製ポストプロダクション用アプリケーション「DaVinci Resolve」で性能が低下する問題(※対象となるDaVinci Resolveのバージョンは明らかになっていない。原文「[DaVinci Resolve]: Performance drop occurs.」)
- 「Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands」でAnselを使うと,ゲームのフレームレートが低下してスタッター(stutter,カクつき)が生じ,最後にはゲームアプリケーションがクラッシュする問題
- Windows側のHDR設定が無効な状態からDirectX 11版「Far Cry New Dawn」を起動し,ゲーム側のHDRを有効にすると,[Alt+Tab]キーを押したときにデスクトップの明るさと色がいずれも露出オーバーになる問題
- 「Total War: Warhammer 2」でアンチエイリアシングを利用するとゲームのフレームレートが低下する問題
- Adobe製アプリケーションを利用しているとアーティファクト(artifact,正しくない陰影)が発生する問題(※今回修正対象となったのはシングルGPU環境のみとのこと)
- Windows側のHDRが有効な状態で「Apex Legends」をウインドウモードからフルスクリーンモードへ切り換えると画面表示がおかしくなる問題
- Shadowplayでビデオ録画を行うと画面の一部が途切れる問題
- Turing世代のGPUを搭載した環境で「Star Citizen」を実行するとゲーム画面がちらつき,その後アプリケーションがクラッシュしてデスクトップに戻る
- GeForce GTX 980搭載環境でNVAPIの呼び出しにかなりの時間を要する問題
- NVIDIA TITAN RTX搭載環境でNVLinkコマンドを実行してTesla Compute Cluster(TCC)モードを有効化すると,GPU温度が約20℃上がる問題
- GeForce RTX 2080搭載ノートPCで“Resolume Arena 6”を実行するとゲームのフレームレートが低下する問題(※“Resolume Arena 6”の正体が不明。Resolume製VJ用アプリケーション「Avenue ∧ Arena 6」のことで,「ゲーム」というのはリリースノートの誤りだと思うのだが,ひょっとするとそういう名前のゲームが存在する可能性もある。原文は「[GeForce RTX 2080][Notebook][Resolume Arena 6]: The game exhibits slow performance.」)
- GeForce RTX 2070を2台のディスプレイと接続し,その両方をアクティブにすると,セカンダリディスプレイでちらつきが発生する問題
●GeForce 419.67 Driverにおける既知の不具合(※抜粋)
- SLI有効時にAdobe製アプリケーションを利用しているとアーティファクト(artifact,正しくない陰影)が発生する
- SLI有効時に「Tom Clancy's The Division II」を実行し,ゲーム内のHDRオプションを切り換えると,ゲーム画面が動かなくなったりゲーム画面が何も表示されなくなったりする
- 「ARK: Survival Evolved」をプレイしていると複数のエラーやBSoDが発生することがある
- 「Shadow of the Tomb Raider」のゲームプレイ中にAnselを呼び出すと,ゲームの挙動が遅くなったりゲームがクラッシュしたりする
- 「Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands」でインベントリを開くとゲームアプリケーションがクラッシュする
- マルチディスプレイ構成時,ランダムに画面がちらつく
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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