「ELDEN RING」DLCに対応する「GeForce 555.99 Driver」リリース

　米国時間2024年5月21日，NVIDIAは，公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 555.99 Driver」をリリースした。WHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）通過版となる本バージョンは，6月21日に発売される「ELDEN RING」の大型DLC「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」など新作タイトルに対応したドライバだ。

　GeForce 555.99 Driverで対応が謳われている新作はそのほかに，6月18日リリース予定の新作MMORPG「Pax Dei」と，新作ホラーアクション「Still Wakes the Deep」の合計3タイトルだ。
　Pax DeiとStill Wakes the Deepは，低遅延技術「NVIDIA Reflex」と，フレーム生成を行う「DLSS 3」に対応しているとのこと。さらにStill Wakes the Deepは，AIを用いたアンチエイリアシング技術「DLAA」にも対応しており，両タイトルともにGeForce RTX 40シリーズなら高画質と低遅延を両立できると，NVIDIAは謳っている。

　GeForce 555.99 Driverと直接の関係はないが，「NVIDIAコントロールパネル」と「GeForce Experience」に代わる次世代のドライバ設定ツールとしてNVIDIAが開発を進めている「NVIDIAアプリ」のβ版が，Version 10.0.1.253にアップデートされた。


　新バージョンの目玉は，「自動チューニング」が追加されたことだ。左ペインから「システム」を選択して，「パフォーマンス」タブを開くと，自動チューニングのスライドスイッチがある。

統計情報欄の下に，「自動チューニング」のスイッチがある

　自動チューニングは，GPUのコアとメモリのオーバークロックを自動的に行う機能で，使用は自己責任になることに注意してほしい。スライドスイッチをオンにすると免責事項に続いて，GPUおよびメモリのクロック耐性のテストが実行され，その結果に基づいてクロックの上限が引き上げられる。
　手軽に性能を引き上げたいユーザーには嬉しい機能だが，もちろん安定性を損なう可能性はある。使うなら慎重に。

　そのほかにも新しいNVIDIAアプリでは，録画やストリーミングに最大120fpsのAV1コーデックが利用できるようになった。AV1コーデックは，H.265に比べると同じビットレートでより高い画質が得られる。多くのWebブラウザが対応済みという利点もあり，プレイ動画に活用できるだろう。

　NVIDIAによると，今後のNVIDIAアプリでは，以前にアナウンスされていたDLSSに関する詳細設定の追加や，ユーザーからの要望が多かった「RTX HDR」（ビデオのHDR化を行う機能）のマルチディスプレイ対応について，開発を進めているとのことだ。
　なお，今のところNVIDIAアプリは，自動アップデート機能がないので，最新バージョンを利用したい人は，NVIDIA公式Webページのダウンロードから，新バージョンのインストーラをダウンロードしてインストールしてほしい。

　GeForce 555.99 Driverではほかにも，G-SYNC Compatible Displaysに8製品が追加されるなどの変更が行われている。ドライバのアップデートは自己責任となる点を理解してもらったうえで，すぐにでも入手したい人は，以下に示したリンクかGeForce ExperienceもしくはNVIDIAアプリのアップデート機能を利用してほしい。

→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 555.99 Driver（628.65 MB）
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/227220/jp
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 555.99 Driver（628.65 MB）
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/227188/jp


●GeForce 555.99 Driverの対応製品

• デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• NVIDIA TITAN RTX
• NVIDIA TITAN V
• NVIDIA TITAN Xp
• NVIDIA TITAN Xシリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
• デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ

●GeForce 555.99 Driverが統合するソフト

• GeForce Experience：3.28.0.412
• HD Audio Driver：1.4.0.1
• PhysX System Software：9.23.1019
• CUDA：12.5
• NVIDIA Control Panel（DCH）：8.1.966.0

●GeForce 555.99 Driverの新要素

• 「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」「Pax Dei」「Still Wakes the Deep」に対応
• G-SYNC Compatible Displaysに8機種を追加。G-SYNC Compatible Displaysの詳細は，公式ページを参照のこと

●GeForce 555.99 Driverで解決した問題

• GeForce ExperienceでInstant Replayを有効化すると，画面が点滅したりブラックスクリーンになることのあった問題
• NVIDIAアプリのオーバーレイ表示で，FPSの値が多くのタイトルでN/Aになることのあった問題
• CUDAを有効化したDockerの仮想環境下で，CUDA 12.5が動作しないことのあった問題
• NVIDIAコントロールパネルでMFAAを有効化すると，Microsoft TeamsおよびOutlookの表示にゴミ（アーティファクト）が生じることのあった問題
• LG製のOLEDテレビ「OLED48C4」とOLEDディスプレイ「32GS95UE」がG-SYNC Compatibleと認識されない問題

●GeForce 555.99 Driverにおける既知の不具合

• PCを再起動するまで，GeForce Experienceのドライバページが新バージョンのドライバを検出しないことがある