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[COMPUTEX 2005 #06]ゲームのローディングを30倍速くする機器
聞いてみると,やはりこれはRAMディスク用のハードウェアデバイスだとのお答え。各スロットには1GBまでのDDR DIMM(PC2100/2700/3200)を差すことができ,トータルで最大4GBのRAMディスクを構築できるという。
カードはPCIスロットに差す形になっているが,実のところここからは電源を取っているだけ。実際のデータインタフェースはカード上に用意された,Serial ATAコネクタになる。なるほど,確かにこれはストレージデバイスである。
基板上には充電式のバッテリーが搭載されていて,フル充電状態であればPCの電源をオフにしても,1日〜1週間程度は内容が保持されるという。えらくおおざっぱな説明で申し訳ないが,メモリモジュールの消費電力によっても変わるだろうし,そもそも展示機の完成度も不明である以上,そこはご了承願いたい。
Serial ATA接続となる関係で,システムからはHDDとして認識される。これをフォーマットして使えば,1ボリューム4GBの容量をディスクスペースとして使うことができるわけだ。
GIGABYTE TECHNOLOGYでも,これをどう使うかを模索中だそうだが,一つのアイデアとして浮上してきているのが,ハードコアゲーマーのための提案だとか。
■ハーフライフ2のステージ間読み込みが数十秒に?
それゆえか,あるいは単なる惰性かもしれないが,多くの3Dゲームでは今も,ゲーム開始前や一定の場所に到達したとき,あるいはイベントが開始されるタイミングで,そのステージのデータを一気に読み込む設計になっている。読み込み動作のたびにゲームの進行が停止したり,かなり待たされたりするのは,考えてみればプレイヤーにとってけっこう大きなストレスだ。
もし,そうしたゲームソフトをこのi-RAMドライブに丸ごとインスートルしてしまえたら,ローディング時間は大幅に短縮されるのではないか。4GBもあれば,たいていのゲームソフトはフルインストールできるし,ローディングは単なるメモリ間転送となるので非常に高速になるはずだ。
GIGABYTE TECHNOLOGYによれば,実効速度レベルで通常のHDDの約30〜60倍のパフォーマンスがあるそうで,ゲームの起動やステージ間のローディングタイムもこれに準じた短縮化が期待できるという。ただし,下に示した写真から分かるように,デモで確認できたHDDとの速度比は3倍程度であった。
Intel 845シリーズなどがベースのPCからPCI Expressベースのシステムへ移行すると,PC2100/2700メモリモジュールが余る。そこで,i-RAMを購入してその余ったメモリを差せば,わずかな追加コストでゲームプレイ環境を改善できることになる。単純なパーツではあるが,例えばハーフライフ2の2分近いシーン間ローディングがわずか数十秒になるかもしれないとなれば,実に魅力的に思えてくる。
価格や製品化の時期については未定とのことだったが,ゲームに限らずWindowsのページングメモリ(スワップ領域)に割り当てても,それなりのパフォーマンスの向上が図れそうなこのデバイス。どういった仕様/想定用途で製品化されるのか,たいへん気になるところだ。(トライゼット 西川善司)
- 関連タイトル:
i-RAM
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