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[COMPUTEX 2006#20]「Leadtek撤退?」「i-RAM後継の正しいスペックは?」2006年のCOMPUTEXで話題を集めたモノたち
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印刷2006/06/14 22:11

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[COMPUTEX 2006#20]「Leadtek撤退?」「i-RAM後継の正しいスペックは?」2006年のCOMPUTEXで話題を集めたモノたち

 毎年毎年,さまざまな話題を振りまいてくれるCOMPUTEX TAIPEI。2006年は誰もが口を揃えて「IntelのCOMPUTEX」と言うほど,Intelが目立っていたわけだが,そんななか,会場中を駆けめぐった噂や,ゲームとは直接関係なさそうだがユニークな製品,インパクトのあるメーカー/ブースについて,ちょっとまとめてみたいと思う。

■Leadtek,グラフィックスカード事業から撤退!?

Hall 1にあったLeadtekブース
 いきなりネガティブな話題で恐縮だが,国内PCユーザーにとって衝撃的だったのが,「Leadtek Research(以下Leadtek)がグラフィックスカードビジネスから撤退する」という噂だ。これは,とある海外のメディアが報道したのだが,COMPUTEX TAIPEI 2006の会場では,“確定事項”として広まっていたほど。
 そこまでになってしまったのには,以下のような経緯がある。
  1. 海外の某メディアが「Leadtek撤退」と報道
  2. Hon Hai Precision Industry(以下Foxconn)のグラフィックスカード市場参入という噂が(COMPUTEX直前に)広がる
  3. FoxconnはLeadtekと協業して「WinFast」ブランドのマザーボードビジネスを行っている
  4. Leadtekは現在,自社工場を利用するほかに,リテール市場向けの一部製品でFoxconnに製造委託を行っている(編注:「すべて委託」と思っている人がいるようだが,それは誤解)
  5. PCパーツ系メーカーはHall 2への出展が基本で,Leadtekも2005年まではHall 2にいたのに,今年は周辺機器やネットワークが中心のHall 1で出展
  6. 「FoxconnがLeadtekから『WinFast』のブランドを引き継ぐらしい」
ブースにはちゃんとグラフィックスカードも展示されていた。2006年はグラフィックス担当ではない部門が出展費用を多く負担したため,周辺機器メーカーの多いHall 1での出展になったのだとか
 ……結論からいえば,Leadtekは撤退しない。「グラフィックスカードビジネスは好調ですし,撤退なんてありえません」とはリードテックジャパンの谷間博史氏の弁だ。噂に尾ヒレが付いていたところで,ちょうど2006年は,同社のもう一方の柱である,ネットワーク周辺機器中心の展示を行おうとしてしまったのが運のツキ(?)だったのかもしれない。

 何でも,世界中の報道関係者から撤退すると思われてしまったらしく,異例の「撤退しません」ニュースリリースまで出すことになった同社。「皆,その話しかしてこないんですよ(笑)」(谷間氏)
 ちなみに,レポート#17でお伝えしているように,Foxconnは自社ブランドでグラフィックスカード市場へ参入すると発表した。念のためFoxconnで聞いてみたところ,担当者はWinFastブランドのグラフィックスカードを自社で販売する可能性について「ありえない」とのことだった。

 同社の新製品については改めて紹介する予定だが,とりあえずLeadtekファンはご安心を。

■仕様が見えない“i-RAM2”,いったいどんなスペックに?

GO-RAMDISK BOX
 続いて,COMPUTEX TAIPEI 2005で話題をさらったGIGABYTE TECHNOLOGY(以下GIGABYTE)の「i-RAM」の後継製品について。

 「GO-RAMDISK BOX」という製品名が付けられた,“i-RAM2”とでもいうべきこの製品,これまではPCIスロットに接続する仕様だったのが,5インチベイに光学ドライブよろしく取り付けるような仕様に変わっている。
 まあ,そこまではいいのだが,同製品の仕様がはっきりしないのだ。キモは,バス帯域幅と対応メモリになるだろうが,筆者が2日間にわたって3人の担当者に聞いて回ったところ,以下のような回答が得られた。
  • SATA 3Gbps,DDR2 SDRAMモジュール対応
  • SATA 150MB/s,DDR2 SDRAMモジュール対応
  • SATA 150MB/s,DDR SDRAMモジュール対応
アクリルケース内の5インチドライブベイで実際に動作している様子。光学ドライブのような“フタ”が付属するようだ
 そう,てんでバラバラなのである。海外のニュースサイトなどでもスペックがバラついているように見えるが,その原因はこのあたりにありそうな感じだ。
 展示品は5インチベイに収まった以外,これまでのi-RAMとあまり変わらない――つまりSATA 150MB/s,DDR SDRAMモジュール対応の――ように見受けられたが,製品版ではがらりと仕様が変わって,最新スペックへの対応を果たしてくるのかもしれない。各担当者が,開発途上のどこか別のタイミングで開発チームから話を聞いていたとすれば,それも合点がいく。個人的には,そろそろDDR SDRAMモジュールが本格的に余り出す頃合いなので,3担当者が挙げなかったもう一つの選択肢,SATA 3Gbps&DDR SDRAM対応を期待したいところだし,できればDIMMスロットの数ももう少し増やしてほしいところだが……。

 日本ギガ・バイトのCandy Sen氏によれば,2006年9月以降の発売が予定されているという。潤沢に流通するのは年末か?
 なお,2006年6月14日現在,“本当のところ”を問い合わせているので,近々お知らせできると思う。もう少々お待ちいただきたい。

2006年6月15日追記:日本ギガ・バイトに確認したところ,仕様は「SATA 150MB/s,DDR2 SDRAM対応」になるとのことだった。

■ASUSTeKが水冷マザーボードを展示「いくらなら買う?」

動作中のコンセプトマザーボード。写真中央がサウンドカードだ
 ASUSTeK Computerはブースで「ASUS Concept Motherboards」と題した,次世代仕様のコンセプトマザーボードを展示していた。

 このコンセプト展示のポイントは大きく分けて三つ。一つは,サウンド入出力をマザーボードとは別のカードに置いて,カード上でノイズ対策を行うことで,マザーボードからのノイズ混入を防ごうとしている点。もう一つは,I/Oパネル部に小型の液晶インジケータを搭載し,各種情報を表示可能にしている点。もう一つは,チップセットと電源部に水冷ユニットを搭載している点だ。

 サウンド関連はご覧のとおりとして,小型の液晶インジケータでは,POSTの状況や温度など,さまざまな情報を拾って表示できるとのこと。実際の製品では,5インチ,あるいは3.5インチベイに引き出され,もっと見やすくなるという。

 そして気になる水冷ユニットだが,同社のマザーボード担当プロダクトマネージャー,Richard Liu(リチャード・リウ)氏によれば,ノースブリッジの上にタンク&ポンプ部を置き,サウスブリッジ→電源部の上に置かれた冷却フィン→ノースブリッジといった流れで,冷却液を循環させる構造になっているとのこと。前述した二つのコンセプトと同様,同社の次世代ハイエンドマザーボードで標準搭載とすべく,現在開発中とのことだった。

奥まっているので分かりにくいかもしれないが,CPUクーラーの右にある白いのがタンク&ポンプ。それを中心に,茶色,あるいは黒いゴムでコートされた“水路”が見て取れると思う


 冷却能力はもちろん気になるが,それ以上に「これほど大仰なもの付けたら,値段が跳ね上がるんじゃないの?」と疑問を感じたので聞いてみたところ,「いま興味を持ってくれている水冷ユニットのせいで,マザーボードが100ドル高くなったとしたら,それでも興味を持続できる?」と逆に質問を受けてしまった。
 「そう,100ドルも値上がると,たぶん誰も見向きもしてくれない。だから,いまはコストの問題と格闘中なんだ」(Liu氏)。同社の次世代マザーボードが,果たしていくらで登場することになるのか,ちょっと見物である。

 なお,マザーボードはぱっと見た限り,nForce 590 SLIベースだったことを付記しておきたい。

■最後に,ある意味目立ったモノ

 さて,いよいよゲームとは関係なくなってくるが,最後に気になったものを2点紹介したい。

 まずは先ほども少し名前が出たFoxconn。同社の概要や,グラフィックスカード市場への参入については前述したようにレポート#17でお伝えしているが,ブースはかなりの盛り上がりを見せていた。「人とブース内イベントの派手さなら,今回は((大手パーツメーカーが集う)Hall 2で一番じゃないですかね」とは某メーカー広報氏の談。

 で,そのFoxconn,気合が入っているのか広報予算があり余っているのかは分からないが,一昔前に“夢の乗り物”として一世を風靡した「Segway」に,ミニスカートのコンパニオンを乗せて,会場周辺を回るという行動に出ていた。まあ,COMPUTEXに来るようなバイヤーは男性が多いので,振り向く人も多いというわけである(?)。



 それと真逆のようなブースが,Hall 1にあった。Hall 1の一角は,マウスやキーボード,スピーカーなどといったPC周辺機器関連の中小メーカーが出展しており,「OEM/ODM Welcome」(製造委託承ります)などというポップの脇には,某国内大手メーカー“製”のスピーカーが置いてあったりと,なかなか興味深かったりするのだが,そんななかで異彩を放っていたのが台湾メーカーYutronのブースだ。

ブース全体……というとウソになるが,少なく見積もってもブースの7割はこの新型タブレット「DELETER XP-Pen」イメージイラスト関係で埋め尽くされていた。パッケージは右の写真のような感じ


 まあ,何をか言わんやといった感じなのだが,Hall 1を歩いていて,いきなりこれに出くわすとなかなか衝撃的。Yutron自体はタブレットを中心とした入力機器メーカーで,この絵はグループ企業であるピー・アクティブの依頼に基づいて作成した製品パッケージから持ってきたものなのだそうだ。「OEMの要望があれば,どんなパッケージでも制作できる」とはブーススタッフの弁だが,ブースまでこの路線で統一しなくても……。(佐々山薫郁)
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