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Intel,デュアルコア「Pentium D」と対応チップセットを発表
Pentium Dは,先月発表されたハイエンド向けの「Pentium Extreme Edition 840」に続く,2製品めのデュアルコアCPUであり,メインストリームをターゲットとした製品。今回発表されたPentium Dは840/830/820の3製品で,動作クロックはそれぞれ3.2/3/2.8GHz,1000個ロット時の卸価格は,それぞれ5万7180円,3万4090円,2万6000円となる。
Pentium DはPentium Extreme Edition 840と同じく,Smithfield(開発コードネーム)コアを採用しており,1コアあたり1MBのL2キャッシュを装備する(合計で2MB)。また,64ビット拡張技術の「EM64T」やWindows XP SP2のDEP(データ実行防止機能)でサポートされた「XDビット」機能も実装されている。
なおPentium Extreme Edition 840では,Hyper-Thredingテクノロジ(以下HTテクノロジ)も有効になっているため,OS側からは4個の論理CPUとして認識されるが,Pentium Dでは無効になっており,OS側からは2個の論理CPUとして認識される。
また,Pentium D 840と同830の2製品は,CPU負荷に応じて動的にクロックと動作電圧を変更する「拡張版SpeedStepテクノロジー」をサポートする(Pentium D 820とPentium Extreme Edition 840ではサポートされない)。Pentium D 840と同830で,拡張版SpeedStepテクノロジーを有効にすると,CPU負荷が低いときには2.8GHzで動作し,CPU負荷が高くなると,最高クロック(840では3.2GHz,830では3GHz)で動作することになる。
Pentium Dは,一つのCPUパッケージに二つのCPUコアを内蔵したデュアルコアCPUであるため,疑似的なデュアルCPU環境を実現するHTテクノロジよりも,高いパフォーマンスを発揮する。
発表会場では,それぞれPentium D 840(クロック3.2GHz)とHTテクノロジー対応のPentium 4 540(クロック3.2GHz)を搭載したPCで,同時に720×480ドット・DVD-VideoクオリティのMPEG-2ファイル(37秒間)をAVC/H.264にトランスコードするデモが行われた。Pentium D 840では43秒で終了したのに対して,Pentium 4 540では1分6秒かかっており,Pentium D 840のパフォーマンスの高さがよく分かる。アプリケーションによっても異なるが,マルチスレッドに最適化されたアプリケーションなら,Pentium Dは同クロックのHTテクノロジー対応Pentium 4に比べて30〜40%の性能向上が見込めるという。
現状のゲームソフトの多くはマルチスレッド環境に最適化されていないため,デュアルコアによるパフォーマンス向上の恩恵を,劇的な形で享受できるわけではない。しかし,今後は「Lejendary Adventureエンジン」のように,マルチスレッド環境に最適化されたゲームエンジンを採用した作品が増えてくることが予想される。
なお,ライバルのAMDも,デュアルコアCPU「Athlon 64 X2」を近日中にリリース予定であり,PCの世界が一気にデュアルコア時代へと舵を切ることになる。
■3DMark05のスコアが2倍に向上したIntel 945G Express
サウスブリッジもICH7シリーズとなり,PCI Express ×1を6本サポートするほか,転送速度3GbpsのSerial ATA II Phase 2にも対応する。また,RAID機能をサポートしたICH7Rでは,従来のRAID 0とRAID 1に加えて,RAID 5やRAID 10にも対応するようになった。
グラフィックス統合型チップセットのIntel 945Gは,インテルGMA950と呼ばれるグラフィックスコアを内蔵する。従来のIntel 915Gに内蔵されていたインテルGMA900と比べると,動作クロックが333MHzから400MHzに高速化されたほか,メモリ帯域幅の増大,3Dパイプラインの改良によって,3DMark05のスコアは約2倍に向上しているという。なお,インテルGMA950は,DirectX 9準拠のPixel Shaderをサポートしているが,Vertex Shaderについてはソフトウェアによるエミュレーションとなる。
Intel 945Gの3D描画性能は,Intel 915Gに比べれば向上したとはいえ,単体GPUと比べればかなり低いため,最新の3Dゲームを快適にプレイするには力不足である。しかし,3Dゲームなどのニーズに応えるため,今後もさらに3D描画性能向上にフォーカスしていくとのことだ。
今回発表されたIntel 945G/Pは,ビデオカードを2枚差すことで3D描画性能を高めるNVIDIA SLIはサポートしていないが,インテルの担当者によれば,ビデオカード2枚差しというソリューションにも注目はしているとのことで,2枚差しに対する市場ニーズが高いと判断すれば,今後のチップセットでサポートされる可能性はあるようだ。
発表会場には,同日発表されたソニーの「VAIO type R」をはじめとする,Pentium D搭載PCが多数展示されており,ツクモ電機の「TS-Jade Gamers 945G」やアロシステムの「Inspire Passant 4802XN/DVR2」のように,ハイエンドビデオカードを搭載し,ゲーム用途を重視したPCも展示されていた。(石井英男)
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