レビュー
編集部にβ版到着! 「ザナドゥ・ネクスト」の内容が明らかに
ゲームシステムは体当たりで肉弾戦,Spaceキーで魔法を発射(魔法弾は操作可能)というもので,武器/魔法ごとに設定された熟練度の要素や,自分の何倍もの大きさのボスキャラクター,二段ジャンプ,善良なモンスターを殺すとカルマの値が上がってペナルティを受けるなど,とにかくさまざまな魅力的要素の詰め込まれた作品であり,全機種版合計で40万本という大ヒットを記録した。今なおオールドゲームファンの間で語り継がれるほどのビッグネームといえるだろう。
のちに拡張パック「ザナドゥシナリオII」やファミコン版などもリリースされたが,実質,後継と呼べるタイトルは登場していなかった。が,ザナドゥ20周年を記念し,2005年10月27日に待望の最新作「ザナドゥ・ネクスト」がリリースされる。
このたび4Gamer編集部に序盤だけプレイ可能なβ版が届いたので,早速プレイした感触をお伝えしたい。
■応用の利く「剣技」が特徴の攻撃システム
とまぁバックストーリーはこんな感じ。最初にビジュアルシーンによって前述の要素が語られ,気がつくとハーレックの街に立っている。序盤はチュートリアルの要素が強く,町外れに見つかったダンジョンを探索していくうちに,プレイ方法が学べる。まずはゲームのキモともいえる戦闘システムについて見ていこう。
本作の操作は基本的にマウスを使い,地面を左クリックすると移動,敵を左クリックすると攻撃する。攻撃では,軽快にマウスボタンを連打すると連続技が出るのが非常に心地良い。
本作にはスキルとして"魔法"や"剣技"があり,画面右上に用意されたスキルスロットに習得した剣技/魔法をセットしておけば,右クリックで発動させられる。このとき,発動させるスキルはF1〜F4キーを使ってあらかじめ選んでおく必要がある。左クリック連打で連続技を出し,敵を転ばせる剣技「突き」につないだあと,転んだ敵の背後に回って大ダメージを与える……といったコンボも可能で,かなり軽快なアクションが楽しめるだろう。
なおスキルスロットは四つしかなく,前述のように魔法や剣技などのスキルをセットしておくほか,状態系のスキル(装備しているだけで効果を発揮するスキル)もここに配置することになる。オーソドックスなスタイルとしては,剣技や魔法といった発動系のスキルを1〜3種類,状態系スキルを1〜2種類といった構成で冒険することになりそうだ。通常の連続攻撃を上手に組み合わせて,自分ならではの戦術を編み出したいものである。
スキルスロットと似た形でアイテムスロットもあり,ここにポーションなどをセットしておけば1〜4キーで使用できる。ボス戦などではポーションをガブ飲みしながら戦うことになるのだろう。
また攻撃面では,一つの武器を使い続けることで武器の熟練度が上がり,より大きなダメージが出せるようになる。ここまではオリジナルと同じだが,本作ではさらに続きがあり,熟練度が100%になると武器固有の剣技を体得して,ほかの武器でも使用可能となる。例えばダガーを装備していると「突き」が可能だが,ダガーの熟練度を100まで上げると,主人公が剣技としての「突き」を習得。以降はツーハンデッドソードを装備していても「突き」が放てるというわけだ。熟練度のおかげで,新しい武器よりも使い古した武器のほうが大きな戦果が上げられたり,ときには剣技習得のために攻撃力の低い武器で武者修行をしなければならなかったりと,独特のプレイスタイルが生まれる。武器の交換タイミングはちょっと気を遣う必要がありそうだ。
■振り直し可能期間のあるステータスポイント
"ガーディアン"という要素も見てみよう。ゲーム中にはガーディアンを封じ込めた"カード"が登場し,精霊堂でカードを使うことによって,キャラクターにガーディアンを宿せる。ガーディアンはそれぞれ特有の力を持っており,宿すことでプレイヤーにその力が付加される。
ただし,同時に複数のガーディアンを宿すことはできず,局面に合わせてガーディアンを切り替えて攻略していく必要があるようだ。カードスロットは12種類あるので,おそらくガーディアンも12種類だろう。レアカードなどもあるのか,少々気になるところである。
それから育成要素で不思議なのが,レベルダウンが可能なこと。精霊堂では,武器の熟練度だけはそのままでキャラのステータスやレベルを一つ前の状態に戻せる。いまのところ大きなメリットは感じられない要素だが,プレイしていくことで必要になるのだろうか。
■オブジェクトを壊し,よじ登るなどパズル要素も
またマップ上には鍵のかかった扉が多く,それらはショップで購入した鍵で開けることになる。ちなみに鍵は大量に購入すると値段が上がる仕組みなので,何も考えずに使いまくっていると,ゲーム後半で困ることになるかもしれない。とはいえ救済処置として,あるアイテムを売ることでカギの価格を下げられるし,またあるアイテムを加工することでカギとして使用できるようにもなっている。
なお,マップ上にある植物や飾台などのオブジェクトは破壊可能だ。オブジェクトを破壊するとたまにゴールドなどが出てくるほか,武器の熟練度もわずかに上がる。また,初代ザナドゥではモンスターはリポップしなかったが,本作ではマップ上のモンスターはリポップする。そういう意味では,お金稼ぎや経験値稼ぎは比較的ラクかもしれない。
爽快な連続攻撃,気楽に行えるステータスの振り直し,モンスターはリポップし,スキル/アイテムスロットの使い勝手も良い。また,前作を意識しているのだろうが,主人公はしゃべらないし,音楽についても前作とそっくりだ。
細かいところでいうと,前作ではモンスターを殺すと宝箱が出現したが,今回もそれを意識しているようで,付近のモンスターを倒すことで宝箱が出現する。ご丁寧なことに,最後の敵を魔法で倒すとアイテム入りの(可能性がある)宝箱が出現しない,魔法が宝箱に当たると壊れるという仕様も健在だ。
個人的に気になったのが石板に書かれている内容で,これまでに世界は2回危機に陥ったと書かれていた。これ,初代ザナドゥとザナドゥシナリオIIのことだろうか?
オールドゲームファンはもちろん,初心者でも手軽に遊べるアクションRPGといえそうな本作。現状のバージョンは序盤しかプレイできないのが残念だったが,3Dになって登場した「ザナドゥ・ネクスト」は,期待の一作と断言できる。2005年10月27日が楽しみだ。(Murayama)
- 関連タイトル:
ザナドゥ・ネクスト(Windows 7対応版)
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