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印刷2005/09/27 15:48

レビュー

編集部にβ版到着! 「ザナドゥ・ネクスト」の内容が明らかに

■国産ゲームの金字塔! ザナドゥシリーズに最新作が

オールドゲーマーには懐かしさがこみ上げるタイトルロゴ
 20年の時を超え,あの「ザナドゥ」が帰ってくる! ……といっても,さすがに今のPCゲームファンの中には,「ザナドゥってなに?」という人も多いことだろう。ザナドゥとは,1985年に日本ファルコムから発売されたアクションRPG。シンプルながらも剣と魔法を駆使した戦闘が楽しめ,最終的には聖剣ドラゴンスレイヤーを手に入れて,キングドラゴンを倒すというものだった。
 ゲームシステムは体当たりで肉弾戦,Spaceキーで魔法を発射(魔法弾は操作可能)というもので,武器/魔法ごとに設定された熟練度の要素や,自分の何倍もの大きさのボスキャラクター,二段ジャンプ,善良なモンスターを殺すとカルマの値が上がってペナルティを受けるなど,とにかくさまざまな魅力的要素の詰め込まれた作品であり,全機種版合計で40万本という大ヒットを記録した。今なおオールドゲームファンの間で語り継がれるほどのビッグネームといえるだろう。
 のちに拡張パック「ザナドゥシナリオII」やファミコン版などもリリースされたが,実質,後継と呼べるタイトルは登場していなかった。が,ザナドゥ20周年を記念し,2005年10月27日に待望の最新作「ザナドゥ・ネクスト」がリリースされる。
 このたび4Gamer編集部に序盤だけプレイ可能なβ版が届いたので,早速プレイした感触をお伝えしたい。

画面上段左:今回は3DのアクションRPGに。写真はスタート地点となるハーレックの街
画面上段中:水に映り込む空も美しい。水しぶきなどの表現力も良い
画面上段右:相棒のシャル。ここでは荷物を預けたり,休息をとったりできる
画面下段左:序盤で見つける石版にはガルシス(キングドラゴン)の名前が……
画面下段中:オリジナル同様に,どこでも自由に歩き回ることはできない。新エリアに行くにはフラグが必要
画面下段右:ゲーム中にはときどきビジュアルシーンが挿入される


■応用の利く「剣技」が特徴の攻撃システム

オープニングより。ハーレックの街を目指すシャルと主人公
 ザナドゥ・ネクストは,同じ孤児院の出身であるシャルと騎士(主人公)の物語だ。この世界で勃発した「騎士戦争」によって騎士達は地位を失っているなか,主人公は北海騎士団の数少ない生き残りとして,騎士としての信念をまっとうしようとしている。現在はトレジャーハンターとしてシャルと共に活躍しており,あるとき,深い霧の日だけに姿を現わすオーウェルの奇岩城を探索することになる……。
 とまぁバックストーリーはこんな感じ。最初にビジュアルシーンによって前述の要素が語られ,気がつくとハーレックの街に立っている。序盤はチュートリアルの要素が強く,町外れに見つかったダンジョンを探索していくうちに,プレイ方法が学べる。まずはゲームのキモともいえる戦闘システムについて見ていこう。

 本作の操作は基本的にマウスを使い,地面を左クリックすると移動,敵を左クリックすると攻撃する。攻撃では,軽快にマウスボタンを連打すると連続技が出るのが非常に心地良い。
 本作にはスキルとして"魔法"や"剣技"があり,画面右上に用意されたスキルスロットに習得した剣技/魔法をセットしておけば,右クリックで発動させられる。このとき,発動させるスキルはF1〜F4キーを使ってあらかじめ選んでおく必要がある。左クリック連打で連続技を出し,敵を転ばせる剣技「突き」につないだあと,転んだ敵の背後に回って大ダメージを与える……といったコンボも可能で,かなり軽快なアクションが楽しめるだろう。
 なおスキルスロットは四つしかなく,前述のように魔法や剣技などのスキルをセットしておくほか,状態系のスキル(装備しているだけで効果を発揮するスキル)もここに配置することになる。オーソドックスなスタイルとしては,剣技や魔法といった発動系のスキルを1〜3種類,状態系スキルを1〜2種類といった構成で冒険することになりそうだ。通常の連続攻撃を上手に組み合わせて,自分ならではの戦術を編み出したいものである。
 スキルスロットと似た形でアイテムスロットもあり,ここにポーションなどをセットしておけば1〜4キーで使用できる。ボス戦などではポーションをガブ飲みしながら戦うことになるのだろう。

 また攻撃面では,一つの武器を使い続けることで武器の熟練度が上がり,より大きなダメージが出せるようになる。ここまではオリジナルと同じだが,本作ではさらに続きがあり,熟練度が100%になると武器固有の剣技を体得して,ほかの武器でも使用可能となる。例えばダガーを装備していると「突き」が可能だが,ダガーの熟練度を100まで上げると,主人公が剣技としての「突き」を習得。以降はツーハンデッドソードを装備していても「突き」が放てるというわけだ。熟練度のおかげで,新しい武器よりも使い古した武器のほうが大きな戦果が上げられたり,ときには剣技習得のために攻撃力の低い武器で武者修行をしなければならなかったりと,独特のプレイスタイルが生まれる。武器の交換タイミングはちょっと気を遣う必要がありそうだ。

画面上段左:霧の中に姿を現すオーウェルの奇岩城。ドラゴンスレイヤーが眠っているらしい
画面上段中:軽快な戦闘が楽しめる。連続技などが決まると非常に気持ちいい
画面上段右:上手に攻撃すれば複数の相手にダメージを与えられる
画面下段左:最初に習得する魔法「ニードル」。前作でも登場した魔法だ
画面下段中:魔法や弓を使うザコなども登場。足でかき回して攻撃しよう
画面下段右:画面右上にあるのがスキルスロット。F1〜F4キーで切り替えて使う


■振り直し可能期間のあるステータスポイント

ガーディアンを宿すことで,キャラクターの能力を強化できる
 キャラクターメイキングは名前を決めるだけだが,レベルアップするとHPが増加し,さらに獲得したポイントを精霊堂でSTR/INT/REF/CON/MNDといった能力値に割り振ることで,キャラは強くなっていく。武具の装備の可否はステータスによって決まるので,ステータスの割り振りはかなり重要に……と思っていたが,精霊堂でポイントを割り振ってステータスを確定しても,次のレベルアップをするまでなら,直前に割り振ったポイントは自由に払い戻せた。つまりステータスの試行錯誤が可能なわけで,いろいろ実験できる。とくに初心者には嬉しい機能といえるだろう。

 "ガーディアン"という要素も見てみよう。ゲーム中にはガーディアンを封じ込めた"カード"が登場し,精霊堂でカードを使うことによって,キャラクターにガーディアンを宿せる。ガーディアンはそれぞれ特有の力を持っており,宿すことでプレイヤーにその力が付加される。
 ただし,同時に複数のガーディアンを宿すことはできず,局面に合わせてガーディアンを切り替えて攻略していく必要があるようだ。カードスロットは12種類あるので,おそらくガーディアンも12種類だろう。レアカードなどもあるのか,少々気になるところである。
 それから育成要素で不思議なのが,レベルダウンが可能なこと。精霊堂では,武器の熟練度だけはそのままでキャラのステータスやレベルを一つ前の状態に戻せる。いまのところ大きなメリットは感じられない要素だが,プレイしていくことで必要になるのだろうか。

画面上段左:一度ステータスを割り振っても,やり直しができるのは初心者には嬉しい仕様
画面上段中:同じ武器を使い続けることで武器の熟練度が上昇。最大200まで上がる
画面上段右:序盤のチュートリアルではキャラのレベルアップなどの説明が受けられる
画面下段左:レベルに合わせて称号が表示される。称号の分岐もあるのだろうか?
画面下段中:デスペナルティは所持金が半分に。これを避けたい場合はロードでやり直そう
画面下段右:現状では謎の機能「レベルダウン」。どこかで役立つのだろうか?


■オブジェクトを壊し,よじ登るなどパズル要素も

箱で落とし穴を埋められる。なお,部屋を出れば箱は復活するので,失敗しても大丈夫
 ダンジョンやオープンフィールドの冒険では,基本的にはモンスターと戦うのだが,ときにはちょっとしたパズル要素なども楽しめる。木箱を押して穴を埋めたり,木箱を攻撃して半分の大きさにして,よじ登ったりもできる。
 またマップ上には鍵のかかった扉が多く,それらはショップで購入した鍵で開けることになる。ちなみに鍵は大量に購入すると値段が上がる仕組みなので,何も考えずに使いまくっていると,ゲーム後半で困ることになるかもしれない。とはいえ救済処置として,あるアイテムを売ることでカギの価格を下げられるし,またあるアイテムを加工することでカギとして使用できるようにもなっている。
 なお,マップ上にある植物や飾台などのオブジェクトは破壊可能だ。オブジェクトを破壊するとたまにゴールドなどが出てくるほか,武器の熟練度もわずかに上がる。また,初代ザナドゥではモンスターはリポップしなかったが,本作ではマップ上のモンスターはリポップする。そういう意味では,お金稼ぎや経験値稼ぎは比較的ラクかもしれない

 爽快な連続攻撃,気楽に行えるステータスの振り直し,モンスターはリポップし,スキル/アイテムスロットの使い勝手も良い。また,前作を意識しているのだろうが,主人公はしゃべらないし,音楽についても前作とそっくりだ。
 細かいところでいうと,前作ではモンスターを殺すと宝箱が出現したが,今回もそれを意識しているようで,付近のモンスターを倒すことで宝箱が出現する。ご丁寧なことに,最後の敵を魔法で倒すとアイテム入りの(可能性がある)宝箱が出現しない,魔法が宝箱に当たると壊れるという仕様も健在だ。
 個人的に気になったのが石板に書かれている内容で,これまでに世界は2回危機に陥ったと書かれていた。これ,初代ザナドゥとザナドゥシナリオIIのことだろうか?
 オールドゲームファンはもちろん,初心者でも手軽に遊べるアクションRPGといえそうな本作。現状のバージョンは序盤しかプレイできないのが残念だったが,3Dになって登場した「ザナドゥ・ネクスト」は,期待の一作と断言できる。2005年10月27日が楽しみだ。(Murayama)

画面上段左:箱を一度だけ攻撃すると,壊れた部分を足場にして上れるようになる
画面上段中:オートマッピング機能は画面中央か,左上か表示位置を変えられる
画面上段右:花などのオブジェクトも破壊可能。たまにゴールドが出てくる
画面下段左:場所によっては結界のようなものが発生して進めなくなることも
画面下段中:ダンジョンの通路などの扉を開ける万能鍵。買うと価格が高騰するのはちょっとキツい……
画面下段右:画面は8段階で回転可能。残念ながら拡大縮小はできない
  • 関連タイトル:

    ザナドゥ・ネクスト(Windows 7対応版)

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