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[E3 2006#043]Ubiブースで新しい「Splinter Cell:Double Agent」の姿を垣間見た
かつてのように敵地に物理的に潜入して情報を奪取するのではなく,テロリスト組織に仲間として潜入して敵の壊滅を図るという,前三作には見られなかった新しい展開なのである。そのため,サムは計画的に犯罪者として収監され,敵組織に接近するのだった……,というお話。おまけに,最愛の娘サラが自動車事故で亡くなり,心に痛手を受けているという,ますます男ばっかりのキャスティングが予想される設定まで付くのだ。これまでのように,シニカルな軽口を叩きながら任務を軽々とこなす,今流行の“ちょいワル”系(本当は,誘拐,暗殺,破壊工作なんでもこいの極悪系だが)の彼のまったく違った側面が見られるかもしれないのである。
公開されていたムービーでは,テロリストの仲間になったサムにボスが「まずいことになった」と言いつつピストルを渡し,「奴を始末しろ」。見ると,そこには囚われのランバート大佐(前三作通じての上司にして友人)の姿が。撃つか,助けるか,どうするサム? といった具合だ。私なら撃っちゃうけど。大佐だし。
本作にはこういった決断を迫られるシーンが何か所か登場し,それによってストーリーが分岐するゲームシステムになっている,とのこと。最大の目的は,カバーを見破られないことなのだが,その目的のためテロリストの言いなりになって悪事に手を染め続けていくと,やがてワシントンの本部がサムの忠誠心に疑問を持ち始める。娘を失い,精神的に不安定になっているだけになおさらだ。いっそのこと,エージェントからテロリストに転向,なんてこともできるらしい。まさかとは思うのだが,うーむ,分からない。
もちろん,テロリストの命令に逆らってばかりだと,当然ながら今度は敵から疑いの目を向けられる。いつものように,現れる敵を次々と倒して進んでいくというわけにはいかないのだ。
はしごを昇り,洗濯物をかけるロープを伝い,屋根を歩く。戦車に爆弾を仕掛けて吹き飛ばし,銃を撃って敵をおびき寄せ,その隙にトラックの下に潜り込むサム,といった感じのデモプレイが続き,ぱっと見,スプリンターセルとは思えないくらいだった。
また,今回のサムと彼の装備にはパラメータが付き,任務を達成するたびに潜入スキルが上がったり,暗視ゴーグルが改良されたりするRPG的な要素も加えられている。
任地も,雪と氷に包まれたどこか寒いところから,シンガポール,ロサンゼルス,そしてニューヨークなど,スパイ活劇らしくロケーションも豊富。
正直,ここまで変わってしまうとサムのサムらしさが楽しめるのかやや不安でもあるが,前三作で順調に進化を続けてはきたとはいえ,飽きられる前にここらでちょっとした改革が必要なのは事実だろう。9月,どんな姿であの男が現れるのか,今から楽しみだ。(松本隆一)
- 関連タイトル:
Tom Clancy's Splinter Cell: Double Agent 日本語マニュアル付英語版
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