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  • 発売日:2006/11/28
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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[G★2005#047]エンディングのあるMMORPG「Cabal Online」
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印刷2005/11/14 02:12

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[G★2005#047]エンディングのあるMMORPG「Cabal Online」

 「Cabal Online」はEST softが開発したMMORPGである。
 まず,EST softという会社を説明しておいたほうがいいだろう。EST softは,韓国では有数のツールメーカーだ。画像ビューワや圧縮ツールはほとんど誰でも使っているというくらい普及した製品を扱っているという。
 加えて,メッセンジャーやインターネット上のディスクスペースを提供するInternetDISKなどのシステム開発も手がけており,サーバーサイドプログラミングでも一級の実績を持つという会社だ。
 
 「なんでそんな会社がゲームを?」と思う人も多いだろう。普段お堅いものばかり作っているためか,開発者からゲームを作りたいという声が非常に高かったのだという。実は,DOS時代にゲームを作ったこともあるそうだが,諸々の事情でパッケージ化は断念していたという経緯があり,このCabal Onlineが同社初のゲームタイトルということになる。
 もともと技術力のある会社だけに,クライアント,サーバーなどすべてが自社開発の技術で作られているという。画面を見て最新のゲームと比較すると,ところどころ表現の稚拙な部分も見えはするのだが,最初の作品でこの水準であればたいしたものであろう。

 動作は非常に軽い。必須環境としては,PentiumIII/800MHz以上で動作し,ビデオカードもGeForce2MX200以上と,3Dがサポートされていればほぼなんでも動くという状態だ。推奨環境を見ても「GeForce4Ti」などという控えめなスペックが見える。いまとなってはかなり古めのPCでも,水面の反射や派手なエフェクトなど,すべて処理できる。回線の最低要求帯域に至っては,わずか4kbpsである。
 ハード仕様としては,数世代前のもので動くゲームだが,表現的には,最新とはいえないとしても,さほど落ちるわけでもないところでまとめている。
 韓国産のMMORPGなど珍しくもない世の中だが,こういった会社までオンラインゲームに参入してくるあたりが,市場の勢いの違いというものだろうか。

 ということで,ゲーム本体の話に移ろう。
 Cabalは遠未来の世界を舞台にした物語である。Nevarethという世界では,Cabalという強い力を持った集団がいる。プレイヤーもCabalの一員となる。かつてCabalはその力をもって地上を楽園としようと試みた。しかしそれは失敗に終わり,人類は何度か絶滅の危機を迎えつつもなんとか生き延びて勢力を伸ばしつつあるといったところだ。Cabalのリーダーは再び迫りくる壊滅の危機を予見し,それを防ぐための手段を探している。プレイヤーは,その世界でさまざまな謎を解いていくことになる。
 MMORPGの場合,ストーリー背景などはほとんどゲームに関わってこないものではあるが,この作品では,何度も襲いくる災厄の原因を追究することがゲームでの究極の目的となる。レベル100になると与えられるクエストをクリアすると,ゲームのエンディングが待っている。一人用のRPGなどと同様に,このゲームにはエンディングが用意されているのだ。なお,エンディングを迎えたプレイヤーは新しいワールドに招待されるので,ゲーム自体がそこで終わるわけではない。

●種族と文明
 Nevarathには,2種の種族と3種の文明が用意されている。まず,種族としては,人間とエルフのみ。文明とは,文明化の程度を表し,Melee系のスキルしか使えないもの,魔法や技術などのスキルに長けたもの,魔法を高次元で使いこなしているものに分けられる。魔法とはいっても,ファンタジー系の黒魔法的なものではなく,スターウォーズのフォースのようなイメージで,そのままフォースとも呼ばれている。最高文明では,フォースを固めて盾を作ったり,矢の代わりにフォースを発射するなどと,武器や防具とフォースが一体化した,「なんでもフォース生活」を送ることになっている。
 また,バトルスタイル(クラス)は各文明で2個ずつで全部で6種類だ。



●戦闘
 戦闘では,自動戦闘を廃し,攻撃タイミングによってコンボの決まるアクションゲームタイプが採用されている。このあたりはムービーを見ていただかないと分かりにくいと思うが,攻撃終了とともに伸びるバーが指定の位置(欄に区切りがある)の近くになったときに攻撃するとコンボが決まるようになっている。

●ゾーン/クエスト
 オープンβの時点では,4つのエリアと200のクエストが実装されている。さらに4つのエリアと200のクエストが現在準備中であるという。ユーザーフレンドリな機能としては,GPS機能があり,ゾーン内の適正レベルなモンスターの位置がマップに表示されたりする。これがあればモンスターを求めて無意味にさまようことはなくなるわけだ。
 クエストについては,ゲームが最終クエストに向かっていく作りであるというだけではなく,全体的に力を入れているという。全体的に,無意味な戦闘を繰り返すのが嫌いな人が作ったゲームなので,戦闘にはなるべくクエストやミッションなどでの動機付けをするように心がけられているようだが,まだ具体的にどう実装されているのかは確認していない。
 なお,最終クエストはレベル100になった人だけが受けるわけだが,そのクエストは一人でできるものなのかと確認してみたところ,開発者はとてもシャイな人なので,グループやギルドに入らなくてもゲームができるようにしたいと考えたのだそうだ。結果として,楽かどうかはともかく,シングルプレイでもレベル100に到達したり,クエストを完了することができるそうだ。



 最初にどういった人達がこのゲームを作っているかを説明したわけだが,ゲームを作りたくてもなかなか作れなかった人,そういう人の既存のMMORPGに対する不満がこのゲーム制作の原点ともなっていることもあり,MMORPGとしてはいくつかの新しい試みがなされている。その一つがMMORPGにエンディングを用意するというものだ。
 既存のMMORPGは,逆にエンディングのないRPGであるため,いくつかの弊害が発生している。高レベルに達したキャラクターはだんだんやることがなくなっていく。初心者は高レベル集団に囲まれてやりにくい。ちょっと頑張って手に入れたアイテムも市場価値はほとんどなくなっていたり,市場経済がインフレで固定していたりしていては新規ユーザーを安定して迎えることもできなくなる。サービス開始時期から始めたプレイヤーでなければゲームを本当に楽しめないという問題はMMORPGであれば少なからずついて回る。
 メーカーも高レベルプレイヤーにあわせた拡張を次々と繰り返さざるをえず,格差はますます深まって悪循環は続いていく。
 このような問題を解決する試みとして,この作品ではエンディングが導入されている。正直いって,これがうまく機能するという保証などはまったくないだろう。実際どのような評価となるかはまだまだ分からない。ゲーム自体は10月31日にオープンβテストに入ったばかりなのだ。それでも,そういう部分に問題意識を持っている人が作っているゲームだというのは重要なことではないだろうか。

 半面,このゲームは多分に開発者の趣味を反映して作成されているように思われる。ツボにはまれば非常に楽しめるかもしれないが,一般的なMMORPGとは故意に変えられている部分に馴染めない人もいるかもしれない。その辺りは今後のβテスターの評価によってある程度分かってくるだろう。
 ちなみに,テスト開始初日には同時接続6万人を記録したそうだ。初ゲームでこれだけ動員できた背景には,市場占有率7〜8割ともいわれる同社の圧縮解凍ツールにある広告欄でバナーを流していたことも大きな影響を与えたと思われる。資金力,技術力,宣伝力などを備えた同社は,新規参入ながら侮れない存在となりそうだ。
 ちなみに,日本からもいくつか打診はきているようで,国内サービスでお目にかかれるのは,もしかしたら意外と早いのかもしれない。(aueki)

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    CABAL ONLINE

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