インタビュー
「パーフェクトワールド」が本格的なBOT駆除に乗り出す。運営ディレクターが語るアップデート「Nightmare illusion」と,新たな不正者対策とは
このアップデートでは,既存コンテンツの高難度モードや新たな経験値獲得システムが実装されるほか,BOT対策に主眼を置いた「バトルタイム」システムが導入される。さらに運営チームの体制も刷新し,これまで以上に不正者対策に取り組んでいくという。そこで4Gamerでは,同タイトルの運営ディレクターを務めるシーアンドシーメディアの佐藤知宏氏に,今回のアップデートと運営チームの取り組みなどについて話を聞いた。
2012年5月に実装されたばかりの「夢幻宮」に上級モード「ナイトメア」が登場
今回のナイトメアでは,新たに3つの関門がクエストとして用意される。ボスモンスターに挑戦するには,3つの関門のいずれかをクリアする必要があるのだが,どの関門がプレイヤーの前に立ちふさがるかはランダムとなっている。
困難を乗り越え,首尾よくナイトメアのボスモンスターを倒したプレイヤーは,古の龍の秘法「ドラゴンカートリッジ」を稀に獲得できる。このアイテムを入手すれば,ルミネス/シェード/カグヤそれぞれの勢力専用の上位スキルを習得可能だ。
「3つの関門がランダムに出現し,またその内容にもランダム要素が絡んできますので,完全な攻略法を確立することはできません。かなり高難度になりますので,初見でクリアするのは難しいでしょう」(佐藤氏)
また,ダンジョン「鳳鳴谷」には,レベル100以上を対象に歯ごたえを増したモードが追加される。腕に覚えのあるプレイヤーは,こちらにもぜひ挑戦してもらいたいと,佐藤氏は話していた。
「瞑想石は,毎日数時間プレイしている人であれば1日につき1〜2個くらい入手できます。瞑想をレベルアップのサポートとして上手に使っていただけるとよいのではないでしょうか。
また,2012年8月28日まで,初心者向けのレベルアップキャンペーンを行っていますので,まだ瞑想を利用できないレベル30以下のプレイヤーも,この機会にぜひレベル31以上を目指してみてください」(佐藤氏)
不正者対策強化の手始めは戦闘時間を制限する「バトルシステム」の導入
また,このアップデートから,プレイヤーキャラクター1体あたり,1日8時間の「バトルタイム」が設定されることとなった(毎日1:00にリセット)。バトルタイムは,ほかのオンラインゲームでいうところの疲労度のような概念で,各キャラクターが戦闘している時間に応じて減少していき,ゼロになると,経験値/SP/ドロップアイテムのいずれも入手できなくなる。
ここで注目しておきたいのが,バトルタイムとしてカウントされるのはプレイ時間ではなく戦闘時間という点だ。すなわち,モンスターとエンカウントして戦闘状態に入るとカウントが始まり,戦闘が終わればストップするのである。
「数字だけを見て"プレイを8時間に制限"と解釈してしまうと,もの足りないと感じるヘビープレイヤーもいらっしゃるかもしれませんが,移動時間などはカウントされませんから,通常のプレイで1日8時間のバトルタイムを使い切ってしまうことはほとんどありません。
今回,このシステムを導入するのは通常の範囲を超えたプレイ,つまり,連日24時間稼動するBOTの活動を規制するためなんです」(佐藤氏)
佐藤氏いわく,本タイトルではこのところBOTを使用する不正アカウントが増加しているという。無論,運営チームでも不正アカウントを停止するなどBOT駆除に鋭意取り組んでいるのだが,不正者はアカウントを停止されても即座に新規アカウントを作成してしまうため,イタチごっこの状態となる。とくに2012年4月に取得経験値3倍の新規ワールド「スピカ」を開設して以降,その傾向は顕著になっているそうだ。
さらに公式サイトでは,なぜRMTが不正行為にあたるのかといった解説や,アカウントハッキングに対する意識を高めるためのコーナーを設けるなど,プレイヤーに向けた啓蒙活動も実施する。
「今回,不正プレイヤーを一時的に隔離する特殊マップを設置しました。このシステムにより,不正の疑いがあるプレイヤーを即時隔離できるようになりましたので,今までよりもスピーディな対応が可能になります。
またセキュリティ上の理由で,詳しく説明できないのですが,お話ししてきた以外にも新しい対策をいくつか導入します。効果が目に見えるようになるまでには半年,1年と時間が掛かるとは思いますが,腰を据えて不正者対策に取り組んでいきます」(佐藤氏)
また,2012年8月からは,サーバー間対人トーナメント大会「PWJC 2012」を開催。今回は,運営チームが用意した専用のキャラクターと装備を使用したトーナメントとのことで,低レベルプレイヤーを含めた多くの人が楽しめる内容にすると佐藤氏は語る。
スケジュールは2012年8月に参加者を募集し,続く9月から予選が始まるとのことだ。またトーナメント上位の試合は特設サイトで生中継されるが,それ以外の試合も,希望者が見学できるような仕組みを考えているという。
最後に,佐藤氏が語った今回のアップデートおよび不正者対策についての意気込みを掲載して,本稿の締めとしよう。
「新コンテンツを楽しんでいただきたいのはもちろんですが,私個人としては,それ以上に不正者対策に注目していただきたいと考えています。正規プレイヤーの皆さんには,これまでご迷惑をお掛けしてきましたが,このアップデートをきっかけに不正者の撲滅を図っていきます。運営チームの体制をはじめ,パーフェクトワールドはこれから確実に変ります。ぜひ期待してください」(佐藤氏)
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