ASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)は,「CeBIT 2007 Hannover」において,ゲーマー向けアイテムの新製品を多数出品した。なかでも,最も力の入っていたのが,3D性能にこだわったノートPCだ。
「Mobile Warrior」という愛称が与えられた同社のゲーマー向けノートPCは,15.4インチ液晶を搭載した
「G1」と,17.1インチ液晶を搭載した
「G2」の2モデルが展示されていた。
G1(左)とG2(右)。G2の展示品には「G2P」とあり,そして製品カタログには「G1P」という製品も載っていた。バリエーションモデルが存在するのかもしれない
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■硬めの打鍵感を実現した専用キーボードを搭載
■G1は国内展開の可能性も
ゲーム用ノートPCらしく,パンタグラフ式キーボードにもこだわりが。キートップのシルク印刷はゲーム用モデルならではだ
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G1,G2に共通するのが,通常のノートPCよりもクリック感を強めに設定したというキーボードの採用だ。
[W/A/S/D]キーはハイライト表示されており,ゲーマー向けモデルらしさの演出に一役買っている。また,ユニークな機能としては,アプリケーションがDirectX 9を有効化したときに,液晶脇のLEDが点灯する「ASUS Direct Flash」機能が挙げられるだろう。
重量はG1で3.1kg,G2で4.4kgと,はっきりいってかなり重いが,LANパーティなどを考慮してか,オリジナルのデイバッグが本体に付属するという。デイバッグには,ASUSTeKのゲーマー向けデバイスに共通して訴求されている
「ASUS Gaming Series」のロゴがあしらわれている。また,ゲーマー向けマウスもバンドルされる予定だ。
上段左:デモ機はFlashファイルを再生しているだけだったので,ASUS Direct Flashのイメージは画像でご勘弁を。こんな感じで液晶ディスプレイの両脇が光る
上段右:トラックパッドも独特。ASUS Gaming Seriesのロゴが配されている
下段左:これがバンドルされるデイバッグ
下段右:どこかで見たようなデザインのゲーマー向けマウスもバンドルされる
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G2はキーボードの左右に大型のスピーカーを内蔵
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さて,ディスプレイ解像度1200×800ドットとなるG1は,CPUに「Core 2 Duo T7200/2GHz」,チップセットには「Intel 945PM Express」を採用し,メインメモリはPC2-5300 DDR SDRAMを合計2GB搭載。GPU(グラフィックスチップ)には「GeForce Go 7700」(グラフィックスメモリ512MB),HDDは回転数5400rpmの160GBモデルを採用しており,ノートPCとしてはかなり高いスペックといえるだろう。
G1は日本市場への投入も検討されているという。
もう一方の,フラグシップとなるG2のディスプレイ解像度は1680×1050ドット。チップセット,メインメモリといった基礎的なスペックはG1と変わらないが,CPUは「Core 2 Duo T7400/2.16GHz」,GPUが「ATI Mobility Radeon X1700」(グラフィックスメモリ512MB)に変更されている。
天板は,G1がカーボンファイバー風,G2がヘアラインとなる
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いずれもOSには「Windows Vista Home Premium」を採用し,G1が1800ユーロ前後,G2が2000ユーロ前後になる見込み。関税の兼ね合いもあるため,そのままの価格で日本に来るとは考えにくく,参考程度に捉えてほしいが,G1の1800ユーロ前後というのは,約28万円(2007年3月19日現在)という計算になる。
■さりげなく展示されていたROGの新製品は
■Intelの次世代チップセットを搭載
“Gaming Motherboard”として展示されたオーバークロックシステム。マザーボード名やチップセット名は伏せられていた
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マザーボードでは,「Republic of Gamers」ブランドの新製品
「SAUTERNES」(サターンズ)が,ブースでさりげなく公開されていたのをお知らせしたい。
SAUTERNESはIntelの次世代チップセットである
「Intel P35 Express」搭載製品で,マザーボードの展示エリアに備え付けられたオーバークロックシステムのデモに採用されていた。もっとも,実際はビデオを流していただけだったが,Intel P35 Expressは現行の「Intel P965 Express」よりも優れたオーバークロック性能を示すと説明するマザーボード業界関係者も多く,人気となった「COMMANDO」以上のパフォーマンスを発揮することが期待される。
左:基板上には,これまでのROGシリーズにはない「SAUTERNES」の文字が。開発コードネーム「Bearlake-P」ことIntel P35 Expressを採用した試作品のようだ
右:基板背面にもヒートパイプが巡らされたVRM冷却用ヒートシンク。ただし,製品版でもこの形が採られるかどうかは未定という
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同デモシステムのスクリーンには,シンガポールのオーバークロッカーであるShamino氏による液体窒素冷却によるオーバークロックのデモが流された。その記録は3DMark06で23773というもの。なお,実際の記録達成には,同社のCOMMANDOが用いられたそうだ
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このほかASUSTeKは,前出のASUS Gaming Seriesで,
「OC Gear」というグラフィックスカードのオーバークロック用デバイスも公開した。これは3.5インチベイ用の製品で,ASUSTeK製のグラフィックスカードと接続すると,GPU温度やファンスピードなどのモニタリングや,ボリュームコントローラを使ってGPUクロックやGPUクーラーのファン回転数調整を行えるという。
ASUS Gaming Seriesではもう一品,
「Arctive Square」という新製品が投入される予定だ。同製品は,4本の銅製ヒートパイプによって熱伝導性が高められ,さらにファンの風をVRMエリアにも導けるようフィンのデザインにも工夫が凝らされているとのこと。放熱性能だけでなく,ノイズレベルも従来製品と比べて改善しているという。
両製品の価格はまだ未定だが,それほど遠くない将来,日本市場にも投入される見通しだ。(ライター:本間 文)
OC Gear(左)とArctive Square(右)
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