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[GC 2006#11]映画ライセンスにかけるMidwayが,今後のラインナップを発表
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印刷2006/08/24 13:22

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[GC 2006#11]映画ライセンスにかけるMidwayが,今後のラインナップを発表

Midway Games社長David Zucker(デイビッド・ザッカー)氏
 Midway Games社長David Zucker(デイビッド・ザッカー)氏が,Games Convention会期中に記者会見を行い,同社の今後の展開を説明するとともに,新しいプロジェクトの発表を行った。
 MidwayがGames Conventionに参戦するのは初めてのこと。ロンドンやミュンヘンにある販売支部を利用し,ヨーロッパ市場の開拓に乗り気になっている模様だ。

 アメリカのMidway Gamesと聞いても,多くの人が思い浮かべるのは近年復活した「Mortal Kombat」や,スポーツ系FPSでは頂点にある「Unreal Tournament 2007」の販売元というくらいだろう。しかし,その歴史は娯楽施設に電子機器を提供していた'50年代にまで遡り,'80年代には「スペースインベーダー」や「パックマン」などのアーケード機をアメリカで手がけていたこともある。今でもゲームソフトウェア販売では,全世界の20位圏内に属する,トップクラスのゲーム企業なのである。

 さて,今回Midwayが発表したラインナップは以下のとおりだ。
  • Unreal Tournament 2007(PC,PS3)
  • Mortal Kombat: Armageddon(PS2)
  • Stranglehold(PC,PS3,Xbox 360)
  • Spy Hunter: Nowhere to Run(PS2)
  • Happy Feet(PC,PS2,Cube,Wii,GBA,DS)
  • The Ant Bully(PC,PS2,Cube,GBA,Wii)
  • LA Rush(PSP)
  • Mortal Kombat: Unchained (PSP)

 また同社は,これとは別に「The Wheelman」という新しいプロジェクトが進行していることを発表。このソフトは,実はMidwayが映画産業の一角を担うパラマウントに持ち込んだ企画で,ゲームと映画の開発を同時進行させる珍しいプロジェクトなのである。
 なお,すでにアクション俳優のヴィン・ディーゼルを主演として起用することも決定している。まだプレレンダリングのCGムービー程度しか出来あがっていないとはいえ,スペインのバルセロナを舞台に,運転の腕前を頼りに犯罪者でもあり得る依頼人の逃走を手助けする“ホイールマン”稼業の主人公を描いている模様だった。

 Midwayのリリース予定を見ると,プレイステーション2およびPSP,プレイステーション3にかなりの力を入れているのが分かる。とくに,Unreal Tournament 2007がプレイステーション3でリリースされるというのは驚きで,Epic GamesはXox 360用の「Gears of War」と,うまくプラットフォームを分けた印象だ。
 そのアクション性の高さから,先のE3ではアクションゲーム賞を獲得するほど期待の集まる作品「Stranglehold」が,PS3専用という当初の発表から,PCゲームとしてもリリースされる予定に変更されたのも嬉しいニュースである。このStrangleholdは,香港アクション映画の大家ジョン・ウー監督が,久々に俳優チョウ・ユンファとタッグを組んで制作している新作映画であり,ウー監督自身もMidwayのゲーム化に際しては積極的に動いている様子。今回の会見でも,会場では非公開の映像クリップや,監督自身のビデオメッセージが紹介された。

左:「Unreal Tournament 2007」 右:「Stranglehold」


 このほか,世界最大のプロレス団体WWEで“ロック様”として活躍していたドウェイン・ジョンソン主演の「Spy Hunter: Nowhere to Run」に加え,年末にリリースされる予定のアニメ映画「Happy Feet」「The Ant Bully」など,全体的に映画のライセンスゲームが非常に多いのがMidway Gamesのラインナップの特徴となっている。

 「ライセンスゲームはクソゲー」という論調が未だに業界やゲーマーの間では強いが,このことに関してデイビッド・ザッカー氏は,「ハリウッド映画のように,何百億という予算をかける娯楽の開発は間違っている。ゲームビジネスとしても,そのようなリスキーな映画のライセンスに投資するのではなく,その内容をよく吟味して選んでいくことが求められている」と力説する。映画の知的所有権を活用するのは,「プレイヤーの想像力を補充する点で価値が高く,ライセンスゲームのコンセプト自体は間違っていない」という論調だ。
 ザッカー社長の話は,「映画産業に利用されるのではなく,ゲーム産業が主導権を握るべきだ」ということ風も聞こえる。実際のところ,映画,音楽,テレビなど各エンターテインメント産業を比較しても,今後の急成長が予想されているのはゲーム産業だけであるのは事実である。このラインナップが当たれば,ゲームビジネスにとっては面白い展開になるといえるかもしれない。(ライター:奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    Stranglehold

  • 関連タイトル:

    アンリアル トーナメント 3 英語版 日本語マニュアル付き

  • 関連タイトル:

    The Ant Bully

  • 関連タイトル:

    Spy Hunter: Nowhere to Run

  • 関連タイトル:

    Happy Feet

  • 関連タイトル:

    WHEELMAN

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