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[E3 2006#023]チームプレイに特化したユニークなRTS「World in Conflict」がプレイアブルで出展
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印刷2006/05/11 22:38

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[E3 2006#023]チームプレイに特化したユニークなRTS「World in Conflict」がプレイアブルで出展

 Vivendi Universal Gamesのブースには多くのタイトルが展示されているが,そのなかでもひときわ多くの試遊台でアピールしていたのが「World in Conflict」(以下WiC)だ。
 WiCはMassive Entertainmentが開発中の3D RTS。冷戦のさなか,ソ連がヨーロッパへ侵攻したのを皮切りに,世界大戦が勃発するというバックストーリーを持つ。



■「Ground Control」のスタッフが携わった近未来RTS

 WiCは資源採取を行わないタイプのRTSで,「6000G」の所持金を元手にユニットを購入すると,直ちにゲームがスタートする。
 ゲームの目的は敵ユニットを殲滅すること……ではない。マップ内に複数ある拠点を制圧することで一定時間ごとに得られる「コマンドポイント」を多く獲得した側の勝利となる。また,コマンドポイントを消費することで,爆撃などの支援攻撃を受けることも可能だ。
 支援攻撃のなかには,核爆弾といった圧倒的な破壊力を持つものもあるが,実行には多大なるコマンドポイントの消費が必要になる。ポイントを貯めて勝利を目指すか,大なり小なりの支援攻撃で敵ユニットの数を減らしにかかるか。このさじ加減が勝敗のカギとなりそうである。

 ユニークなのは視点変更方法で,マウスやカーソルキーだけではなく,W/A/S/Dキーでも可能。一人称視点でのプレイができるようになっている。RTSでありながらFPSの臨場感を取り込もうとしているというわけだ。



 近未来をモチーフとしたRTSでこの操作スタイル,しかも開発元がMassive Entertainmentと聞くと,筆者は思わず「Ground Control」シリーズが頭をよぎってしまった。もしやと思って,ブースにいたメーカー担当者に聞いてみると,果たしてWiCは,かつてGround Controlに携わっていたメンバーが中心になって開発しているという。
 件の担当者によれば,E3 2006時点における開発進行度はα版レベルにすら達していないとのことだったが,試遊台で実際にプレイしてみた限り,ゲームの根幹部分に不安要素は感じられない。WiCのゲームエンジンには,Ground Controlのブラッシュアップ版が用いられているのではなかろうか。



■4種類の役割を使いこなしてチームに貢献

 WiCをプレイして新鮮に感じたのは,「ロール」(役割)という概念だ。ユニットには「Armor」「Infantry」「Air」「Support」という4種類のロールのいずれかが割り当てられており,プレイヤーは4種類のロールのうち,同時には一つしか利用できないのである。
 もう少し具体的に説明しよう。例えばInfantryには歩兵系ユニット,Airなら飛行系ユニットしかない。もちろん,「InfantryはAirに対して極端に弱い」などといった,いわゆるジャンケン関係もある。
 なお,手持ちのユニットをすべて失うというペナルティ付きで,自分のロールを変えることも可能。よって,個性がきわ立った者同士の対戦でありがちな,「詰み」に陥る危険性は回避されている。

 いったいなぜこのようなシステムになっているのかというと,WiCはマルチプレイでのチームプレイを大々的にフィーチャーしているため。異なるロールの味方同士が力を合わせ,お互いの弱点を補い合って戦力を高め,敵を打倒するシステムになっているというわけだ。
 WiCのマルチプレイは最大で16名もの大規模戦で(これは「Ground Control II」の倍の規模),このロールの振り分けや切り替えタイミングが最大の焦点となるのは想像に難くない。




 ちなみに,試遊台でプレイしていた人達をしばらくの間見ていたが,ロールのシステムがあまりにもユニーク過ぎるためか,すぐに理解できている人は少ない印象だった。完成度がまだまだの時点なので評価は行わないが,おそらくロールを軸としたマッチングシステムの完成度が,大規模なチーム戦におけるキモとなるだろう。このあたりがどう作り込まれていくのか,非常に楽しみだ。

 WiCは,根幹となる部分がしっかりしているだけに,少なくとも,ここから極端に期待を裏切ることはないように思える。Ground Controlシリーズのファンのみならず,RTSでの協力プレイを好むプレイヤーであれば,今後も要チェックのタイトルといえるだろう。
 なお,製品版の発売は2006年末〜2007年初頭が予定されている。(川崎政一郎)


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