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Intel,SLI&CrossFireサポートの8コアシステム「Skulltrail」を正式発表
Intel Dual Socket Extreme Desktop Platformは,
- Core 2 Extreme QX9775/3.20GHz
45nmプロセスで製造される,FSBクロック1600MHz,実クロック3.20GHzのクアッドコアCPU。L2キャッシュ容量6MB×2,TDP 150W - Intel Desktop Board D5400XS
Intel 5400チップセットを搭載したデュアルCPUソケット搭載マザーボード。対応メモリモジュールはPC2-6400/5300 DDR2 SDRAM FB-DIMMで,一般的なデスクトップPC向けDIMMは非対応
なお,Core 2 Extreme QX9775は量産出荷中で,1000個ロット時の単価は16万2190円。Intel Desktop Board D5400XSの量産出荷時期と価格は,現時点で明らかになっていない。
ところでIntelは同プラットフォームを,「究極の性能を追求するPCユーザーにとっては、非常に魅力的な製品」(※リリースより)と位置付け,とくにゲーマーや,ゲーム開発に携わる3Dアニメーターやサウンド制作者,HDビデオ編集者がターゲットとされている。
ゲームプレイにおけるポテンシャルは2008年2月4日の記事で検証結果をお伝えしているとおり。1000個ロット時価格が16万円を超え,店頭価格はそれよりも高くなると予想されるCore 2 Extreme QX9775を2個購入しても,現時点ではコストに見合ったメリットを体感しづらい。しかし,リリースで発言が引用されているid SoftwareのRobert Duffy(ロバート・ダフィ)プログラミングディレクターが,8コアシステムとスレッディング技術を活用することで,ゲーム制作およびテスト作業の短縮化が可能になり,より短期間でゲームを市場投入できるようになると述べている点は,記憶に留めておくべきだろう。ゲーマー向けのハイエンドプラットフォームであるか否かについては議論の余地があるものの,次世代PC環境を想定しながらゲームを開発するようなスタジオにとっては,Intel Dual Socket Extreme Desktop Platformに相応の意義があるというところだろうか。
### 以下,リリースより ###
インテル株式会社(東京本社:東京都千代田区丸の内3-1-1、代表取締役共同社長 吉田 和正 /ロビー・スウィヌン)は、本日、従来のクアッドコアおよびシングル・グラフィックス・カードのパフォーマンスに飽き足らないユーザーをターゲットに、「インテル(R) デュアルソケット Extreme デスクトップ・プラットフォーム」を発表しました。今回発表の新製品は、同社初のハイエンド・デスクトップ・プラットフォーム(開発コード名:Skulltrail)で、2つのインテル クアッドコア・プロセッサーを搭載することにより、8コアのPCプラットフォームを実現し、同時にATI(*)またはNVIDIA(*)が提供するマルチカード・グラフィックス・ソリューションもサポートします。
インテル コーポレーション コンシューマーPC事業部長ジェフ・マクレアは「8コア対応PCプラットフォームは、究極の性能を追求するPCユーザーにとっては、非常に魅力的な製品です。過去に類のないインテル(R) デスクトップボード D5400XSは、様々なクアッド・グラフィックス・ソリューションと2つのインテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサーの柔軟な組み合わせにより、高性能なコンピューティング体験を提供します」と述べています。
インテル(R) デュアルソケット Extreme デスクトップ・プラットフォームは、インテル(R) デスクトップボード D5400XSと2つのインテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサー QX9775によって構成されます。ゲーム愛好家は、複数のグラフィック・カードを同時に使用するNVIDIA SLI(*)またはATI Crossfire(*)グラフィックス・カード・ソリューションのサポートにより、先端のグラフィックスを駆使したゲームタイトルを楽しむことができます。また、8コアのPCプラットフォームのもたらすパフォーマンスは、最先端のゲーム制作に携わっている、3Dアニメーターやデジタルサウンド・アーティスト、HDビデオ編集者からもたいへん歓迎されるでしょう。
id Software社のプログラミング・ディレクターのロバート A ダフィ氏は「idで世界レベルのゲームタイトルを制作しているチームにとって、開発に要する時間こそ、最も貴重な資産なのです。インテルの強力な8コア搭載のプラットフォームを用いることにより、我々の開発チームは最新のタイトル制作およびテスト作業を最も短時間に達成することが出来ました。8コアおよびスレッディング技術の活用により、我々はこれまで最も時間を必要としていたコード生成作業を4時間から20分に短縮することができました。また、長い目で見れば、より短期間で優れたゲームを市場に投入することが可能になります」と述べています。
また、HDビデオがこれまで以上に広く普及していることにより、より多くのデジタルメディア制作者はエンコーディングや編集作業に必要な、強力なCPUパワーを兼ね備えたPCを求めています。この新しいプラットフォームにより、これらの作業はより容易になり、DivX(*)のようなビデオ開発者は、その可能性に着目しています。
DivX社 共同創立者のジェローム・ロタ氏は「我々はコーデックを8コアに最適化することで、ビデオ・エンコーディングで目覚しい性能向上を記録しました。8コア・テクノロジーをネイティブにサポートすることで、HDビデオのエンコーディングなどプロセッサーに高性能が要求されるアプリケーションにおいて符号化作業の速度を飛躍的に高速化しました。これにより、我々は高品質なデジタル・ビデオ体験をユーザーに提供しつづけることが可能となります」と述べています。
インテル(R) デュアルソケット Extreme デスクトップ・プラットフォームを構成する2つのインテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサー QX9775は、12MBのL2キャッシュ、1,600MHzのシステム・バスを備えており、動作周波数3.20GHzのクアッドコア・プロセッサーです。2つのCPUソケットを備えるインテル(R) デスクトップボード D5400XSと組み合わせたこのプラットフォームは、最新のベンチマークおいて過去最高のパフォーマンスと卓越したワークロードを達成しました。またインテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサーは、さらに高性能を求める経験豊富なユーザーのために、Bus Ratio Locks (オーバースピード・プロテクション)を外しました(**)。この新たな設定により、PCメーカーはシステムの柔軟なカスタマイズが可能となり、さらなるパフォーマンス向上を実現できます。
インテルのパフォーマンス・ベンチマーク担当ディレクタであるシャービン・ケラドピアは「この8コアのPCプラットフォームは我々が実験した中で最速のデスクトップPCでした。定格の3.20GHz動作時で3Dmark06 CPUテスト(***)において6,481のスコアを、そしてCinebench10(***)では、20,160のスコアを記録しました」と述べています。
価格と出荷について
製品名 / 価格(1千個受注時) / 量産出荷時期
インテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサー QX9775 (動作周波数:3.20GHz、1600MHzシステム・バス、12MB L2 キャッシュ搭載、150W TDP )/ @162190円 / 出荷中
シリコンの技術革新で世界をリードするインテルは、人々の仕事と生活をさらに豊かにする先進的な技術と製品を開発、イニシアティブを推進していきます。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jpで入手できます。
* インテル、Intel、Intel Insideは、米国およびその他の国におけるインテル コーポレーションまたはその子会社の商標または登録商標です。その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。
** クロック周波数および電圧の調整は、(i)システムの安定性やシステムおよびプロセッサーの寿命を損なう可能性、(ii)プロセッサーおよびシステムの故障の原因、(iii)システムのパフォーマンスを損なう原因、(iv)更なるダメージや(v)データの正確性に影響を与える可能性があります。インテルでは、規格外での動作については、テストも保証も行っていません。
*** 2つの インテル(R) Core(TM)2 Extreme プロセッサー QX9775 (3.20GHz、12MB L2キャッシュ、1600MHzシステム・バス)、2枚の2GB Channel Micron FBDIMM DDR 2-800 5-5-5-15、3枚のATI Radeon HD 3870 Graphics Card Crossfireモード、Pre-production ATI driver 8.47、Seagate 320GB Barracuda NCQ Serial ATA 7200 RPM、Windows Vista Ultimate 32bit。
性能に関するテストや評価は、特定のコンピュータ・システム、コンポーネンツ、またはそれらを組み合わせて行ったものであり、インテル製品の性能の概算の値を示しているものです。システム・ハードウェア、ソフトウェアの設計、構成などの違いにより、実際の性能はこれらの性能テストや評価とは異なる場合があります。購入を予定しているシステムやコンポーネンツの性能については、他社の情報も併せて参照されることをおすすめします。インテル製品の性能評価についてさらに詳しい情報をお知りになりたい場合は、www.intel.com/performance(英語)をご参照ください。
- 関連タイトル:
Core 2
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(C)2006 Intel Corporation