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  • 発表日:2006/07/27
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[COMPUTEX]「HUGIってなんだ?」Intel,3GHz超のノートPC用CPU発表。Atom用の次世代プラットフォーム「Pinetrail」は年末に
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印刷2009/06/03 04:30

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[COMPUTEX]「HUGIってなんだ?」Intel,3GHz超のノートPC用CPU発表。Atom用の次世代プラットフォーム「Pinetrail」は年末に

イベントの冒頭には,IntelのNavin Shenoy(ナビン・シェノイ)副社長が,台湾で最初に作られたものだという分厚いノートPCを持って「分厚く重く,画面も狭かったノートPCは長足の進歩を遂げたが,今日,さらに進化する」と挨拶した
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 2009年6月2日,IntelはCOMPUTEX TAIPEI 2009の開幕に合わせ,ノートPC向けでは初めて3GHzの大台を突破したCPU,「Core 2 Duo T9900/3.06GHz」(以下,T9900)や,CULV(Consumer Ultra Low Voltage)向けのチップセット「Mobile GS40 Express」(以下,GS40)を発表。さらに,モバイルコンピューティング全般についてのアップデートを,「Intel Mobility Event」と称する報道関係者向け説明会で行った。
 結論からいうと,今回のテーマはモバイルコンピューティング全般で,ゲームと直接関連した話題はなかったが,興味深い内容が多かったので,それらを中心にまとめてみよう。

T9900とGS40のほかにも,TDP 10WのULV版Core 2 Duoが1モデル発表されたのだが,その詳細はイベント中で明らかにされなかった
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T9900のポイントとMy WiFiをMooly Eden氏が解説


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Mooly Eden氏(Corporate Vice President, General Manager, Mobile Platforms Group, Intel)
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最新世代のCPUとチップセットを搭載したノートPCをHUGIと呼ぶそうだ
 イベントでは,Intelでモバイルプラットフォーム部門を統括するMooly Eden(ムーリー・エデン)氏が,「あらゆるものは薄く軽く進化する。例えば携帯電話だ」と,手のひらサイズの携帯電話を掲げてセッションをスタートさせた。そして,T9900とGS40が,より薄く,軽いノートPCを実現すると強調しつつ,薄さと軽さ以外に,多くのユーザーから望まれる重要なポイントとして,性能とバッテリー持続時間が挙げられるとした。

 「新しいCPUとチップセットは,ウェイクアップするなりトップスピードで動作し,必要がなくなったらすぐスリープに入る」と,Eden氏は,T9900とGS40を紹介。きめ細やかな電力制御で,高い性能と長いバッテリー持続時間を両立するに至ったとし,そんなノートPCを,「HUGI」(フギ)と位置づける。

 HUGIは,「Hurry Up and Get Idle!」の略と紹介した氏は,「『Microsoft Excel』を操作し,『TMPGEnc』でトランスコード処理を行い,さらにそのムービーを再生する」という一連の作業を自動実行するデモを実演。「Core 2 Duo T2700/2.33GHz」では,85秒の時間を要し,トータルの消費電力は1254mW/hに達したのに対し,T9900では同55秒,691mW/hで済むとし,HUGIの意義をアピールしてみせた。

オフィスソフトの利用とビデオファイルのトランスコード,再生。これらを順次実行して,所要時間とトータルの消費電力を比較し,高スペックのCPUをHUGIで用いるメリットを強調した
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My WiFiを使ってデジタルカメラとプリンタを接続し,その様子をPCから見ているデモ
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 Eden氏は,さらに「ノートPCは薄く,軽くなる。そうなると,プリンタケーブルや,ネットワークケーブルも邪魔になる」とし,「My WiFi」という新技術が,ケーブルの問題を解決すると紹介した。
 My WiFiというのは,Intelが2008年から謳いだした技術の一つだ。Wi-Fiといえば,現在はLANやインターネットを利用するためだけに使われるのがほとんどだが,My WiFiは,そんなWi-Fiを使って,PCと周辺機器の接続を行えるようにしようというものである。簡単にいえば,BluetoothのPAN(Personal Area Network)とほぼ同じ仕組みをWi-Fiで実現しようというわけだ。「ならBluetoothでもいいではないか」という気もしないではないが,BluetoothよりもWi-FiのほうがPCユーザーにはなじみ深く,かつ,搭載機器も多いという現実に即した解とはいえるかもしれない。
 イベントでは,My WiFiに対応するデジタルカメラとプリンタが用意され,撮影した写真を,その場でMy Wifi対応プリンタから印刷するというデモも披露された。

おまけとして,Webカメラを搭載する小さなロボットで,My WiFi接続がサポートされた「マイキィ」も登場した。登場するや否や壁にぶつかってしまうというハプニングも
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次世代Atomプラットフォーム「Pine Trail」は年末に登場


「NetbookとノートPCの違いを,日本の広告風に表現するなら……」(Eden氏)と,掃除機とハンディクリーナーを利用した例が挙げられた
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 ひととおりノートPCの話題を終えたEden氏は,Netbookに話題を移す。
 氏はまず,NetbookがノートPC市場を“喰ってしまう”という見解について触れ,「例えばノートPCでは,コンテンツを作ったり編集したりする。一方,Netbookではコンテンツを見るために使う。つまり,両者の使われ方は異なるのだ。だから,カニバリズム(※人間が人間の肉を食べること。ここでは,Intel製品が,Intel製品のシェアを奪ってしまう意)は生じない」と,その懸念を一蹴。
 そのうえで,長いバッテリー持続時間など,AtomベースのNetbookが持つ長所を挙げ,「Intelは,OSとして,二つの選択肢を用意している。WindowsとMoblin 2.0だ」と,5月末にβ版がリリースされたばかりのOSで,LinuxベースとなるMoblin 2.0搭載機を紹介した。メモリの使用量が少なく,動作が軽快で,Netbook的な使い方にマッチしているという。

5月末にβ版がリリースされたLinuxベースのOS「Moblin 2.0」のデモが行われた。モバイルに最適化されたユーザーインタフェースを持つというのがウリだ
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Pine Trail-Mプラットフォームと,現行のAtomプラットフォームのブロックダイヤグラム
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 そしてEden氏は,そういった状況を踏まえつつ,次世代Atomプラットフォーム,「Pine Trail」(パイントレイル,開発コードネーム)の登場を予告。「キャッシュを(より多く)内蔵するとコストがかかる。そこで次世代のAtomプラットフォームでは,キャッシュの代わりにメモリコントローラを統合する」とし,「Pine Trail-M」の概要を紹介した。
 それによると,Pine Trail-Mは,グラフィックス機能とメモリコントローラを統合した次世代Atom「Pineview-M」(パインビューM,開発コードネーム)と,I/O周りを担当する「Tiger Point」(タイガーポイント,開発コードネーム)の2チップ構成となり,「3チップだった従来製品と比べ,より低コストになる」(Eden氏)。

Pine Trail-M搭載の試作機を前に,今年末のリリースを予告するEden氏
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 会場には,Pine Trail-Mベースの試作機が並べられていた。詳細は明らかにされなかったが,写真で一番右に見えるのは,Eee PCをベースに――ただし,ASUSTeK Computerが試作したわけではない――したもので,見る限り,動作はかなり軽快な印象だ。グラフィックス機能とメモリコントローラの統合により,パフォーマンスは向上していると見ていいだろう。3Dゲームを満足にプレイできるレベルなのかというと,まだ苦しいはずだが。

 以上,ゲームに関連したネタがほぼゼロだった点は申し訳ないが,3.06GHzで動作するT9900は,今後,ゲーム用ノートPCに載ってくるのはまず間違いないし,Pine Trail-Mプラットフォームは,2チップ構成で筐体設計に自由度が増せば,ノートPC型のNetbookとは違った形の発展も期待できそうだ。

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