連載
「キネマ51」:第14回上映作品は「ストロベリーナイト」
グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が支配人を務める架空の映画館,「キネマ51」。この劇場では,新作映画を中心としたさまざまな映像作品が上映される。第14回の上映作品は,本格的なサスペンス刑事ものとしてTVシリーズも好評だった「ストロベリーナイト」だ。
「ストロベリーナイト」公式サイト
須田:
ということで始まりました,キネマ51,今日も張り切って参りましょう!
関根:
どうしたんですか! いやに元気一杯ですね。
須田:
いやいや,年末に向けてここから気合いを入れてね,この連載もますます盛り上げていかないとな,と。
関根:
ずいぶん前向きなご意見ですね。僕はてっきり,今日,この取材が2本録りだから気合いを入れ直しているのかと思いましたよ。
須田:
部長,そういうことは言わないように。で,まあね,秋といえば,イチゴのシーズンになるわけですが,
関根:
イチゴは春でしょう。
須田:
あ,春ですね。ということで,部長ね。夏休みはどうでした?
関根:
話が飛びまくりですね。しかも,けっこう前の話だし。うーん,夏休み,雨が多かったですね。ゲリラ豪雨が。
須田:
多かったですね。夏フェスに行ったりはしました?
関根:
フェスですか? 「WORLD HAPPINESS 2013」と「TOKYO IDOL FESTIVAL 2013」ぐらいですね。
須田:
部長は,今,推してるアイドルはいるんですか?
関根:
やはりアイドリング!!!ですね。
須田:
まだ?
関根:
まだ? ってひどいじゃないですか。
須田:
部長が一番好きな娘いるじゃないですか。あのおばちゃん[1]。
関根:
おばちゃんとか言わないでくださいよ。
須田:
いやいや,めちゃイケでおばちゃんキャラとしていじられていましたよ。おばちゃんおばちゃんって言われてフィーチャーされているのを見ました。
関根:
どんな形でもフィーチャーされるのはいいことですよね! ……って,なんでここでフォローしなきゃいけないんですか。
須田:
ところで,アイドリング!!!といえば,フジテレビから生まれたアイドルですけれども。
関根:
そうですね,CSのフジテレビ1,2,NEXTでは大活躍ですね。地上波にはなかなか出てきませんが,フジテレビから出てきたアイドルなのは間違いありません。
須田:
そのフジテレビといえば,TVドラマも名作が多いじゃないですか。
関根:
いっぱいありますねぇ……。「やまとなでしこ」「恋のチカラ」などなど。
須田:
それ,両方とも矢田亜希子が堤 真一にフラれるドラマじゃないですか。
関根:
あ,じゃあ,ちょっと古いトレンディドラマの時代ですけど,「すてきな片想い」なんかは良かったですね。
須田:
あ,野島伸司ですね。
関根:
支配人にとって名作といえば,どれですか? 例えば,この作品は映画化してほしいと思うぐらいのものは。
須田:
そういうことでいったら僕もあります。同じく野島伸司脚本の「この世の果て」[2]。あれ,劇場で見たかったなぁと。あらためて思いますけど,僕ら,ドラマも大好きじゃないですか。最近だとどんなものがお好みでしたか。
関根:
おっとっとっと,そうきましたか。いや,やはりここはですね,「ストロベリーナイト」良かったですね。
須田:
良かったですよー,TVシリーズ,本当に良かったですね。
関根:
劇場版も良かったですよ。
須田:
そうでしたね。じゃあ今回は,劇場版「ストロベリーナイト」ということで。
関根:
この長いイントロ,必要でした?
やっと映画の話に?
まぁ,そういうことでね。いきましょうかね。DVDやBlu-rayも発売中ですし。
関根:
そうですね。支配人はいかがでした?
須田:
誉田哲也さんの書かれた小説はけっこうドラマ化されていて[3],どれも好きだったので,この作品も楽しみにしていたんですよ。で,TVシリーズが始まって一番びっくりしたのが,近年TVでは避けられていたような死体や,殺人などの表現をきっちり描写していたことなんです。
関根:
なるほど。
須田:
それもただ撮るんじゃなくて,いろいろと工夫されていて。身体が真っ二つになるとか,池に死体が転がっていた場面とか,それを観たときに,あ,凄いシリーズだなって。しかも質がずっと高いまま維持されていたんですよ。完璧なドラマでしたね。
関根:
僕は一つだけ,不満というほどでもないんですが,ガンテツ役の武田鉄矢さんが,最近どのドラマの刑事役をやっても同じ演技なあたりは,ちょっとお腹いっぱいになってしまうというか。
須田:
言いたいことは分かります。NHKで放送された「リミット2」も怪演でした。でも,あのスパイスが後から効いてくるんですよね。
関根:
そうかもしれないですね。僕みたいな子供には,まだまだあの味は分からないのかもしれないです。
でもそういう意味でいうと,今回の劇場版,ガンテツの使い方がうまかったんですよ。「水戸黄門」でいうところの,風車の矢七くらいの登場回数なのが良くて。
関根:
なるほど確かに。しかも,なんていうんですか,良く言われる,映画のジャイアンはいい人と同じパターンでしたよね。
須田:
あ,そうそう。映画のガンテツはいい人。
関根:
ちなみに,ガンテツをフォローする訳じゃないんですが,
須田:
ほうほう
関根:
彼が最初に登場するシーン。
須田:
定食屋でカレーを食べてるシーンですね。
関根:
あの食堂ないるTVで流れていたのが,アイドリング!!!なんですよ。
須田:
マジですか。
4Gamer:
さすがフジテレビ
須田:
そこに登場していたんですね。部長,前振りうまいなぁ。
関根:
振ったのは支配人ですよ!
須田:
あ,そうだ。映画公開直前のスペシャル番組も観ました?
関根:
あ,観てないです。
須田:
TVドラマが映画化されるときのスペシャル番組って,大体がTVシリーズを2時間程度にまとめて,新撮は15分みたいな感じですよね。このパターンに,僕達はどれだけだまされてきたかって感じなんです。もう許せないっ!
今回も,そうなんじゃないかと思って観たら,ビックリしました。全部撮り下ろしなんですよ。しかも新作。劇場版のその後を短編オム二バスとして描いていたんです。凄いですよ! こんな気合いの入ったドラマは観たことがないと思いました。
関根:
スタッフの心意気を感じますね。
須田:
劇場版もそうですけど,その直前の特番1本も大事にするスタッフが作っているっていうのは,作品からきっちり伝わってきましたね。で,映画はどうでした,部長?
やっと,ほんとうに映画の話
関根:
やっと映画の話に来れましたね。いやぁ,面白かったですよ。劇場版ということで,多少は色が変わるかなとは思っていましたけど,登場人物達の説明から入るようなことはしないで,TVシリーズを観てるでしょっていう大前提でやってる感じは,潔くて良かったなと。
須田:
そそ。
関根:
あとは,あの,ここ何回かのこの連載のテーマみたいになっちゃってますけど,オチを無理矢理つけないっていうのがやはりいいなと思いました。もっと長いストーリーの間の127分という雰囲気が良く出来ていると思いましたね。
須田:
127分だったんですね。濃厚でしたね。長さも感じなかったですし。姫川のラブストーリーなのかと思ったら,それはほんと一部だけであって,
関根:
結果的にラブだったのどうかというのも,分からないですよね。
須田:
分からないですね。姫川の感情が,凄く丁寧に撮られているじゃないですか。あれが,映画でもそうなんですけど,彼女の心の揺らぎっていうのが,観てるこっちにも,グイグイ入ってくるんですよ。
関根:
あと,初めて出てきた組対の描写も良かったですね。
須田:
組対,そう! 組対,完璧でした。捜査本部に入ってきたとき,これ組対だ! ってすぐ分かりましたよ。しかも,現場の頭は柴 俊夫さんで,部長が今井雅之さんって最高でしたね。ストロベリーナイトの映画化というだけでなく,犯罪物の映画として,いやぁ,面白かった。これ,ほんと大満足ですよね。
じゃあ,そろそろゲーム。
須田:
ストロベリーナイトでゲーム。これはねぇ,フジテレビということで考えると。
フジテレビで考えますか。
須田:
フジテレビ発の代表的なゲーム……。
ありますあります,「夢工場ドキドキパニック」です。
4Gamer:
後の「スーパーマリオUSA」ですね。
須田:
そうそう,後日マリオの名義になって,大活躍という。
関根:
あと,なんですかね。フジテレビものといったら,浮かぶのは……「子猫物語」とか「タッチ」?
4Gamer:
野球と関係ないんですよね,タッチ。ボールを投げて敵を倒すという。
関根:
そんな横スクロールのアクションゲームでしたね。
あ,「料理の鉄人」がセガサターンで出ていました!
須田:
ありました!?
関根:
まぁ,ゲームというか,データベースのようなソフトでしたけど。
須田:
なんかどれも弱いですねぇ……。
そうだ! 竹内結子さんといったら,皆さんご存知だと思いますけど,任天堂っ娘じゃないですか。
関根:
ん?
須田:
あら,ご存じないの?
関根:
なんですか,その愛之助口調。番組が違いますよ。
須田:
私の記憶が確かならば,竹内結子さんといえば,NINTENDO64のCMでデビューしたはず。
関根:
さすが支配人。鹿賀丈史ばりの記憶力ですね。また番組違いますけど[4]。でも,それがデビューだったんですね。
須田:
デビュー……じゃないかと聞いています。
関根:
誰からですか?
須田:
誰かから。
関根:
あれあれ?
4Gamer:
デビューは違うようですが,「NINTENDO64 Wゲットだぜキャンペーン」のCMには出演していたようですね。
須田:
ほら,ね。
関根:
出たー,適当ー,支配人の真骨頂!
須田:
とにかく,ゲームとの親和性の高い女優さんなんですよ。竹内結子=任天堂なんですよ(ドンドン)。
関根:
わ,わ,分かりました。では,竹内結子さんが任天堂っ娘だったということで,NINTENDO 64のお勧めタイトルをご紹介しておきましょうかね。
須田:
まぁ,やっぱり,これですかね。「ゼルダの伝説 時のオカリナ」ですね。もう,名作です。若い人にもぜひね,遊んでほしいなと。
4Gamer:
ニンテンドー3DS用にリメイクもされましたし。
須田:
ええ。
ただ,「ムジュラの仮面」は3DSにリメイクされていません。
関根:
ほほう。
須田:
ムジュラの仮面はNINTENDO64にメモリー拡張パックをつけて遊ぶんですよ。時のオカリナの数か月後を描いたお話で,同じシステムを採用してるんですが,3日後に月が落下して世界が滅ぶという設定で。今でいうところの,アペントディスク的な作品なんです。
4Gamer:
今は,Wii用バーチャルコンソールで配信されているものがありますね。
須田:
部長,ぜひやってくださいよ。読者の皆さんにもぜひやっていただきたいです。
それでですね,ムジュラの仮面のコミカラズの作家さんが,なんと,姫川 明さん。
関根:
なんと,姫川つながり! この説得力で凄くやりたくなりました。
須田:
次回までの約束ですよ?
「ストロベリーナイト」公式サイト
- 関連タイトル:
ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D
- この記事のURL:
キーワード
(c) 1998-2011 Nintendo