インタビュー
エヴァ中尉とボスキャラが4Gamer襲来。オンラインFPS「Alliance of Valiant Arms」に,本日実装された新Co-opモード「DEATH VALLEY」の魅力を,プロデューサー井上氏から直接聞いた
A.V.Aは,コアなFPSプレイヤーに向けたコンテンツはもちろんのこと,FPSが苦手という人でも親しみやすい「Co-op」モードにも注力しているタイトルだ。本年4月には,ゲーム内初となる女性キャラクター「エヴァ・マリア・ヴォレル中尉」を,プレイヤーが協力して救い出す「Prison Break 2 -Rescue-」も追加され,人気を博している。
本日実装されたDEATH VALLEYは,そんなCo-opモード拡充の流れを組む,2010年大型アップデート第1弾ということで,本作のプロデューサーであるゲームオンの井上洋一郎氏に,その魅力を聞かせてもらった。
ちなみにこの日は,エヴァ中尉とDEATH VALLEYのボスキャラであるパーヴェル“屠殺者”パンフィロフも4Gamer編集部に来襲したのだ。
「DEATH VALLEY」の敵はこれまでとは一味違う
攻略の鍵は,ずばり“スナイパー”
本日はよろしくお願いします。
早速ですが,「DEATH VALLEY」はどのようなステージになるのでしょうか。
A.V.Aプロデューサー井上洋一郎氏(以下,井上氏):
A.V.Aはこれまで,市街戦が主だったんですが,DEATH VALLEYでは舞台を移して,密林での戦闘が楽しめます。
今までのCo-opモード用のミッションは,ステージに配置されているスイッチなどを作動させて進んでいくような,マップ的なレベルデザインが採用されたものだったのに対して,今回は,AIを基にしたミッションが多くなっています。
NPCも,変わったAIを持った形で出てきますし,巨大なボスなども出てきます。あと,壁にUAVランチャーを打つものがでてきたりとか,ヘリコプターを撃たなければならないというような形で,ゲーム的な部分の攻略性を持たせたミッションとなっています。
4Gamer:
そういうものが実装されたのは,プレイヤーからの要望が多かったからなんですか?
井上氏
舞台設定に関してはプレイヤーの皆さんからの要望ですね。
上半期のアンケートでも,大規模マップや密林で戦うようなシーンがほしいというような要望が多かったので,それを元に舞台設定を行ったというところです。
4Gamer:
アンケートでは,ほかにどのような意見がありましたか?
井上氏
マップをどんどん追加してほしいという意見が一番多かったですね。あとは細かい部分で,日本製の武器を出してくださいとか,日本オリジナルの要素をどうにかして入れてほしいという要望もありました。
最近Co-opモードの拡充が続いているのも,日本のプレイヤーからの要望が多いからなんです。去年,Co-opモード2つと護衛ミッションを入れ,今年の4月に「Prison Break 2 -Rescue-」を追加したんですが,その都度プレイヤーの数が増加しています。
去年の夏までは,対戦ゲーム的なコア部分を中心に運営を続けていたんですが,なかなか新規のプレイヤーが定着してくれないということが,日本でも韓国でも課題にあがっていました。なので,そういった方達にも楽しんでもらえるように,協力プレイが必要だろうということで,力を注いでいます。
現在は,去年の夏と比べると2倍くらいのプレイヤーが,遊んでくれていますよ。
4Gamer:
2倍ってなかなかすごい数字ですね。
ええ。もちろん,コアな方達も増えています。クランに入ってクラン戦をやってくれたり,毎日遊んでくださる方たちの割合は,1日の総接続者数の25%くらいです。今は,そういう方達も去年と比べて2倍から2.5倍ほどに増えています。
新規の方が増えていくと,コアなプレイヤーも増えていくという流れができているので,そこを頑張っていこうかなと思って,今回のDEATH VALLEYを追加したというわけです。
4Gamer:
エヴァ中尉を救出するミッションなどは,やはりある程度の人数がいないとつらいなと感じたのですが,今回のDEATH VALLEYはさらに難度が高いのでしょうか。
井上氏
上級者がいないと,クリアが難しいというのはありますね。今回はさらに戦略性が増しているので。例えば,ヘリコプターを倒す場面でも,ヘリコプターの攻撃を避けながら,落ちているRPGランチャーを拾って攻撃しなければなりません。そのため,拾い方が分からない初心者ばかりでは難しいでしょう。
あとは,ミサイルをたくさん飛ばしてくる壁があるんですが,サブマシンガンやライフルだとなかなかダメージを与えられません。ところが,これにスナイパーが対応すると,めちゃくちゃ簡単に攻略できたりといったように,兵種のことも踏まえて連携をとらないとクリアしにくい形になっているのです。時間制限もありますから,初心者と上級者が一緒になってやらないと,ちょっと厳しいところがあるでしょう。
集まった人と攻略について相談しながらやっていただければ,コミュニケーションも増えて,それがきっかけで新規の方がクランメンバーに加わり,クラン戦に参加する……といった流れが期待できることもあって,難度はちょっと高めにしています。
4Gamer:
これまでのCo-opモードはポイントマン,ライフルマンが中心になってごり押しという感じだったのに対し,今回はスナイパーが鍵になるんですね。
井上氏
1人はいたほうがいいですね。スナイパーがオブジェクトを破壊しつつ,攻め寄ってくる敵をほかの兵種が倒して,スナイパーを守るというイメージを持っていただければ,このモードを楽しみやすいと思いますよ。
スナイパーは,ミサイルの破壊だけでなく,ドラム缶を持ったNPCを相手にした場合にもヘッドショットで簡単に倒していけるので,活躍するシーンは多いです。そういうこともあって,今回は,3兵種が混ざったパーティで攻略していくのが理想です。どちらかといえば,コンシューマゲームのCo-opモードっぽく作られています。
4Gamer:
そういう意味では,PCのオンラインゲームを遊んだことがない人でも,入りやすいということですね。
井上氏
そうですね。「コール オブ デューティ」というタイトルを聞いたことがあるという程度の人でも,入っていけると思います。難度もイージーモードとノーマルモードを用意してあります。難しいと感じる方は,耐久度やリスポーンの回数などが調整されているイージーモードを,体験してみるといいかもしれません。ノーマルモードと比べて,兵種などを気にせず攻略できると思います。
ボスキャラの攻略法もちょっと聞いてみた
4Gamer:
ところで,ボスキャラというのはどんな敵なんですか?
先程お話したヘリコプターとUAVランチャーを撃ってくる壁もボスなんですが,さらに今日連れてきたパーヴェル“屠殺者”パンフィロフがいます。
設定的には,世界大戦のヨーロッパとロシアの戦いが終わったあとの話ですね。パンフィロフは,プリズンブレイクでも出てきた生物化学兵器の開発を先導していた人物なんですが,大戦後も,それを完成させるためにインドネシアの離島に,施設を作るんです。
これまでの生物化学兵器は,ただ敵が凶暴になるだけだったんですが,今回は意思を持っています。ある敵は通せんぼしてきたり,またある敵は弱っているキャラクターを狙ってきたりしますから,普通に出てくる敵からして結構手強いと思いますよ。
4Gamer:
パーヴェルを攻略するには,どんな戦略をとればいいんでしょうか。
井上氏
まず,チェーンソーを持って突っ込んでくるボスが1体出てきます。それを倒すと,4体の同じようなボスが出てくるんですね。そいつらは,チェーンソーで突っ込んでくる前に攻撃すればノックバックするので,弾を切らさないように,順番に攻撃しながら,突っ込んでくるルートを回避していくという感じで攻略できると思います。
あと,狭い路地に誘導して,背中を狙うということもできるかもしれません。とにかく,すごい勢いでチェーンソーを持って突っ込んできますし,当たると即死するレベルなので,うまく避けながら攻撃一辺倒にならないように戦っていただければいいかなと。
4Gamer:
え,それって4体同時に突っ込んでくるんですか。
井上氏
そうですね。4体が十字砲火みたいな感じで攻めてきます(笑)。
しかも,体力がある程度減ってくると,突進を途中でやめて方向転換とかしてくるんで,相手の特性を良く把握しておかないといけないと思います。何度も死んで,頑張って攻略してほしいと思います。
4Gamer:
それでは,今回のDEATH VALLEYを,プレイヤーにどう遊んでもらいたいですか?
井上氏
対戦ゲームではないため,協力さえすればゲームが進んでいくので,既存のプレイヤーには初心者を助けてあげてほしいですね。初心者の方も,チャットをすれば助けてもらえると思いますので,どんどん声をかけていって,友達を増やしていってください。
で,友達を作ったうえでクラン戦などのもっとコアな部分を楽しめるようになれば,A.V.Aというゲームを120%楽しめると思います。なので,協力プレイを通じて,さらにその先の対戦にも,ぜひチャレンジしてみてください。
Co-opモードが充実していく理由とA.V.Aが目指す方向性
そういえば,最近各社のオンラインFPSは,割とCo-op中心になっているようです。その要因は,どこにあるんでしょう。
井上氏
コアな対戦ゲームとして動かすだけだと,ご新規さんお断りという感じになってしまうんです。格闘ゲームもそうですよね。むしろ,協力プレイに力を入れたほうが,いろいろな層の方達に楽しんでもらいやすいというのがあります。とくにCo-opモードは日本のプレイヤーが非常に喜んでくださるコンテンツなので,各社とも力を入れていかなければいけない部分なのでしょう。
4Gamer:
韓国のプレイヤーは対人戦のほうが好きだという印象がありますが,今でもそれは変わってないんでしょうか。
井上氏
あまり変わってないですね。
4Gamer:
とすると,このアップデートは日本向けということに。
井上氏
そうですね。日本もそうですし,アメリカ向けでもあります。どっちかというと,日本の要望が多く反映されているかもしれません。
4Gamer:
そういった要望を,開発元がきちんと受け止めてくれるんですね。
井上氏
はい。A.V.Aを開発しているRedduck社というのは非常に協力的で,8月22日から開催するオフラインイベントでも,東京と大阪の会場に開発の方が,日本のプレイヤーの要望や意見をさらに把握するために来てくれる予定ですし。
水面下でもちょくちょく来日して,プレイヤーの意見を直接聞いたりもしてくれていますよ。Redduckは日本を中心に考えてくれている会社だなと感じています。
4Gamer:
そういえば,A.V.Aは今回,NVIDIAが提供している3D Visionにも対応するとか。
使おうと思えば今でも使えるんですが,8月18日に正式に対応します。やはり,A.V.AはUnrealEngine 3を使っていてスペックが高く,臨場感が優れています。そこをもっと演出できないかなと思っていたところに,NVIDIAさんがメガネを出してくれたので,真っ先にやろうと決心しました。
UAVランチャーが前から襲ってくるようなシーンを,リアルに感じてもらえるのではないかなと期待しています。あとは,飛んでいるヘリコプターや,迫ってくる岩が砂埃をあげて近づいてくる様子,NPCが投げてくるドラム缶や手榴弾なんかも,立体的に見えるんですよ。
4Gamer:
オフラインイベントで,3D環境を用意したりするんですか。
井上氏
今回はまだ用意できていません。Co-opモードだと,映画的な演出を取り入れているので,3D表現が非常に映えるんですが,対戦モードでは,スピードと反射神経を重視したいので,極力スペックを落としたくなるんですね。そうすると,3Dは邪魔な存在になってしまうんですよ。
なので,Co-opモードはどちらかというとカジュアルなプレイヤーとコアな方を繋ぐもの。対戦では,3Dなどを一切排除して必要な部分のスイッチだけを入れていく流れになってしまいます。オフラインイベントに来てくれる方は,やはりコアな方が多いので,今回は3Dビジョンの導入を見送りました。
今後のアップデートでも女性キャラクターが増えていく!?
4Gamer:
ところで,今日のゲストとしてパンフィロフさんが来てくれているのは分かります。ですが,一緒にエヴァ中尉も来てくれていますよね。ということは……?
井上氏
えっとそれは……。今回3部作で,エヴァ中尉がサブ的な形で,要所でちょろっと出てくるシーンがあるんです。
ちょろっとですか……。ずっと一緒にいてくれて,隣で守ったり守られたりとかはできないと。
井上氏
できませんね(笑)。急に何の前触れもなく突然出てきます。なんでそこにいんの? っていう感じで。DEATH VALLEYは,前回のエヴァ中尉を助けるシーンのあとの話なので,今回はエヴァ中尉が逆に助けてくれるというわけです。
4Gamer:
もしかして,エヴァ中尉はこのあとも出番があるんですか?
井上氏
そうですね。エヴァ中尉は女性キャラクターということで,アバター的な意味も含めて非常に人気が高いんです。最初は,女性アバターを作ってほしいと要望したときに,リソースの問題,ゲーム的なボリュームの問題でできないだろうという判断もあったんですが,そこを踏まえて再考してもらいました。おそらく,韓国で今年か来年頭くらいには,女性キャラクター的なものがフィーチャーされたものが入ってくるかなと。
エヴァ中尉って,NRFにスパイとして入ってきたという設定なんですね。ですから今後,NRF側の女性キャラクターと,EU側の女性キャラクターが揃うシーンが出てくるんです。そうなれば,そういうアバターや,それに関連したミッションも増えていくでしょう。
4Gamer:
すごく期待しています。ちなみに,今後のアップデート予定はどのような感じになっているんでしょうか。
第2弾,第3弾アップデートでも,韓国で実装されているものをできるだけ早く日本にも反映していくつもりです。
どちらかというと,コアな方よりは新規の方がA.V.Aに慣れていくためのミッションなどを追加していきたいと思います。詳しくは言えないんですが,初心者の方も対戦しやすいモードを入れていく予定です。
4Gamer:
対戦しやすいミッションですか?
井上氏
いきなり対戦だけになってしまうと,キルデスだとかスコアみたいなものが下がってしまい,それがある程度まで下がってしまうとゲームをやめてしまうという傾向があるので,それをAI戦を挟む形で緩和していきたいなと。
なので,AIと人が混ざり合って対戦ができるモードを導入するつもりです。現在のAI戦と,対人戦のあいだを埋めるモードになるのではないかと期待しています。
4Gamer:
それでは,最後にアップデートを楽しみにしているファンに一言お願いします。
井上氏
A.V.Aはこれまで,コアな方達をまず盛り上げて,そこにCo-opモードやAIモードを入れることでさらにそれを伸ばすという運営をしてきました。今後はコアな方,新規の方どちらも楽しめるコンテンツの実装,大会を中心とした運営を続けていきたいなと思います。
コアな方からは,世界で戦いたいという要望を非常に多くいただいているので,現在サービス中のアメリカ,韓国,中国以外の国にもサービスを展開できるように要請をしています。それが広がっていくことで,今後5年10年続いていったときに,世界規模でA.V.Aを楽しんでいただきたいですね。現在は,ライト層に向けたアップデートが多くなっていますが,今後既存プレイヤーがもっと求めているようなものが韓国で入りますので,それを2か月や3か月といった早い段階で日本にも実装していくつもりです。
オフラインイベントは引き続き頻繁に開催していきますので,新規の方も,そういう場に足を運んでいただいて,お友達を作り,実際に上級者の動きを見て学んで,うまくなってほしいなと思います。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
「Alliance of Valiant Arms」公式サイト
- 関連タイトル:
Alliance of Valiant Arms
- この記事のURL:
キーワード
© NEOWIZ All rights reserved. ©GOP Co., Ltd. All rights reserved.