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[G★2006#06]NCsoftのカジュアル系タイトル「ATrix」がプレイアブルで出展
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印刷2006/11/10 00:47

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[G★2006#06]NCsoftのカジュアル系タイトル「ATrix」がプレイアブルで出展

 G★2006におけるNCsoftのブース構成には,個人的に少々意外な印象を受けた。同社のお膝元である韓国最大のゲームショウであることや,2006年というタイミングを考えれば,「Tabula Rasa」は展示されていてしかるべきだろう。あるいは,「Lineage」の新作や「Guild Wars: Campaign4」があっても不思議ではないと考えていたのだが,フタを開けてみれば,プレイアブル出展されていたのは,「Aion」と,本稿で紹介する「ATrix」だけだったのである。

■ローティーン向けカジュアルタイトル
■という位置づけのATrix


 ATrixは,NCsoftにしては珍しいカジュアルタイプのアクションゲーム。プレイヤーはコミカルなキャラクターを操って相手を倒すという,単純明快な内容だ。
 キャラクターの基本操作は,カーソルキーとW/A/S/Dキーを使って行う。前者には移動,後者には順にパンチ/キック/ジャンプ/目の前のモノを持ち上げる操作が割り当てられている。Dキーで持ち上げたモノは,Wキーを押すと投擲可能。キーの組み合わせでスライディングなどの特殊攻撃を行えたり,あるいは連続コンボが可能だったりという,この手のタイトルに共通した“お約束”も,ひととおりフォローされていた。



 筆者は上記のキー操作説明を見て,最初は「ありきたりだなぁ」と思っていたのだが,実際にプレイしてみるとこれが意外と――と言っては失礼かもしれないが――面白い。
 例えば,ゲーム内のステージは必要に応じて上下左右に自動スクロールする仕様で,トロッコや流氷などの動くオブジェクトをうまく乗り継がねばならない。こういった場面で対戦相手を下へ突き落とせば相手は1ミスとなるため,お互いになかなか緊張感があるのだ。また巨大な鳥が急襲してきたり,落盤が発生したりと,ステージでは想像だにしないギミックが次から次へと登場する。
 ミスした場合に,10秒のペナルティが与えられるだけで,すぐに戦線復帰できるのも嬉しい。それほどゲームがうまくない人でも,ステージが終了するまでは,周りの人と平等にプレイできるのである。

 プレイヤーが選べるキャラクターは,攻撃速度やダメージ量,射程距離といったパラメータで差別化された12種類が用意される。同時に,レベルシステムや,現時点ですでに1300種類用意されているという多彩なアイテムなど,継続的にプレイしたくなるような要素もある。ぱっと見た印象がどうしても低年齢層向けなのだが,ゲームとしてはそれなりにしっかりしているようだ。



 ATrixは2006年10月30日にその存在が初めて明らかにされたタイトルだが,11月24日には韓国で正式サービスが始まる予定になっている。入力インタフェースとしてマウスやゲームコントローラがサポートされておらず,カーソルキーしか使えないというのは,対象とする年齢層を考えてみても明らかなマイナスだが,この点さえクリアできれば,日本展開の運びになっても,そこそこ人気を得られるだろう。

 さて,冒頭で述べたように,LineageやGuild Warsの新情報もなく,数年間引っ張り続けているTabula Rasaにも音沙汰がないNCsoft。ゲームポータル「PlayNC」も,現状では目に見える成果が出ておらず,前回の決算報告も,事実上,初の赤字に転落してしまった。自社開発の新作が姿を見せるのはまだ先の話で,とりあえず,無難なデキのATrixを外から買ってきて“つないだ”のであろうことは,ブース全体を見回すに,想像に難くない。

 2006年度中に新しい「好材料」を提示できるのかどうか,そこに注目されるという苦しい状況になってしまったわけだが,同社を率いるT.J.Kim氏の手腕に期待しつつ,同社が得意とする重厚長大な作品の知らせを待つことにしよう。(ライター:川崎政一郎)

  • 関連タイトル:

    ATrix

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