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[E3 2007#04]デベロッパいわく「やりたいことをやった」,「Call of Duty 4」の最新情報
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印刷2007/07/12 17:35

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[E3 2007#04]デベロッパいわく「やりたいことをやった」,「Call of Duty 4」の最新情報

公開されたPC版の最新ショット。以下断りのない限り,ショットはすべてPC版のものだ
 去る2007年4月27日,唐突にその開発が発表され,公式サイトがオープンしたFPS,「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,CoD4)。第二次世界大戦モノFPSのスタンダードとして,PCだけでなく各種ゲーム機にも移植されてきた――ゲーム機専用タイトルもある――人気シリーズだが,ご存じのように最新作では,その舞台をいよいよ現代の戦いに移したことで多くのFPSファンの注目を集めている。危険な近代兵器が入り乱れる新たな戦場では,どのような戦いが待っているのだろうか?

 今回4Gamerでは,7月10日に開催されたMicrosoft Media Briefingと,E3 Summit会場の一つであるFarmont Hotelで7月11日に行われたActivision Publishing(以下 Activision)のカンファレンスで,CoD4に関するいくつかの新情報を入手できた。というわけで,さっそくCoD4の正体に迫ってみよう。

Activisionによるセッションの模様(左)と,世界各国から集まった報道陣(右)


■タクティカルシューターにはせず,CoDらしさを継承
■ストーリーの見せ方がより映画的に


 対応プラットフォームは,現在のところPCとXbox 360,PlayStation 3だが,いずれもデベロッパのInfinity Wardが制作し,他社は関与しない。Infinity Wardといえば,PC指向の強いデベロッパとして有名で,以前から「マウス&キーボードによるコントロール,そして高度なグラフィックスを使用できるPCがFPSに最も適している」旨の発言をしているため,コンシューマ版にオートエイム機能などが用意されるのかはよく分からないが,少なくともPCのFPSファンを裏切るような操作体系にはならないだろう。シングルプレイの内容に機種間による大きな違いはない予定とのことだ。
 ちなみにActivisionのカンファレンスでは,世界初公開となるXbox 360版のムービーが上映され,PC版に遜色のないグラフィックスが観衆の目をひいたのである。

 「タクティカルシューターになるのではないか?」「マルチプレイ専用タイトルになるのではないか?」などなど,いろいろ噂が先行していたCoD4だが,Infinity Wardは新作で,従来からのゲーム性を大きく変えるようなことはしなかった。Call of DutyというシリーズがFPSジャンル内で確固たる地位を築いた理由は,その迫力あるシネマティックな戦闘シーンと,ツボを押さえた演出にあったが,CoD4もその方向性を踏襲し,さらなる高みを目指した作品となる。タクティカルシューターの要素が加わることはないようだ。

これはXbox 360版から
 現代戦がテーマということで,Infinity Wardは当初,イラクやアフガニスタンといった実際の戦争を背景とした内容を考えたが,どちらも非対称形戦争(敵味方の兵器レベルや戦力に違いがありすぎる戦争)で,Call of Dutyのスタイルとなじまなかった。そこで,同社は架空のテロリスト組織を敵として据えることにしたのだそうだ。
 敵のリーダーである「Zakhaev」はロシアの国粋主義者で,かつてのソビエト連邦のような帝国の再現を夢見ている。彼は中東のテロリスト組織と手を組み,西側への宣戦を布告する……というストーリーだが,ポイントは,その見せ方が従来作と大きく違っている点にある。

 プレイヤーは英国SAS隊員,もしくは米国海兵隊員としてゲームを進めていくことになるが,一つのミッションは20〜30分程度とかなり短く,舞台も中東の架空の国やロシアなど,目まぐるしくスイッチする。作戦前には簡単なブリーフィングもあるのだが,最初のうち,各ミッションそれぞれの関連性は一見してまるでなく,「なぜここで戦わなければならないのか」の情報はプレイヤーに与えられない。

 さながらポリティカルフィクションの大御所,Tom Clancy(トム・クランシー)氏の小説のような感じ,といったら分かりやすいだろうか。世界のあちらこちらでさまざまな事件が同時多発的に起き,それらがやがてZalhaevの陰謀に収斂していくというスタイルだ。
 2か所で同時に発生した事件に別のキャラクターを使って対応したり,時間をさかのぼったりと,ストーリー展開は非常に複雑。プレイヤーは次に何が起きるか分からないため,「次の展開」への興味がゲームを続けるモチベーションになるというわけ。前述のように基本的には英国SAS,もしくは米国海兵隊員としてプレイするが,ときには敵であるテロリストやロシア国粋主義組織の隊員となるミッションもあるらしい。

Xbox 360版のショット2点


 もともとNPCの動きの良さも自慢のシリーズだが,今回は一般兵士とは違う特殊部隊員のキビキビした動きの再現にも努めているとのこと。敵側もかなりの武装/訓練をしているため,エリート部隊同士のスピーディな現代の戦いが世界中で繰り広げられるのだ。
 気になるグラフィックスは,これも従来作同様「ハイレベルなものを目指すが,必要以上に重くなるような処理はしない」というポリシーに従っており,スクリーンショットではやや荒削りなところが感じられるものの,インゲームのシーンでは必要十分に美しい。今回も煙や霧といったパーティクル処理には気合が入っている印象で,CoD4でも「Call of Duty 2」のようにスモーク弾が活躍するのかもしれない。



■シングルプレイに軸足が置かれつつ
■マルチプレイにも新要素が


 マルチプレイが気になる人もいるだろう。Call of Dutyシリーズは,伝統的にシングルプレイの面白さに軸足が置かれており,それはCoD4でも変わらない。しかし,Xbox 360版の「Call of Duty 2」は「Xbox LIVEのFPSのうち,最も遊ばれたタイトル」(Infinity Ward)であり,現在でも1日に5万人以上のプレイヤーが参加している人気作。そのため,マルチプレイに向けた特徴がいくつか追加されることとなった。

これもXbox 360版より
 マルチプレイのゲームモードとしては,デスマッチ,チームデスマッチ,キャプチャー・ザ・フラッグなど,シリーズ従来作にあったものがいくつか用意される予定だが,最大の特徴はやはり“経験値”によるアンロックアイテムの存在だろう。
 アンロックシステムといえば,Electronic Artsの「Battlefield 2」以降や,最近ではUbisoft Entertainmentの「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas」などがおなじみだが,CoD4も,戦闘に参加して戦功を積むことにより,ユニフォームや武器といった新アイテムが使えるようになる。アンロックシステムは「長時間遊んでいるプレイヤーほどハイレベルな武器が使えるようになり,ビギナーとの差がついてしまう」問題が生じやすいが,CoD4ではレベルによって入れるサーバーが異なり,ビギナーは同じレベルのプレイヤーと戦えるようになる予定だ。アンロックはベテラン向けというより,むしろマルチプレイビギナーでも気軽に対戦に参加できるための仕掛けであり,レベルアップのスピードは速いとのこと。

 また,Xbox LIVEの“アチーブメント”のようなシステムも用意される。例えば「連続10人キル」といったスペシャルタスクをクリアすることで,こちらも特別なアイテムや武器などが使用可能になるという。とはいえ,Xbox LIVEによるマルチプラットフォーム対戦は現在のところ考えられていない。
 経験値,スペシャルタスクのクリアとも,チームで戦ったほうがいろいろと有利になるような設計になっており,具体的には未定だが,同じチームが次のマッチでも集まりやすくなる予定だそうだ。最大参加プレイヤー数は36人程度が見込まれている。

Xbox 360版からもう一丁


 ……ゲームの舞台を現代に移したいという希望は,初代「Call of Duty」(2003年)のリリース直後からあったという。だが,同作が成功し,拡張パックや各種ゲーム機への移植によるフランチャイズの拡大から,続編にも第二次世界大戦を舞台にしたタイトルが期待され,Call of Duty 2は結局,前作を踏襲したものになった。そのCoD 2がふたたび成功したため,今度こそ自分たちの作りたいものを作れるようになったというのだ。

 開発開始からはすでに数年が経過しており,開発の発表が2007年4月だったにもかかわらず,年内には発売される予定。期待作としては異例の“盛り上げ期間”の短さだが,これもまたInfinity Wardの自信の表れなのかも。FPSの大作/新作ラッシュになりそうな2007年のゲーム業界にあって,最も注目されるタイトルの一つと断言していいだろう。(松本隆一)

  • 関連タイトル:

    コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア

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