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プログラマー必見。あの「シムシティ」のソースコードが公開
写真は「シムシティ4」です |
そんなシムシティがGPL(General Public License)準拠のオープンソースとして公開されたというのだから,ちょっと気になる話である。
この一件,もともとは100ドルPCで知られるOLPC(One Laptop per Child)のDon Hopkins氏による,Sim CityをLinuxで実現するというプロジェクトからスタートしているようだ。ちなみに,OLPCは,マサチューセッツ工科大学(MIT)のニコラス・ネグロポンテ氏が主催するNPCで,開発途上国の子供達にXOと呼ばれるきわめて低価格のノートPCを提供し,教育に役立てようという目的で設立された。とはいえ,さすがに100ドル前後で販売できるノートPCの実現は難しく,開発は遅れ,導入を見合わせる途上国政府も出てきている。
最近話題の低価格マシン,EeePCは実はそのXOの影響を強く受けており,途上国の子供達だけではなく日本の新しモノ好きなお兄さん達も喜ばせているってのは余計な話だが,Hopkins氏のOLPC版SimCityも,XOによる教育を目的として移植されたプログラムであり,そのソースコードが公開されたというわけだ。
したがって,どうやらタイトルとゲームシステムを借用してはいるが,コードそのものはMAXIS(今はElectronic ArtsのSims Division)版にかなりの改変が加えられているようで,ゲームタイトルも商標の関係上「Micropolis」に改められている。
Micropolisについて解説しているオープンソース関連サイト「Fear and Loathing」に掲載された写真を見る限り,元になったのはオリジナルの「SimCity」に近いバージョンで,グラフィックスは2Dのようだ。これは,XOのスペックを考えれば当然だろう。
またこのMicropolisという名称は,SimCityが開発されているときに使われていた由緒正しいコードネーム。このへんの経緯については,Don Hopkins氏のブログに詳しいので,よかったらどうぞ。また,今はMicropolisだが,EAの認証がおりればSimCityとしてソースコードを公開する計画もあるとのことだ。
ゲームのソース公開といえば,id Softwareの「DOOM」や「QuakeIII」がよく知られているものの,ほかにはあまり例がない。最近のゲームはプログラム部分よりグラフィックスなどのデータが占める量が飛び抜けて大きいため,ソースだけあっても何もできないということもあるらしい。とはいえ,こういう話に目のない人達がさっそく「これを使って何かできないか」という書き込みをあちこちのフォーラムで行っているのも事実。Linux版とはいえ,ソースコードがあればWindowsに移植するのは(私には無理だが)できない話ではない。いやたぶん,やっちゃうでしょう。
GPL準拠ということで,基本的にプログラムの改変や再配布なども自由に行える。我こそはと思う人は,さっそく「こちら」からソースコードをダウンロードして研究してみよう。さて,シムシティを元にして何を作りますかね,みなさん?
- 関連タイトル:
シムシティ ソサエティーズ
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