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印刷2009/12/10 17:39

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第59回:「いい意味で」

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ
第59回:「いい意味で」

 

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著者近影

 最近のゲイムをプレイしていると,つくづく「モンハンってスゲイ」と思うわ。
 というのも,別のメーカーの別のゲイムをプレイしていても,何かしらモンハンの匂いを感じることが多くなってきているから。これは各メーカーに対する嫌みってことじゃないのよ。だって,エンターテイメントの世界では面白いことこそが,そしてビジネスの世界では売れることこそが正義なの。
 モンハンは売れてるし,面白い。だから,モンハンの面白い部分,ビジネス的に成功を収めたであろう部分を抽出して作品を作るという方向性は,まったく間違っていないの。
 あ,何から何までモンハンが革新的で最高! ってわけじゃないわよ。モンハンの優れているところにだって,過去にあったゲイムから抽出されたものも含まれるわけだから。ただ,それらを面白さとしてきっちりまとめて提示したところに価値があるというか。

 で,要するにですね,たとえプレイしている側がモンハンと似たような要素を感じたとしても,面白ければそれでいいのよ。ただ問題は,ぽいならぽいで,何が面白いのかがハッキリ提示できてるかどうか。
 例えば,アクションゲイムに関して言えば,もはや「マルチプレイが楽しめる」要素や「敵を倒すと素材が手に入って武器や防具をカスタマイズできる」要素は,今後しばらくアクションゲイムのトレンドになると思うの。なぜならそれらの要素があれば鉄板で面白くなるし,それで売れたという実績もあるわけだから。

 ただし,これからのゲイム,とくにアクションゲイムには,モンハンによって面白さ&市場性が証明された要素に加え,+αの部分をいかに提示できるか。これが大事になってくると私は思うのよ。
 つまり,プレイヤーに「それってモンハンじゃん」って思わせない何かを上手く提示しなきゃいかんわけ。そしてそれは,ゲイムのパッケージを見ただけである程度分かってしまうこともある,と。

 

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 そんなことを踏まえた上で,スクウェア・エニックスがニンテンドーDS向けに出した「クロストレジャーズ」をやってみたわ。これは前々から気にはなっていたんだけど,買うつもりはなかったのね。でも完全にパケ買い。厳密にいうとパケ裏買い。
 というのも,パッケージ裏のゲイム説明のところは,マルチプレイに対する情報が控えめで,あくまで「自分だけの冒険がここにある!」って言い切っていて,その部分をクローズアップしてるの。だから「どんなもんじゃい」って気になって買ってしまったのね。
 その日試合があって,ファイトマネーという名のあぶく銭がうなっていたってのもあるけど。で,実際にプレイしてみたら,なんとまあプレイしやすいことか。とにかく話の展開が早いのよ。
 王様に「姫を助けてくれ」って頼まれるという,RPG史に残るっていうか残ってきた定番の冒険理由が,オープニングの1分くらいで説明されて,すぐに冒険開始。注意事項はメモを読んどけ,と。ただそれだけ。今日び,ここまで導入部分がスッキリしているゲイムもないわよ。妙にすがすがしいわ。あ,誤解ないように言っとくと,いい意味でね。

 

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 話はそれるけど,「いい意味で」って魔法の言葉ね。これをつけると,どんなに無礼で棘のあることを言われてもある程度丸くなっちゃうの。でもね……。
 先日,「今度,新日本プロレスに出るんですよね,頑張ってください! いつものようにプロレスを馬鹿にしてください! いい意味で!」って誰だか分かんない人に言われたんだけど,これはキレていいんですよね? 「ディーノさんって存在自体がプロレス界にとってありえないですよね,いい意味で」これもキレていいんですよね? 「ホント気持ち悪いですよね,いい意味で」これはキレる前に泣いていいですよね?
 えっと,どう思うのも各人の自由だし,薄々自分でも気持ち悪いことには気付いてるんだけども,そういうことは直接本人に言わないであげてくれるかな……。気を使おうよ,お互い同じ世界に生きてるんだからさ

 話を戻すけれども,いい意味で突き放された世界観,軽いプレイ感覚,そして難しめでありつつも“無理”じゃないと思わせてくれるバランスなど,なかなかに面白いわよ。
 確かにモンハン的面白さもあるんだけど,そこには依存していないし,ちゃんと面白いゲイムを作ろうという作り手の意志を感じるわ。こういう作品は,けっこう好きかも。まあまあおススメ。ファイトマネーが手に入ったならば,買ってもいいかも。いい意味で

 

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 ところで,さすがに私も伊達に8年もプロでやってないというか,まあ8年というキャリアの割には,そこそこ順調にヤらせていただいているというか,ありていに言えば私のファイトマネーはゲイム1本買って使いきれるような金額ではない,と。2本も買えるんだぞ,と。
 そういうわけで,もう1本にもブチ込んだわよファイトマネーを。それが「パワプロクンポケット12」。
 これまたスゲイ。何がスゲイって,もはや野球に固執してないのがスゲイ。確かに,タイトルではプロ野球なんて一言も言ってないわ。もちろんゲイムとしては野球がベースだし,野球のモードもあるんだけど。パワプロ名物のサクセスモードは,もはや野球を題材にした,ただの面白ゲイム。“面白いのが正義”を地でいく感じに仕上げてやがる。そして確実に面白い。  ただ一つ問題があるとすれば,純粋なパワプロ好きにオススメしていいのか分からないってことかしら。イヤ,ちゃんとパワプロテイストは守られてはいるんだけども。

 ただ,この開き直りは金を出す価値があるわね。パワプロ好きこそ買って,合えば次も買えばいいし合わなきゃスルーすればいい。そういう踏み絵という意味でもオススメ。もちろん,パワプロっていうよりも,どちらかというとサクセス好きって人には素直にオススメ。初心者はそれはそれでオススメ。フルダケっていう,振るだけで打てるシステムがあるから。
 そう考えると,今作は初心者を振り向かせようとする作品なのかもしれないわね。シリーズファンからすると,今作はパワプロの維新革命なのかもしれないわ。いい意味で

 

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 そんなこんなで,師匠も走る12月を過ごしとるわけですが,先ほども触れたとおり,12月22日,23日に新日本プロレスSUPER J-CUPに出てくるわ! 日本中のプロレス団体からジュニアヘビー級の精鋭達が集い,トーナメントで頂点を決めるという,いわばプロレス界のお祭りですよ。
 このトーナメントに,ゲイム好き代表として出てくるの! 私が優勝した暁には,優勝賞金をはたいて抽選で100名に欲しいゲイムをプレゼントしちゃう! そもそも賞金あるのかどうか分かんないけど! 優勝できなかったら,逆に100名が私にゲイムをプレゼントしてよね! ではまた来週!

 

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
新日本プロレスの「SUPER J-CUP」にディーノ選手も出場するわけですが,「トーナメント初戦の対戦相手,邪道選手とラブプラスしてやるわ」と言っておりました。スキンシップ……? また,今週末(12月13日)は博多スターレーンで開催される,DDT「天下三分の計・博多」にも出場します。ここでは,ディーノ選手 vs. 安部行洋選手&高尾蒼馬選手というハンディキャップマッチが組まれているんですが,「プロレスといううさんくさいことをしている人達が発表したカードを,何でみんな信じるのかしらね。そのゆがんだ信頼関係をぶちこわしてやるわ。発表したものを素直に受け入れるような奴は来るな!」なんてことを言っておりましたので,何かが起きるかもしれません。起きないかもしれません。
  • 関連タイトル:

    クロストレジャーズ

  • 関連タイトル:

    パワプロクンポケット12

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