連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第106回:「言っていいこと悪いこと」
著者近影
世の中には言っていいことと悪いことがあるわ。
人間だから,言うべきではないことを思ってしまうのは仕方がないと思うのね。ただ,そんなことが頭に浮かんだとしても,口に出すかどうかでその人の人間性が決まっていくと私は思うの。
例えば「あ! この人は……髪の毛をコーティングしてる!」ということに気付いたとしましょうや。そこで,「実は……とても言いヅラいんですけど,私はウズラが大好きでしてねー。予定をズラしてでも食べたいんですよ。余りにも好き過ぎて食べるときには仏頂ヅラでねぇ。困ったもんズラ」なんて言ってしまうかしまわないか。そこで評価が決まる,と。どっちが悪いってわけではないけれども,一般的には,まあ言わないほうが大人よね。
何でもそうなんだけど,思ったことを言葉にしてしまった時点で,何らかの責任は生じるわけ。その発した言葉が相手を喜ばせるか傷つけるか。責任は発した本人が取らなきゃいけない。だから,発言には気をつけましょうって話なんだけど。
で,それを踏まえたうえでニンテンドーDS用に発売された「ザックとオンブラ まぼろしの遊園地」(以下,ザックとオンブラ)について語るとしましょうか。もうすでにプレイしている人は,これから私が述べることについてピンとくると思うわ。
それは,たぶんこのゲイムを紹介するときに,きっと「禁句」的なものがある,っていうこと。プロレス業界には「八百長だ」と言われたらそれを言った人に対して関係者が怒らなきゃいけないみたいな,誰が決めたとも分からない暗黙のルールがあるのね。いや,ルールが明文化されているわけじゃないんだけど,何となくの風潮として。
私の本心としては「ああそういうふうに見られてるんだなぁ,誤解って恐ろしいなぁ」って思うだけなんだけど,どうやら業界にいる間は怒らなきゃいけないみたいで。そして何が恐ろしいって,ちょっとしたファンもそういう暗黙のルールを肌で感じているのか「八百長」という言葉自体を避ける傾向にあるのね。
ちょっと話がそれたけど,ザックとオンブラに関してもそれに近い感じの暗黙の禁句が,たぶんあるの。いや,面白いのよ,ザックとオンブラ。
主人公は若い手品師のザックで,ストーリーにまつわるミニゲイムをこなしながら進めていくって感じの内容なんだけど,ミニゲイムはテンポがいいし,難度も選べるし,全体的にプレイしやすい印象。
でもきっと,面白さの割りにはこのゲイムの真価が伝わってないと思うの。ぶっちゃけこのゲイム,4Gamer編集部経由でプレイするに至ったものなんだけど,だからっていうわけでは決してなくて,素直に面白い。
実際にプレイしてみたら,思ったよりも入り込みやすいってことに気付いたのよ。でも,もどかしいことに,この面白さをうまく伝えられない。あの禁句さえ使えれば,どんなゲイムか読者に一発で伝えられるのに……たぶん,パッケージやゲイム画面を見てもらったら,どんな禁句かは薄々感付いてもらえるとは思うんだけどね……。
ナゾかミニゲイムかの違いはあれど,キャラクターも立ってるし雰囲気もゲイム性とマッチしてるから,その禁句と比べても,決して劣ってはいないのよ。だから,禁句のことを思ってこのゲイムをスルーしている人は,ちょっともったいないんじゃないかなぁとすら思うわ。
まあ,私は大人ですから決して禁句は言いませんけどね! 50ピカラット! ま,そんな感じのゲイムなの。アレが好きなら全然問題なく楽しめると思うから,一度手に取ってみなさい。あんたがウィリアム・リーガルばりの紳士ならば。
さて,ところで言葉とは不思議なものでね。言っていいことと悪いことがあるだけじゃなく,そもそも言葉には重要な使命があるわけ。それは,「相手に伝える」ということ。
綺麗な日本語,汚い日本語っていう話を世の中で聞くけれど,綺麗な日本語を使ったからといって,相手を傷付けていいわけではないし,そのそも相手に伝わらなきゃ言葉としての意味はないわ。だから相手を傷付けたければ汚い日本語を使え! と言っているわけでもないけどね。
ただ,相手に伝えるってことが言葉にとって一番大事なわけ。ということで,それを踏まえたうえで,禁句ついでにもう一つプレイしたゲイムを紹介しようかしら。
「とんがりボウシと魔法のお店」(以下,とんがりボウシ)。さっきのザックとオンブラもとんがりボウシも同じKONAMIの作品。ついでに言うと,相変わらずコンスタントにプレイしている「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011」もKONAMI。どんだけKONAMIづいてるんだ,と。このうえ,「ラブプラス+」を毎日続けていたら,目も当てられんわい。1か月に2万円。KONAMIの株主総会に出てもいいレベルよコレ。
まあいいわ。さすがに総会には出ないであげる。大人だから。しかしながら,あらためて見てちょうだい。
どう? この言葉というか語感の似てる具合。音読してみたら余計似てくるわよ。日本語の文法的には若干の違いはあれど,ハリーポッター的な「○○と○○の○○」。ほぼ同じ時期に同じパブリッシャーから同じ語感のタイトルが。
んでまた,こっちはこっちで面白いからタチが悪いわ。いや,悪くないんだけどね。あ,もちろんザックとオンブラとはまったく異なるゲイムなんであしからず。ちなみに,とんがりボウシは自分で手に取ったゲイムよ。
そして! こちらはこちらで別な禁句がありそうな感じなのよ。前作はヤってないから雲のように真っ白な心でプレイしてみたんだけど。これは,まあありていに言えばアレだ,住民が動物で魚釣りとか虫取りとかそういうスローライフなゲイムに近い感じって説明すればイメージは伝わるかしらね。
ただ,とんがりボウシのほうが魔法やら料理やら商品作りの要素やらがあって,忙しいけどね。ゲイム的にはこちらのほうがプレイしがいはあると思うわ。決してスローライフではない。もちろん,遊び方によってスローなブギにすることも可能だけど。
とにかく,ゲイム内でヤれることが多いのが特徴ね。しかも実時間に従ってゲイム内で発生するイベントも豊富なのよ。毎日決まった時間に学校へ行って魔法を学び,空いた時間でお店を経営する……なんかこう,ただ暮らしていくだけではなく,勤労学生のような気分になれるわ。
ま,ピンとくる人は是非プレイしてほしいものね。アレが好きだった人ならば,こちらもすんなりとプレイできると思うわよ。ゲイムテンポ自体はちょいとスロー目で,サクサクレベルが上がるぜ! みたいな感じではないけど,のんびり長く遊べるのは確か。ゆるりと遊びたいゲイマー向けかなぁ。
とまあこんな感じで,結局言っていいことと悪いことの区別がついてるのかついてないんだか,さっぱり分かんない感じで書いてしまった今週。でも,最初に言ったとおり,思ってしまうのは仕方がないこと。
それを口にするかしないかの正しい判断を,その都度適切にできるのが大人ってもんズラ。これを読んでるファッキンガッデムなチェリーボーイは,せいぜいママに教わったお行儀のいい綺麗な日本語を使いな。そして相手を傷つけるシット野郎にはならないよう気をつけやがれこの権威の豚ども! じゃあまた来週会おうぜゲイム■ッチめ!
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- 関連タイトル:
ザックとオンブラ まぼろしの遊園地
- 関連タイトル:
とんがりボウシと魔法のお店
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(C) 2010 Konami Digital Entertainment
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