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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第443回「格と中身」
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印刷2017/08/17 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第443回「格と中身」

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著者近影
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 私の中でようやく始まりましたよ,「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」PlayStation 4 / ニンテンドー3DS)が。
 つまるところ本編のストーリーをクリアした,ということだけども。クリアにかかった時間は約94時間(そのうちカジノに22時間)。クエストは三つ残し。連携でとどめを刺すクエストは後回しにしてしまいがちでねー。
 ってなわけで,ここからなんですよ本当のドラクエは。実際,サブタイトルの本質に迫るのはクリアしてからのストーリーなのかな? っていう印象でございます。
 そして,いったんのクリアまでのストーリー評としては,今作は非常に面白い,というひと言に尽きますな。どこが面白いかというと,一筋縄ではいかないけど,結局は王道に落とし込んでいるってところ。
 ドラクエってストーリーとして分かりやすい展開を意識して作ってるイメージがあったんだけど,今回のは裏切られたわ。もちろんいい意味で。清濁併せ呑むって言えばいいのか,より深いアプローチで敵味方関わらず描いているというか。で,それでいて王道って点が凄いの。最終的には絶対的な悪として存在するラスボスに立ち向かっていけるのね。
 ドラクエって,ここの徹底ぶりが凄いのよ。ホラ,現実には絶対悪や絶対善ってないじゃない。それぞれの理念で正しいことをした結果,見る人の視点で善悪が振り分けられるだけで。連邦軍の視点から見るから公国軍が悪に見えるけど,逆の立場には逆の言い分というか正義があるのよね。でも,ドラクエはそうではない。ドラクエのボスは絶対悪なの。それによって,プレイヤーは疑問を持つことなく倒すことができる。そのへんが徹底してるのよ。
 で,今回はこの姿勢にプラスして,ちゃんと人物の背景や葛藤や感情が描かれている。結果,面白い。ぜひ最後までプレイしてほしいわね。まあ,私もまだ最後の最後まではクリアしていないんだけども。でも,ここまでの感じを見ると期待しても良さそうね。ひとまずは私的クリアのライン,全キャラレベル99にするまでは頑張ってみようと思っております。

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 とまあ,ドラクエの進捗状況をお届けしましたが,今週は漠然としたゲイムに対する思いを述べてみようと思っております。というのもね,最近,ゲイムとエンターテイメント,もっと言えば世の中に対して思うところが増えたのよ。それこそドラクエを通して。って言ってもゲイム内容じゃなく,ドラクエって存在を通してなんだけど。
 世の中ってね,“格”社会なの。そのことを思い知らされたというか。世の中における認知度の差って,要は格によって左右されるって話。ドラクエって,ゲイムの業界で最高の格を持ってるってことは説明いらないでしょ。国民的ゲイムって呼ばれるくらいに。
 でもね,いかんせんそれってゲイムの業界では,なのよ。世の中には,まだまだドラクエをプレイしていない人のほうが多いのよね。こんなに面白いのに。この先,何百万本売れようとも,今年の7月の段階で1億2675万人いる日本の人口の,10分の1にも満たないわけ。
 つまるところ,ゲイムの業界でドラクエの存在を知らない人はいないでしょうけど,ゲイムをプレイしない層の世間一般としては,良くても名前ぐらいは聞いたことがある。こういう扱いなのね。まあ,それでもドラクエは普段ゲイムをしない層にゲイムをプレイさせる役割を担っているわけで,そこが凄いのだけども。

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PlayStation 4版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
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ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」

 規模はドラクエの足元にも及ばないけど,私だってそう。DDTプロレスというインディー団体ではキャリアもそこそこあって,知らない人はいない感じでヤらせてもらっているわ。プロレス業界の中でも,好き嫌いは別として,比較的名前は知ってもらっているほうではある。そして,運良くプロレスの仕事以外でも人前に出るお仕事をさせてもらっている。
 でも,名があるのはプロレス業界の内側だけで,その外に出れば空気のようなもんですよ。こうやって総合ゲイム情報サイトに連載を持たせてもらっているから,ゲイム業界の人間だとも言えなくもないという点で言えば,私なんてゲイム業界ではただのいちライターに過ぎない。あと志はともかく,一応は芸能事務所に所属してる以上,芸能人としてカウントされてもしょうがない部分があるから述べるけども,芸能界では末端の末端。
 それが男色ディーノという人間の客観的ポジションなのね。あ,勘違いしちゃいけないわよ。これは優れているかどうかの順位を述べているわけじゃないの。現実的に世の中は格で見て判断してますよって話。これ,一見知名度の話かと思いきや,実はそうでもないのよね。
 例えば政治家は,知名度がそれほどなくても何となく世の中からは格が高いと見られているわけで。あと,知名度が無くてもお金を稼いでいる人は格が高いと思われがち。だから,単純な知名度の話でもない。知名度と格に関係はなくはないと思うけどね。そこはここでは掘り下げない。ただ,世の中の人達は,格で判断しているな……っていうのは強く感じるわ。
 そのこと自体のいい悪いの話じゃないの。そういうものだと認識しなければどうしようもない。世の中は格で判断される傾向にある。じゃあ,それを踏まえて何が言いたいのかというと。
 格ではないものを見る目を持とうってことです。同じ言動をしても,その人の社会的な格で良し悪しや評価が変わってくるのですよ。例えば2人の人が「○○のここはこうしたらもっと良くなる」と言ったとしましょう。その人が若いと「何も成し遂げたことのない奴が何言ってんだ」って叩かれることもあるでしょうし,逆に大御所が言うと「さすが!」と多くの人が思うケースがほとんどでしょう。そういうもんなんですよ。でも本来,言ってることが正しければ,誰が言ったかに関係なく,きっちり耳を貸したほうがいいと思うわけ。
 繰り返すわ。良し悪しじゃないの。私だって無意識に発した人の格で判断してることはあるんだろうから。格は,歴史,血筋,組織,お金,知名度,利害,人脈,規模,需要と供給,内容,才能,情報,広告など,いろいろな要素が交じり合って形作られるものだけど,実績が作るケースだってあるからね。非常に理不尽な場合もあるけども,そこを無視するのは現実的ではない。
 だからこそ,なのよ。なるべくちゃんと本質を見よう,と思うの。エンターテイメントに関しては,自分にとって面白いか。どういう体験をさせてくれるのか。自分に何をもたらしてくれるのか。ここを自分の中でブレずに見ていきたい。
 傾向として,格でばっかり人を見て,中身を見ようとしない人は,信頼されないことも多いからね。もちろん,格を見るのも大切だけどね。ただ私の場合,自分の格は別に高くならなくていいんで,読んでいる人に信頼されたい。格が低いとそもそも読まれないというジレンマはあるけれども,そこは国内最大級の総合ゲイム情報サイト4Gamerの格にお任せするとして。
 せめてゲイムが好きな自分と,ついでに読んでくれる人には誠実でありたいと思うわけです。そういう思いでこの連載に取り組んでおります。……ってことを,多くの読者の皆さんが夏休みで遊びに出かけていて,インターネットに接していないであろうこのこのタイミングで言いたかったわけですな。

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PlayStation 4版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」
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ニンテンドー3DS版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」

 さて今回は,ドラクエはこんなに面白いのに,なぜみんなプレイしないんだろう? ってところから思ったことを書き連ねてみました。少なくとも私にとっては,どんなエンターテイメントと比較しても面白い。きっと誰がプレイしても面白いと思える作品だと思っている。
 エンターテイメントって最終的には個人の好き嫌いの部分が大きいとはいえ,今回のドラクエはどのジャンルのエンターテイメントとも戦えるほど面白い。だから,まだプレイしてない人はぜひプレイしてみてほしいなと,格がさほど高くない私がしつこくオススメして,この連載で主にドラクエについて語る三部作は終了したいと思います。
 また進捗状況や思ったところがあれば格……書くとは思うけど。今回“格”って字を書きすぎて“書く”が“格”に変換されやすくなったという悩みが生まれたわ。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
PlayStation Vita:「GOD WARS 〜時をこえて〜
Nintendo Switch:「ARMS
ニンテンドー3DS:「Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼
iOS:「クラッシュ・ロワイヤル

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,8月20日に両国国技館大会「両国ピーターパン2017〜ピーターパン 二十歳になっても ピーターパン〜」を開催します。当日のディーノ選手は,大社長こと高木三四郎選手とシングルマッチで対戦予定。なお,この試合でディーノ選手が勝利するとDDTの全権を掌握,高木選手が勝利するとディーノ選手は結婚することになります。この試合に向けてディーノ選手は,「何としてでもクーデターを成功させるわ。来週には偉くなってるかも?」と語っていました。
  • 関連タイトル:

    ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

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    ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

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