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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」
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印刷2021/05/06 11:00

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」

著者近影
画像集#007のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」
 心を開くのは,簡単なようでいて,とても難しい
 自分の心を開くというのは,家の玄関の扉を開いたままにしておくってことの心バージョン。誰かに入り込まれるかもしれない。盗まれるかもしれない。失ってしまうものがあるかもしれない。荒らされるかもしれない。傷つけられてしまうかもしれない。心を開きさえしなければ,起こらなかった悪いことが起きるかもしれない。デメリットばかり。
 それなのに,心を開く必要なんてあるのか? 心を開くメリットなんて,一つしかない。他人と心を通わすことができる。その一点のみ。それも,自分が開いたうえで相手も開かないと,一方通行になってしまう。幾多もあるデメリットを乗り越えて,たった一つのメリットのために心なんて開けるのか?
 心はとても大切なものだ。心は身体に守られている。身体にダメージがあっても,心が丈夫であればまだ戦える。逆はない。心が傷ついてしまえば,いくら身体に傷がなくても戦うことはできない。ルールある競技はさておき,勝負において負けるときは,だいたい身体ではなく心が負けを認めたときである。だから,心を開いて無防備にするのはとても怖い
 私は今まで心を閉ざして生きてきた。それが悪いことだとは思わない。心を守るためだ。他人との関わり合いを求めさえしなければ,心を開く必要はない。
 思えば仮に他人の心が開いているように見えていても,そこに入り込むのはためらってきた。理由はいくつかある(単純に面倒くさいといった怠惰な理由もある)けれど,相手の開かれた心に入り込んだら,自分も同じように開かなければならないんじゃないかという強迫観念が生まれるのがイヤだから。
 あとは,他人の心に入り込んだときに無意識に傷つけてしまうんじゃないかという恐怖。生活していれば悪気はなくとも家は傷ついていく。それと同じように,他人の心にお邪魔して傷つけることがあるかもしれない。それが怖い。自分が傷つくのもイヤだし,他人を傷つけるのもイヤだ。だったら,自分の家にいるほうがいい。
 ただ,私は齢44を目前にして気付いてしまった心を開くからって,何もフルオープンでなければならないわけではないということに。人によって,時と場合によって,適度なセキュリティを施していいのだ。ドアは閉じているけど,鍵をしていないという程度でもいい。逆に傷つくのがイヤなタイミングであれば,ガッチガチのオートロックに警備員を配置しながら家の中に罠をしかけまくるのもいいだろう。
 「心を開け」と言われても「なんでリスクを背負って開かなきゃいけないんだよ」と思ってきた40余年間。開き具合を自分で調整すればいいんじゃないか? 友達でも恋人でも同僚でも後輩でも先輩でも師匠でも弟子でもなんでもいい。心を通わせたい相手がいるのであれば,リスクを背負う必要がある。ほかならぬ心のやり取りだからね。
 ただ,「自分はこれだけ開いているのになんであなたは同じように開かないんだ」というのも違うし,「俺は開かないけどあなたは開け」というのも傲慢だ。人によって開き方は違う。開いたほうが損をするわけではない。けど,結局歩み寄りなんだと思う。そうやって,結果的に徐々に開いていったり閉じていったりを繰り返すもんなんじゃないかと思う。心のやり取りって。

画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」
 ……何の話? って思うでしょ? いやね,私,今ギルド型ソーシャルゲイムをプレイしておりましてね。「ロードモバイル」iOS / Android)っていうゲイムなんだけども。先に言い訳しておくと,私,連載でこのゲイムを取り上げるつもりはなかったのですよ。なぜなら仕事としてヤっているから。
 私,DDTプロレスというプロレス団体に所属してまして,その会社から「ロードモバイルをプレイする」という仕事が降ってきたのですね。その時点で会社には確認したのですよ。「私,日本最大級の総合ゲイム情報サイト4Gamer.netで14年続いている毎週木曜更新の連載を持っているんだけども,そこで取り上げろって意味だったらお断りしますね。なぜならこの連載は私が自由に書いていいって言われている場だから,あまり仕事感出したくないんで」って。
 そりゃそうさ。しがらみに左右されたくないじゃん。せっかく私が思ったことを書ける場をいただいているというのに,思ってもいないことを書かされた日にはたまったもんじゃない。だから↑のようにガツンと言ってやったわけですね。
 すると。むしろ会社からは「あー別にそういうのは期待していないから。ただヤッてくれればいいよ」と言われ。逆にもうちょっと影響力を持てるように頑張らないとなって。ちょっと心が傷つきました。けっこう扉を閉めていたはずなのに。
 というわけで,お仕事で始めたはずのこのゲイムだったんだけど,まんまと熱くなっちゃってますよね。私が参加している「ロードモバイル DDT対抗戦」というイベントのルールとしては,DDTの所属選手10人がタッグを組んで(全5チーム)ギルドを設立し,来たるべき日にゲイム内で戦争をし,「共闘ポイント」の累計で勝敗を決めるというもの。
 ギルドというのはまあいわゆる同盟で,100人まで参加できるコミュニティなわけですよ。なので,自分一人で頑張っていても勝つことはできない。ので,いろいろな人に参加してもらってギルドを構成するわけですが。

画像集#003のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」 画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第631回「仕事で『ロードモバイル』をプレイしながら心を開く練習をしています」
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 私のパートナーのクリス・ブルックス選手がね,いわゆるガチ勢でですね。めちゃくちゃコミュニケーション能力が高いのですよ。ほかのギルドから攻められたら相手と交渉して同盟を結んだり,仲間がやられたら即座に報復してやられた仲間を気遣ったり。そんな姿を見ているうちに,こうやって絆って生まれていくんだなって思い知らされたよね。
 今まで,こういったみんなで協力して成し遂げる系のゲイムって,プレイはしていても積極的にはコミュニケーションに参加してこなかったのですよ。心を開けなかったから。でも,確かに始まりは仕事ではあるけれども,人と人がゲイムの中で関係性を築いているのを目の当たりにして,「こういう心の開き方もあるんだな」って勉強になっているのよね。まさに現在進行形で。
 何もフルオープンにする必要はない。あくまでゲイムはゲイム。付き合いで普段やらないゲイムを始めて,ギルドに参加してくれている人がいる。だから,正直ギルド参加者の中でも温度差はある。それでも,自分にできる範囲で一生懸命,ほかの人達と同じ目標に向かって進むことって,そこまで悪いもんじゃない。
 これは,練習なんだ。人生でちょっと遅くなったけど,このゲイムの中だけでも自分ができる範囲で心を開いてみよう。そう思わされたので,心を開いてこの連載に書いてみました。5月31日までなんだけど,始まって2週間くらいなんで,私と一緒に心を開く練習したい人はぜひ。私がギルドの団長なんで,このゲイムを心開く場にしても問題ないです。↓のTweetをからダウンロードしてもらわないとイベント参加はしづらいっぽいのでご注意くださいな。


 ゲイムとしても,私が取り上げないでおこうと思ってた気持ちを翻して熱くなれる程度には,しっかり面白いのでご安心を。

 このイベントで勝ったチームは渋谷駅の巨大広告になるらしいので,もし渋谷で私が晒し上げられていたら,皆様は「一人のおっさんが心を開けたんだな」って思ってください。もしくは参加して私を晒す力になってください。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」「Oddworld: Soulstorm」
Nintendo Switch:「フィッシング ファイターズ
iOS:「龍が如く ONLINE
iOS:「今三国志
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の5月9日に東京・後楽園ホールで無観客大会「Ultimate Tag League 2021 in KORAKUEN HALL!!」を開催し,「WRESTLE UNIVERSE」で配信します。ディーノ選手はスーパー・ササダンゴ・マシン選手とのタッグで,高木三四郎選手&納谷幸男選手,大鷲 透選手&平田一喜選手,彰人選手&中村圭吾選手と4WAYマッチで対戦予定。「8人中7人をぶっつぶす」とのことでした。
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