連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第683回「夢は人の数だけある」
一人として同じ人はいないのだから,当然だ。
ところで,小さい頃から「夢を持て」と言われ続けてきたが,夢って何だろう。夢は,持たなければならないものなのだろうか。もちろん,夢があるに越したことはない。夢って,要するに目標みたいなもので,夢があればそれに向かって頑張ることができる。でも,世の中には夢を持っていない人もいるし,もっと言うと夢の持ち方が分からない人も多いんじゃなかろうか。
なぜそう言えるのかというと,私がそうだったから。ちなみに,今の私が持っている夢は不労所得を得ることだ。働かずしてお金をそれなりに得ること。それでゲイムを遊び続ける人生を送りたい。とはいえ,現実はそううまくいかない。生きていくのにもお金はかかる。だから私はリングに上がって他人を殴ることで生活させてもらっている。
だが実は,この不労所得という夢を持つに至るまで,やたらと時間がかかった。プロレスなんて特殊な仕事をヤっていると,よく「夢が叶って良かったね」と言われたり思われたりするけれど,申し訳ないが私にとっての夢は「プロレスラーになること」ではなかった。過酷な練習や下積みを重ねたわけでもなく,何となく学生プロレスをヤッていたから,そのままの延長でプロの大会に出るようになり,気付いたら主戦場として出ていたプロレス団体が大きくなっていた。それで今に至る。
この連載も同じで。4Gamerも以前はPCゲイムやハードウェアの記事がメインのマニアックな情報サイトだった。当時からゆるーく書かせてもらっていた連載だったのだが,気付けば4Gamerはコンシューマゲイムを扱うようになり,スマホゲイムを扱うようにもなり,ゲイム全般を扱うようになっていた。ゲイムメディアとしてめちゃくちゃ大きくなっていた。で,今もゆるーく書かせてもらっている。
そう。私は乗っていただけなのだ。プロレスにも4Gamerにも。乗った組織が大きくなっただけで,私は何もしていない。生きていくのに運はとても大切だ。だが,運は可視化できないからそれに頼ることもできない。何が言いたいかというと,他人にとっての夢と私にとっての夢は違うんだってこと。
私はプロレスラーとして人前に出させてもらって,日本最大級の総合ゲイム情報サイトに連載を持たせていただいているけれども,夢は叶っちゃいないということだ。夢なんて慌てて持つもんじゃない。もちろん,就職するときなんかには,夢をでっち上げなきゃいけない場合もあるだろう。でも,夢のありかが自分が分かっていればそれでいい。無くても焦るな。適当に言っていたら,それが本当に夢になる場合だってあるし。
繰り返すけど,夢って「目標」と言い換えることもできる。就職活動時に聞かれる夢なんて,そういうことだ。企業にしてみたら,君の夢なんかには興味はない。君が「目標を作れる奴かどうか」を見ているんだろう。生産性ありそうな人を探してるわけだからね。生きてりゃ欲は出てくる。言い方は悪いけど,欲こそが夢の正体だ。だから,夢ってもんは生きてりゃ勝手にできるんだよ。若い時期の夢のほうが純粋な欲ってだけで。
だから,今夢がなくても気にするな。ただ,ちゃんとでっち上げろ。夢なんて人の数だけあるんだから,ちゃんとでっち上げればバレはしないよ。
「パワプロ」は言わずと知れた野球ゲイムの王様ですよ。同じくKONAMIの「プロ野球スピリッツ」シリーズと双璧をなすプロ野球ゲイムだけど,ちゃんと住み分けができているのがいいよね。リアルを追求した「プロスピ」,野球ゲイムを追求した「パワプロ」。同じ会社が同じジャンルのゲイムを複数リリースして,ライバル関係を作っているのは珍しいケースじゃないかな。どちらも別の面白さがある。
で,パワプロの話に戻るけども,ゲイムとして面白いんですよ,たぶん。「サクセス」はもはやシミュレーションゲイムとして面白いし,「マイライフ」では野球選手の人生を疑似体験できる。たぶん。そして,野球ゲイムとしてプレイヤー同士がしのぎを削るモードもいろいろ用意されている。たぶん。
このモードの何がいいって,監督としてのプレイなんで野球の操作は一切しなくていいんですよ。選手を育ててオーダーを組んで,試合時には指示を出すだけ。これが面白いのなんの。めちゃくちゃいい選手でスタメン組んでも,高校の大会ってトーナメントだから一度負けたらその年は終わり。こういう緊張感もちょうどいい。それで,いくらいい選手が入ったとしても3年で卒業してしまうのも,世代の波みたいなものを感じられていい。延々と遊んでいられるのです。
実は今回,パワプロ2022を取り上げるかどうかでも悩んだのですよ。なんせ栄冠ナインしか遊んでいないから。せっかく作り手がサービス精神からいろんなモードを作ってくれているというのに,そのうちの一つでしか遊んでいない。でも,めちゃくちゃ楽しんでいる自信はある。そういう気まずさから「え? 人それぞれですよね」っていうことを冒頭で開き直った次第であります。
人の数だけ夢はあるし,遊び方は人の数だけある。甲子園優勝という夢はおそらく高校球児の共通の夢でしょう。では,その夢を叶えるために何をするのか。それは人それぞれなんですよね。夢は持ってもいいしでっち上げてもいい。本気で私はそう思っています。ただ,夢を叶えられるかどうかはまた別問題。運も大切だし,方法も大切。焦らなくていいよ。夢に振り回されるな。夢という君の欲を満たすために何をするか。君の夢は何もかも,君だけのものだ。
パワプロ2022には夢が詰まっている。面白いよ。ではまた来週。
今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「eFootball 2022」
Nintendo Switch:「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」
iOS:「ロードモバイル」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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一般社団法人日本野球機構承認 日本プロ野球名球会公認 日本プロ野球OBクラブ公認 プロ野球フランチャイズ球場公認 ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2021年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。Japan Baseball Data(株) データは、Japan Baseball Data(株)が独自に収集したものであり、公式記録とは異なる場合があります。提供情報の手段を問わず、いかなる目的であれ無断で複製、転送、販売等を行うことを固く禁じます All other copyrights or trademarks are the property of their respective owners and are used under license. Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。 “プレイステーション”、“PlayStation”および“PS4”は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。“eBASEBALL”は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの登録商標です。 cKonami Digital Entertainment
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